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3Dプリンター買おうか悩んでる人の疑問に答えるQ&A

こんにちは!にーびと申します。

この記事では、3Dプリンター買うか迷ってるんだよねという方の背中を押すために、購入前のよくある疑問にQ&A形式で答えています。

私は普段、家庭用の3Dプリンターで、ゲームキャラクターのフィギュアや、ドールヘッド、ぬいぐるみ向けの小物などを作っています。作ったものの写真をいくつか載せておきますね。

原神のキャラクターのフィギュア
ドールヘッド(ボディは既製品)
ぬいぐるみやドール向けのミニチュア
お守り風キーホルダー
ぬいぐるみサイズのベビーベッド

私と近い用途で3Dプリンターの購入を検討されている方には、参考になる記事だと思います。

※この記事は、個人の方が趣味で使用する目的で、家庭用の3Dプリンターを購入することを想定して書いています。業務用3Dプリンターには触れません。

※この記事に書いていることは、ほとんど個人の感想です。間違ったことを書いていたらコメント等で教えていただけますと助かります。


さて、本題に入る前に一言。

あなたは3Dプリンターを使って何を作りたいですか?

3Dプリンターはただの道具であり手段です。目的がなければ確実に持て余します。

この質問にパッと答えられた方は、不安に思っていることを解決して、ぜひ3Dプリンター村へ入村しましょう!楽しい世界が待ってますよ。


Q. 3Dプリンター欲しいんだけど、機種の選び方が分からない。

A. まずは造形方式を決めて、予算に合う機種を選びましょう。

2024年現在、家庭用3Dプリンターの造形方式で、主流となっているのは以下の2種類です。

①FDM方式
フィラメントと呼ばれる樹脂を熱で溶かして積層していき造形する方式

②光造形方式
紫外線で固まるレジンに紫外線を照射して造形する方式

造形方式によって、さまざまなメリット・デメリットがありますが、何を作りたいかに合わせて選ぶのがいいと思います。
大きいものや強度が必要なものを作りたいならFDM方式、細かくて精度の高いものを作りたいなら光造形方式がおすすめです。

この記事の冒頭で作例をお見せしましたが、
フィギュアやドールヘッドなどの細かな表現をしている作品は光造形方式、強度がほしいキーホルダーやぬいぐるみ用のベビーベッドなどの大きな作品はFDM方式の3Dプリンターで製作しています。

Q. エントリーモデルと高い機種、どっちを買うべき?

A. どちらがいいかはあなたの考え方によりますが、最近は安価で性能のいい機種もありますよ。

私は安い道具を使って苦労した経験があるので、道具を買う時は、基本的に買える範囲で一番良いものを買うことにしてます。

私と似た考えの方はいきなり高額の機種を買っちゃってもいいかもしれませんが、でも使えるかわからない道具に、いきなり十数万とか出せないですよね。
今は2、3万円から買える手頃な機種も多くあるので、そういうところから始めるのもアリだと思います!

参考までに、お金を出して良い機種を買うと何が違うのかを紹介します。

①光造形方式の場合
価格が上がるほど造形精度と出力可能サイズが上がっていきます。

造形精度を表す言葉として、「4K」「8K」「12K」みたいな表示がされています。これは出力時の解像度を表していて、数字が大きいほど細部までくっきりと造形できます。
個人的には8Kあれば十分きれいと感じます。予算が許せば8K以上の機種がおすすめ。

使いやすさは、価格が上がってもそう大きく変わらない印象です。正直に書くと、準備と後片付けは想像していたより大変でした。
3Dプリンターを使ったことがない人は、全部機械が自動でやってくれると思ってるかもしれませんが、実際は極めてアナログな方法で人間が調整しないと出力成功しません。手のかかる機械なのです…。

②FDM方式の場合
価格が上がるほど出力精度、出力可能サイズが上がるのは光造形と同じです。
光造形と違って、出力精度を表す指標がないので、購入を検討している機種のレビューや作例をネットで探して参考にするといいと思います。

FDM方式の場合、使いやすさ、トラブルの少なさは価格帯により大きく異なる印象です。

私が使ってる機種は、購入当時10万以上かかって高かったのですが、ほとんどの調整を機械が自動でやってくれて非常ーーーーに楽です。
一方で低価格帯の機種は、手動での調整が必要だったりと、光造形よりも価格帯によって扱いやすさに差があるように感じます。
予算が許すなら、オートレベリング機能(高さ方向の出力位置の調整を自動で行う機能)はあった方がいいと思います。

あと、高級機は扱える素材の種類が多かったりと、そういうところにも違いがあります。
私のように、強度がそんなに必要ない物を作りたいのであれば、PLAという一番一般的な素材しか使わないと思うので、あまり気にしなくていいと思います。

また、最近のトレンドとして、高速で出力できる機種や、複数のフィラメントを自動で使い分けて多色印刷を行える機種もでてきています。興味があれば調べてみてください。

Q. おすすめのメーカーは?

A. ユーザーの多い有名メーカーの製品を買うのがおすすめです。

2024年現在、日本のAmazonでよく売れてそうなメーカーは、FDM方式ならCreality、光造形方式ならELEGOOでしょうか。
これらの有名メーカーの製品は、品質はもちろん問題ないと思いますし、日本のユーザーも多いので、何かトラブルがあった時にネットで情報収集がしやすいというメリットがあります。

Q. どんな機種を使ってるのか参考に教えて。

A. 光造形方式はELEGOOのSaturn2、FDM方式はBambu LabのP1Sを愛用してます。

どっちの機種も気に入ってます!

