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3Dプリンターでぬいぐるみスタンドを作ってみた

最近ぬいぐるみブームにより需要が増えたのか、100均でもぬいぐるみ用のスタンドが買えるようになりましたね。

世の中にぬいぐるみスタンドは沢山ありますが、私の使い方にぴったりフィットするものになかなか出会えていません。

以下は、市販のぬいぐるみスタンドへの、個人的な不満です。

  • 持ち運ぶ時にかさばる。ぬいぐるみポーチの隙間に入るくらい小さいものが欲しい。

  • 複数のパーツで構成されていて、使う時に組み立てが必要なものが多い。外出先でさっと出して撮影したい時に不便。

  • 複数パーツで構成されているスタンドだと、物をなくすプロの私はすぐにパーツをなくす。

以上の不満を要約すると、コンパクトでバラバラにならず、出先で素早く使えるぬいぐるみスタンドが欲しい!
ないなら自作しよう!!
ということでぬいぐるみスタンドを自作してみることにしました。

この記事では、ぬいぐるみスタンドを自作する様子を紹介しています

写真のぬいぐるみは、ちびぐるみというシリーズのぬいぐるみです。一般的なぬいぐるみより頭が大きいデフォルメが特徴です。かわいいですね〜。

ちびぐるみを眺めていた時に、大きな頭さえ支えられれば自立させられるのでは?と気づきました。

た、立ったー!!

試しに厚紙を折ってぬいぐるみの頭の下に置いてみたところ…自立した!

これはいけそうだと思い、ぬいぐるみの頭の下に設置するスタンドを設計してみることにしました。

ぬいぐるみスタンドは、アクリルスタンドみたいなアクリル板を組み合わせた形もありますが、今回は設計の自由度を上げるために3Dプリンターで作ることにしました。

3Dプリンターで出力するためには、3Dモデルのデータを用意する必要があります。
私はいつもBlenderというフリーソフトでモデリングをしていまして、今回もBlenderを使いました。
本当はCADソフトの方が適しているんですが…ライセンス料が高くて…。

いきなりBlenderでモデリングするのは難易度が高いので、その前に図面をかいて寸法を決めておきます。
これも本当はCADソフトを使いたいところですが、Illustratorでゴリ押しして描いています。

Illustratorで描いた設計図

平べったい形なので、正面から見た絵があればモデリングできるだろうと、正面だけ作図しました。
紙で試作した時みたいに真ん中で折れ曲がる構造にしたいと思い、中央部分にヒンジを入れています。

この正面図をSVG形式で書き出して、Blenderに取り込み、Illustratorで描いたパスに厚みを与えて3Dモデルを完成させました。

Blenderで作った3Dモデル

左右の2つのパーツは実はくっついてなくて、ほんのわずかに隙間をあけています。
これを3Dプリンターで出力すると、真ん中のヒンジ部分が可動する!はず。

こういう3Dプリンターを使った一体成形のノウハウは、ネット上にいっぱい情報がありまして、先人の知恵を大いに参考にさせていただきました。ありがとう偉大なる先人たち。

使うプリンターや材料、出力設定によって、ヒンジ部分の適切なクリアランスが異なるので、クリアランスの設定を変えたモデルをいくつか作ってテスト出力しました。

クリアランス0.15〜0.3mmのテストモデルたち

テスト出力した物を触ってみると、クリアランス0.15mmでも問題なく可動しました。0.25mm以上になってくると、隙間が大きすぎてがたつきが気になります。
0.15mmでもいいかなぁと思いつつ、念のため少し余裕を持たせて0.2mmを採用することにしました。

ヒンジ部分の寸法が決まったので、本番の出力に臨みます。

出力用のデータ

私が使っているBambu Labの3Dプリンターでは、複数のフィラメントを使い分けて多色印刷することができます。これが大変楽しい。
今回は、アイシングクッキー風のデザインにしたいと思い、土台にベージュのフィラメントを指定し、モデルの上面は白色のフィラメントを指定しました。

3Dプリンターにて出力中
出力したもの

出力完了しました!本当に焼き上がったクッキーみたいでお腹が減ります。

動く…!動くぞ…!

ビルドプレートから取り外すとちゃんと可動しました!狙った通りにできてうれしい!

いろんな色で作ってみた

他の色も出力して並べてみました。個人的には白くま推し。

ぬいぐるみ無事立つ

そしてぬいぐるみを立たせることができました!やったー!

作ってみての所感ですが、コンパクトさは目指したものが実現できたと思っています。
Xにこんなの作ったよ!と写真を投稿したら、思ったより沢山の方に見ていただけて、「出先で使いやすそう」とうれしいご感想をいただきました。

しかし、このスタンドは良いところばっかりでもなくて、デメリットもいくつかあります。

後頭部を支えているだけなので、安定感はあまりありません。ぬいぐるみが転倒しないようにがっちり支えたい派には向かないと思います。

また、使えるぬいぐるみの形状に制約が結構あります。
後頭部の高さがスタンドに合っていないと使えません。ぬいぐるみに靴を履かせてしまうと高さが合わなくなります。

以上のような短所もありますが、私の用途にはばっちり合ってるスタンドができて大満足です!!

ちなみにこのぬいぐるみスタンドの制作にかかった時間は、設計〜完成までたったの1日です。このスピード感…3Dプリンター最高!
3Dプリンターを買ってからというもの、こういった日常の小さな不満を解決することができるようになって毎日楽しい!

みんな3Dプリンター買って、快適なぬい活を実現するグッズ自作しようよ!!
3Dプリンターに興味がある方は、以前書いた3Dプリンター沼への勧誘記事もぜひご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました!