静寂な空間にある惨劇1

静寂な空間にある惨劇・・・

ここ数週間、街中を歩いていると、ふとマンガ『刻刻』(著:堀尾省太)を思い浮かべます。新宿、渋谷、銀座、秋葉原、そして近所でも、出歩いている人が少なく、時が止まったかのように風景だけが通り過ぎる、そんな感覚です。

惨劇とはいっても、『刻刻』では結構えぐいシーンも多いので、現実的にはちょっと違います。リアルなスプラッター的要素はありません。

今、この世の中で進んでいるのは、明らかに目に見えない”惨劇”です。

知り合いのA社はイベント関連の売上がこの3月で数十億円吹き飛ぶといいますし、とあるB社は取扱高が3割減る可能性がある、といっています。
周囲を見回しても、こんな身近に「売上減」がことごとく発生する現象は、今まで誰も経験したことがないのではないでしょうか・・・。

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しかも、A社もB社も3月の話であって、4月以降は「予測不可能」な状況らしいです。

Twitterで誰かが呟いていました。

「リーマンショックの時は、金融システムの崩壊だった。今回は実体経済の崩壊が始まっている。単純な比較はできない」

ほんにこれ。
売上の減少や取扱高の減少は(極端に図式化すれば)→ 残業の減少 → アルバイトの募集停止またはカット → 派遣社員または契約社員の更新停止 → 正社員の募集停止 → 従業員のリストラ へと雪崩現象を起こす危険性を意味します。

この流れの中で、事業停止や破産、倒産する企業も出てくるでしょう。

実際、巷間では新卒学生の「内定取消」が話題になりつつありますし、旅館や旅行会社の中には倒産したところが出てきました。

イタリアをはじめ、フランス、ドイツ、スペインなどヨーロッパ各国の状況が深刻さを増していますし、アメリカ合衆国も不穏な空気に覆われ始めています。実体経済への悪影響が今後、襲ってくるのではないか、という不安が、現在、世界のマーケットに反映していると20.315は思います。

世界各国の中央銀行や財務当局が金利政策や財政出動に注力していますが、これらが、新型コロナウイルスを死滅させるわけではありません。どのような政策支援もウィルスには効力がないのです。

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静かに、とても静かに、実体経済の崩壊が進んでいる・・・。
これがパンデミックの姿なんでしょう、おそらく。

とはいえ、このままズルズルと実体経済の悪化を傍観していいわけではありません。各国政府による自国民への支援は当然なのですが、やはり、カギを握るのはワクチンの開発でしょう。

ワクチンの開発さえ、目途が立てば、実体経済は徐々に回復していくと思います。

現状は、その目途がたっていないから世界のマーケットが崩れているのでしょう。

この3月の各種経済指標は4月に、そして4月にも影響が出てくるであろう欧米の指標は5月に発表されますが、マーケットはその都度、乱高下する可能性があります。

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従って、20.315はマーケットを見ながら、いつが「買い」なのか判断できずにいます・・・。

ズタズタに切り刻まれたポートフォリオを眺めつつ、徐々に、慎重さを見失わないよう、銘柄の選定を進めています。

投資家の中には瀕死の重傷を負って「退場宣言」する人もチラホラいるようですが、20.315は退場しません。

ゴキブリのように、生きていきます!

※投資は自己責任でお願いしますです。
※写真はデ・キリコの絵以外は全て20.315が撮影したものです。冒頭写真は皇居と東京都心、中段は都内JR駅の構内、後段は埼玉県内の小学校。いずれもイメージです。本文とは直接関係ありません。
※デ・キリコ『街の神秘と憂鬱』はブログ”Tygertale”から。デ・キリコの絵が好きなので、静寂というキーワードからこの絵を選んでしまいました(笑)。

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