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セブン&アイ・ホールディングスはどこへ行きたいのか。

まずはじめに、20.315はセブン&アイさんに特別の感情を持っているわけでもなく、利害関係があるわけでもないことを断っておきます。株式も、グループである「セブン銀行」株を1単元持っているだけで、他は持っていません。

大変僭越ではありますが、消費者として、そして投資家として外部から見たとき、現状のセブン&アイさんが「どんな企業体をめざしているのか」について一向に明確になっていないことを記述したいと存じます。

うすうす考えていたことを、明快にさせてくれたニュースが5月13日に飛び込んできました。

「物言う株主バリューアクト、セブン&アイ株4.3%取得の狙い 3800万株(12日終値で約1745億円)以上保有」~ブルームバーグ

このブルームバーグの報道によりますと、オリンパスの社外取締役を務めているロバート・ヘイル氏(バリューアクトのパートナー)はセブンイレブンがセブン&アイの中核事業であることから「セブンイレブンのフランチャイズビジネスの持続的成長、イノベーション、洗練されたオペレーションへと一層注力することでグローバル・チャンピオン企業へ成長することができると確信している」と述べ、スピンアウトを含めた事業再編を提案する予定とのことです。

さすが、ですね。

元々の親会社であるイトーヨーカ堂は、かつて日本を代表する流通大手でした。昔は「ヨーカドー、ダイエー、ジャスコ(現イオン)」が3大流通企業でしたが、ダイエーは解体されて一部がイオン傘下に、ヨーカドーは店舗再編の真っただ中にあります。3大流通企業が競っていたころ、小さな店舗に過ぎなかった「ドン・キホーテ」が、現在異彩を放つ大企業となりました。

イオンはM&Aを繰り返し、その業容を拡大、再生産を続けアジアで存在感ある流通大企業となっています。

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イトーヨーカ堂は、残念ながら「総合小売業」としては失敗です。かたや、ヨーカドーの1事業に過ぎなかったコンビニ「セブンイレブン」はアジア太平洋~北米エリアのメガ・コンビニになっています。

このイトーヨーカ堂とセブンイレブンの関係をみても、切り離したほうが、お互い集中して経営の舵が切れるんじゃないか、と思います。

アメリカのコンビニ「スピードウェイ」買収は戦略的だと思いますが、それはそれ。百貨店事業である「西武・そごう」事業をどうしたいのか?が見えてきません。イトーヨーカ堂はかつて「ロビンソン百貨店」という業態に進出して失敗した経緯があります。

20.315的には「西武・そごう」事業はJ・フロントリテイリングに売却、この売却で得た資金をどう生かすか。イトーヨーカ堂が「総合小売業」として復活したいのならば、全国に散らばる地元の中核スーパーマーケットを買収して流通連合を作る。あるいは、インドネシアやベトナムなど東南アジアの地元スーパーを買収する。

LOFTをどうするか?タワーレコードをどうするか?NISSENは・・・?

グループ企業が多すぎて、何をどう統合したらよいのか、当のセブン&アイの経営陣ですら「迷いが生じているんじゃないか」とさえ思います。

少なくとも、アプリを司る「セブン・カードサービス」と「セブン銀行」は合併させてもいいんじゃないか、「セブンドリーム・ドットコム」と「セブンネットショッピング」に「ぴあ」を統合できないか?とか勝手な想像もできそうです。あるいは、近しい業態を持つスタートアップ企業に売却する(買収して合併させる)、という選択肢だってあるはずです。

デニーズだって、ゼンショーやコロワイドに売却という考え方もあるでしょう。

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儲かっていない事業は、儲かっている事業におんぶされていればよい、という時代ではありません。

コロナ禍以前ならまだしも、1年以上にわたって外食や(一部の)小売業が苦しみながら業態転換を模索している今、「事業」の選択と集中が必要なんじゃないか、と20.315は思います。

否、セブン&アイさんはイトーヨーカ堂や西武・そごうに至っては、長年にわたって「放置」してきました。外部から見ると、そう見えるんです。そこが問題だと思います。

当のセブン&アイさんの従業員や関係者にしてみれば「外部の人間に何がわかる?」とか「事業改革は行っている!」とかいわれそうですが、スピンアウトしたり、他の企業に買収されて初めて「見えてくるもの」があるんじゃないか、と。

イトーヨーカ堂や西武・そごう、その他の小売事業においても、立地条件が良く資産的価値は十分にあると思います。売ろうと思えば、高く購入してくれる企業やファンドがあると思います。

バリューアクト・キャピタルがどのような提案をするのか、今後に期待です。少なくとも、彼らが見ているセブンイレブンの将来像は、アジア太平洋&北米からさらに、地球規模のグローバル・コンビニエンスストアが誕生する未来像ではないでしょうか。

そして、その過程でセブンイレブンの株主価値はもっと上昇するんじゃないか、と思います。

以上、大変恐縮ですが勝手なことを書かせていただきました。

こんな20.315でも、セブンイレブンには毎日のように行ってますよ!

※写真は全て20.315が撮影。
※写真と本文は関係ありません。







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