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渋沢翁が泣いている・・・。

こんにちは!
経済コメンテーター亜種の20.315です。笑。

みずほフィナンシャルグループが揺れていますね。頭取が事件発生後、3時間以上経ってからネットニュースで「システムトラブル」を知った、なんていうインクレディブルな件まで表沙汰になってしまっています。

私ごときが銀行経営について云々するのもおこがましいとは思いますが、今回の一連の不祥事について、ちょっとコメントしたいと思います。

まずは、卑近な2つの事例について事実を記します。

一つ目。

今から約20年ほど前、私はマンションのローンの借り換えを行うために都内のSM銀行の窓口にいました。1990年代半ばから低金利になり、遅ればせながらのローン借り換えで、窓口の担当は「えぇ?まだ住宅金融公庫だったんですか?20.315さん、生きた化石ですよ」と言われながら、各種書類に押印し、この銀行のローンに借り換え手続きを行いました。

合併したばかりの新生・SM銀行のその担当者は、S銀行入行組の30代。かなりのスピードで書類を用意し、矢継ぎ早に「ここにお名前を記入、ここに押印してください」とテキパキと処理。
ちょっと聞いてみたくなり、質問しました。

「合併は大変ですね」

すると、待ってましたとばかりに彼はこう言い放ちました。

「いやあ、そうですね、M銀行の方々はお公家さんのようで、仕事がスローなんですよ、まったく」

窓口の奥には他の行員もたくさんいましたが、まるで周囲に聞こえるかのような大きな声でした。M銀行入行組もいたに違いありせん。

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二つ目。

2017年夏。まだ株式投資も本格的にしていなかった私は、1000万円の運用先を探していました。たまたま、みずほ銀行窓口で「金銭信託がいいですよ」と言われ、預けました。その後、「銀行の金利はやはり意味がない」と悟り、2018年の秋に解約を申し入れました。
「20.315さん、申し訳ありませんが年ごとの更新で途中解約すると手数料だけで元本割れするのでおすすめできません」といわれ断念。

2019年の夏、更新日を過ぎて解約しました。金利収入は2000円程度。
1000万円が2年間で2000円しか生み出していません。アホですね。

みずほ銀行の担当の方が、「大金を解約する場合、理由をお聞きすることになっておりまして、よろしければ・・・」というので、すかさず、

「株」

と答えました。行員の方は「はぁ・・・そうですか」とだけ応答。
その表情は資金運用を「ギャンブルに?」というニュアンスでした。
おそらく、行員の方も1000万円をJT株で運用すれば、年間配当が約50万円になる、ということを知らないんでしょう。その差、250倍。否、金銭信託は2年間の運用で2000円だったんで、その差は500倍となりますね。

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一つ目について。

2000年前後、いわゆる都市銀行が不良債権の最終処理に追われつつ、合併が相次ぎました。三菱銀行と東京銀行が合併して東京三菱銀行が誕生、三和銀行と東海銀行が合併してUFJ銀行となり、住友銀行と三井銀行が合併、そして第一勧業銀行と富士銀行、日本興業銀行の3行が合併してみずほフィナンシャルグループが誕生しました。

SとMと書けば想像がつくと思いますが、実質的にはMが吸収されてSが主導権を握った印象です。東京三菱も、その後にUFJと合併し、実質的には三菱がその他を飲み込んだ印象です。いずれも、どちらか一方の銀行が主導権を握って「メガバンク」となっていったのです。

他方、みずほFGはどうでしょうか。

「いまだにたすき掛け人事がある」
「飲みに行くときは、旧行同士」
「システム併存させて繋いだ」

などなど。合併とは形だけのものだったのか?と思うような事態が、もう20年以上も続いているのです。

金融庁は動くべき、と思いますよ。
「解体して3行に戻し、再スタートさせる」ぐらいの覚悟が必要だと、20.315は思います。

一時期、みずほは「システムは一新した」「もう大丈夫」と高らかに宣伝していたにもかかわらず、です。

自行の深刻なトラブルを、最高責任者がネットニュースで知る、なんて低俗なギャグにもなりません。

現在「合併は失敗だった」といわれても仕方ない状況です。

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2つ目について、メガバンクで働きながら、金融リテラシーを疑うような行員が少なからずいるという事実。
それとも、銀行では「株はギャンブル」というような教育でも行っているのでしょうか。

株式投資にギャンブル性があることは事実ですが、この超低金利時代に金銭信託や定期預金などを勧めてくるというのは、間違ってはいませんが正解でもありません。

そりゃあ銀行業や金融業には規制も多いですし、個々の銀行にも営業ノルマがあって「勧めやすい」商品があることは事実でしょう。

しかしながら、電子マネーやフィンテック、デジタル通貨など金融をめぐる状況は目まぐるしく変化しています。

ATMでカードが戻らない、とか、通帳が出てこない、とか、出来の悪いおもちゃかよ、と揶揄したくなるようなトラブルです。

システムトラブル自体大いに問題ですが、日本の銀行が世界の潮流に乗れていないことも大いに問題ではないでしょうか。

そもそも、キャッシュカードさえ前時代の遺物、通帳にいたっては、それこそ「化石か」といわれる時代がもう目の前に迫ってきている時代です。

全てをキャッシュレスに、全てをペーパーレスに、とは言いませんが、銀行は利用者に対してももっと啓蒙すべきではないでしょうか。
もちろん、一部の情報弱者はついてこれない方もいらっしゃるので、紙を残すことも必要ですが。

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話が少々ずれてしまいました。すみません。
いずれにしても、みずほFGについては抜本的な改革が必要でしょう。
役員の退任や減給処分で、抜本的な改革が本当にできるのでしょうか。

いっそのこと、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス、あるいはUBSなどの外資系金融から役員を複数招聘するぐらいやらないとダメなんじゃないか、とさえ思います。ショック療法が必要、ということです。

役員自らが「嫌だ」と思うような環境を作り、常に緊張感をもたせ、時にはハレーションが起きるぐらいでないと改革できないんじゃないか、と。

あるいは、りそなホールディングスが誕生した時のように、全くの異業種から役員を受け入れることもいいかもしれません。

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みずほFGの株価は、2021年6月16日現在それほど影響を受けていません。
金融庁からの処分が下れば、それなりに下落するかもしれません。

みずほFGの株は配当率も高いので人気銘柄のひとつです。20.315も、タイミングによっては買ってもいいと思っています。

学生時代、当時の富士銀行(後のみずほ銀行)に内定し就職した知り合いもいます。その後、都内でばったり会った時「合併して大変」と言っていたのを思い出します。※恐らく今なら、出向してメーカーとかの役員になっているんちゃうか、と思いますが。

現状、20.315は株主でもなく関係者でもありませんので、みずほFG関係者から見れば「戯言を」と思われるかもしれません。

しかし、一度ならず二度、三度、否、四度も信用を失墜した以上、これを取り戻すには果てしない高度なハードルを乗り越え、さらに茨の道を進んでいかざるを得ないと感じます。

明治初期、日本最初の銀行である第一銀行がみずほFGのルーツのひとつです。その第一銀行を設立した渋沢栄一がこの一連の出来事をみていたら一体、何を思うでしょうか・・・。


※写真は全て20.315が撮影。
※写真と本文は関係ありません。
※投資は自己責任でお願いします。


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