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『八日目の蝉』(2011年公開作品)

雨の日、AmazonPrimeのウオッチリストにチェックしていた作品の中で何となく、これ見ようと思った映画が『八日目の蝉』でした。

ラストシーンで、希和子が刑事たちに泣き叫びます。

「この子はまだ・・・ご飯を食べていません・・・よろしくお願いします!」

このシーンでもうダメです、嗚咽です。

涙と鼻水で顔中が洪水になります。傍から見たらただの変態ですけど。笑。

本当の母親に「お星さまの歌をうたって」とせがむと、母親は
「キラキラひかるーお空の星よ~♪」
とうたいますが、子供は違うと言います。母親は頭をグルグル回転させて、別の歌を口ずさみますが、子供はまた違うと。

本当の母親は偽物の母親がどんな「星」の歌をうたい聞かせていたのかわからず、半狂乱になります。

子供はただただ恐怖におびえて「お母さん、ごめんなさい、ごめんなさい」と叫ぶ・・・。

そのあと偽物の母と子供の回想シーンで、この曲だったのか、と観客は頷く。

八日目の蝉-3

本物の父母が本物とわからず、自分は知らない男と女に誘拐されいる、と信じ交番に駆け込む。子供が、雪の中を駆けて行く上記シーンです。

痛ましい、とか、かわいそう、という感情以前に、物心ついてからずっとそばにいてありったけの愛情を注いでくれた偽物の母親への思いが、本能のようにほとばしります。

本当の親とは?
親子の関係とは?

20.315は、いつのまにか偽物の母親が本物の母親に思えてしまいました。

神奈川から大阪へ、そして小豆島へ。はかない幸せの日々は、4年間で打ち切られます。

永作博美、井上真央、森口瑤子、そして小池栄子の迫真の演技が光ります。

八日目の蝉-2

警察が身近に迫る予感から、小豆島の写真館で”家族写真”を撮ってもらう親子。ここでも、うるっときちゃいました。

大阪では、オウム真理教を彷彿とさせる事例も物語に組み込まれています。

第35回日本アカデミー賞で10冠を受賞。
おおげさに言えば、この作品を見ただけでもAmazonPrime年会費分の価値がある、と思いました。

ただ・・・。

ネイチャーフィールドXで昆虫観察している身としては「八日目の蝉」というタイトルには誤謬があります、最新の研究ではセミは一週間では死なず、それ以上生き、概ね一カ月程度生きている個体も確認されています・・・、というような無粋なことを言ってはいけませんね!

すんまへん。

『八日目の蝉』は思いっきり泣ける映画です!

※冒頭写真はシネマトゥデイから。
※中段写真はエンタメブリッジから。
※後段写真はブログ「楽しい時間を過ごしましょう」から

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