毎日新聞から

HBO制作『CHRNOBYL』を観て

今年5月にアメリカで放送された『CHRNOBYL』を観ました。実に良質な作品で、観た後に主人公レガノフの渋い表情、歩き方などを真似したくなった20.315です。いや、実にシリアスな題材の物語なので、「真似したくなる」などと不謹慎な言い方はよくないですね。

グラスノスチ、ペレストロイカが声高に叫ばれた頃、1986年4月にキエフ州プリピャチで起きたチェルノブイリ原発事故を扱ったドキュメンタリータッチのドラマです。2019年のエミー賞では作品賞、脚本賞、監督賞など10部門で受賞しています。

ソ連崩壊の5年前の出来事なので、当時のソビエト連邦共産党の社会体制や暮らし、人間模様なども垣間見れる非常に興味深い内容となっています。

見終えて、20.315には次の二つのセリフが印象に残ります。

「この事故で広島原爆の2倍の放射能が放出されるんです!」(科学者レガノフ)

「ソビエト崩壊は、チェルノブイリ原発事故が発端だったかもしれない」(ゴルバチョフ書記長)

チェルノブイリ原発事故から33年。今、ウクライナの現地では見学ツアーが行われていて欧米からの観光客が増加しているそうです。ここ日本でもツアーに申し込めます。

戦後74年の広島には、世界各国から人々が集います。今年10月に20.315も広島に所用で行きました。実に多くの外国人が平和記念公園を訪れていました。慰霊、学習、興味本位、怖いもの見たさなど理由は様々でしょう。中にはそれこそ不謹慎な理由で来ている方々もいるでしょう。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」は世界共通なのかもしれません。

ヒューマンドラマとしても見応えのある『CHRNOBYL』。日本ではあまり話題になっていないのが残念です。

※写真は近年のチェルノブイリ原発(毎日新聞から)



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