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海外事例研究 | 人流データを用いたチェーン店の出店戦略 裏にあるアルゴリズム


はじめに

GEOTRAの伊藤です。

以前のnote記事で、StreetLight社の人流データを活用したデータドリブンな出店地選定の事例について、ご紹介しました。本記事では、同選定の背景にあるアルゴリズムについてご紹介します。

背景

米国のStreetLight社は、個人の携帯電話及び自動車のGPSデータを収集し、独自のアルゴリズムを用いることで、数ヶ所の出店候補地の中から最も高い収益が見込める場所を、新店舗出店地を特定・提案しました。

StreetLight社のアルゴリズム「ランダムフォレスト」

StreetLight社は、AIを用いた機械学習のアルゴリズムの一つであるランダムフォレストを、収集したデータの分類・予測の用途で用いています。

図1は、ランダムフォレストを用いて果物を判別する例を用いて、アルゴリズムの概要を示しています。

図1:ランダムフォレストのイメージ図
出典:Introduction to Random Forest in Machine Learningをもとに作成

図1で示した決定木は、図2が示すように2種類あります。

図2:決定木のイメージ図
出典:Introduction to Random Forest in Machine Learningをもとに作成

ランダムフォレストは、図1及び図2が示す決定木を複数用いるアンサンブル学習のアルゴリズムであり、以下のように生活の様々な場面で用いられています。

*アンサンブル学習...複数の学習木を用いてより良い予測を得ようとする機械学習の学習手法

ランダムフォレストの具体的使用例

毒キノコ検知システム

関西デジタルソフト株式会社は、食用キノコを判別するシステムを、AIを活用して開発しました。キノコの傘の形状、表面、色やひだの色、胞子紋の色、匂いを選択肢から選ぶことで、AIの内部にある複数の決定木から、最も可能性の高いキノコを判別し、食べても大丈夫なキノコかを判断するシステムです。

図3:毒キノコ検知システムの実行例のイメージ図
出典:PR TIMESの記事及び引用

StreetLight社のランダムフォレストの使用例

StreetLight社は、移動手段の推測にランダムフォレストを用いています。図4が示すように匿名のGPSデータ及び交通情報から収集した情報を分類し、最も確度の高い交通手段を特定しています。

図4:ランダムフォレストを用いた移動手段の推測のイメージ
出典:Pedestrian Volume Methodology and Validationより引用

更に、新店舗候補地の選定では、図5が示すように生活者の情報を分類して、ランダムフォレストを活用して新店舗候補地に立ち寄る可能性の高い人の数を推測し、売り上げを予測して、数ヶ所の新店舗候補地の中から一ヶ所の候補地を特定・提案しています。

図5:新店舗候補地の需要予測に用いる移動者の属性情報
出典:This Corner or That? Better Site Selection Is Here with StreetLight Advanced Traffic Countsより引用

最後に

ここまでご覧いただきありがとうございました。

本記事では、米国StreetLight社の出店地選定に用いたアルゴリズムの「ランダムフォレスト」についてご紹介しました。

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