ELEGOOのSaturn2は、発売当時はもっと高かったんですが、2024年2月時点では5万円くらいで買えます。やっす!
印刷可能サイズがでかくて本体もでかい。特に高さ方向にめちゃくちゃ場所を取るので、床に直置きしてます。
今は後継機(Saturn3)が出てるので、予算が許すならそっちを買った方がいいかもしれません。消耗品がいつまで供給されるか分からないですし。

Bambu Labは比較的新しいメーカーで、製品はまだ少ないのですが、品質がいいと評判です。
P1Sという機種は、フルセットで買うと15万以上する中堅クラスの機種なのですが、私は非常に満足してます。
高い印刷品質、高速印刷可能、家電レベルの扱いやすさ、多色印刷の楽しさ、クラウド連携の便利さと良いところを挙げたらキリがない…強いて難点を挙げるなら作動音・振動が大きいくらいですかね。

Q. もう少し待ったらもっと良い機種がでるかもしれないと思って迷ってる…。

A. 欲しいと思った時が買い時です。

3Dプリンターは日進月歩で進化していて、どんどん良い機種が発売されます。
待ってるとキリがないので、セールで安くなってる時にでも買っちゃった方がいいですよ。

Q. 3Dプリンターってどこで買ったらいいの?

A. 安さを求めるならAmazon、手厚いサポートが欲しいなら日本の販売代理店がおすすめです。

費用を抑えたいならAmazonでポチりましょう。よくセールで値引きされています。

初めての3Dプリンター購入で、故障等が不安に感じるのであれば、日本の販売代理店から購入することをおすすめします。
家庭用3Dプリンターは海外のメーカーが主流なので、日本語でやり取りしたいなら販売代理店を介した方がいいです。
私はSK本舗さんによくお世話になっています。

Q. 3Dプリンターを買うにあたって注意することは?

A. 買う前に検討すべきことがいくつかあります。

まず第一に、3Dプリンターは熱や紫外線を発する機械なので、安全面を考える必要があります。
特に子どもやペットと同居している方は、ご家族の安全を確保できるか、よく考えてから買った方がいいと思います。

3Dプリンターの設置場所については、特に光造形方式の場合、高さ方向に空間が必要なことにご注意ください。
家庭用の光造形機の多くは透明なカバーが本体に被さっていて、カバーを取り外す際に上に持ち上げるので、棚の中に設置するのは難しいです。

FDM方式は作動音がうるさいので、覚悟して導入しましょう。私はプリンター稼働中、家の中でノイズキャンセリング機能付きイヤホンをしています…。

3Dプリンターで扱う材料は、有毒な物が多いので、その点にも注意が必要です。
特に光造形方式で使うUVレジンは、アレルギーになる方もいます。必ず防毒マスク・防護メガネ・手袋を着用して、よく換気しながら使いましょう。
FDM方式も有毒なガスがでるので、換気は必須です。

あとは、使いこなせるようになるまでに時間がかかることを覚悟しましょう。
3Dプリンターの扱いは、失敗から学ぶ部分が大きいです。失敗してもめげない気持ちが大事(精神論)

Q. どれくらいの費用を用意したらいい?

A. 本体は数万円から買えますが、必要な物や材料を買うと結構かかると思います。

3Dプリンターを導入するにあたって、かかるお金は以下のような感じです。

・3Dプリンター本体 3万円〜
・材料(フィラメントやレジン) 数千円〜
・モデリングソフト 0円〜有料ソフトなら年間数万円
※パソコンを持っていないなら買う必要あり。

光造形方式の場合は、追加で以下も必要です。
・防毒マスク、防護メガネ、手袋 数千円〜
・後片付けに必要な道具 数千円〜
・二次硬化機 数千円〜

最安で必要な物を揃えたとして、FDM方式なら3万〜、光造形方式なら5万〜くらいなんじゃないですかね。
これは本当に費用を抑えた時の話なので、実際にはもっとかかる可能性が高いです。

また、上記はあくまで初期費用で、メンテナンスに必要な道具や消耗品は省いてます。

消耗品が意外と高いのと、いろんな材料をホイホイ買ってしまったりと、ランニングコストも結構かかります。
私は材料だけで年間十万以上使っちゃいました。ワハハ。

Q. モデリングしたことないんだけど、3Dプリンター買っても大丈夫かな?

A. 私も3Dプリンター購入時点ではほとんどモデリングできませんでした。

向き不向きがあるので、買う前にBlender等の無料のモデリングソフトを触ってみた方がいいと思います。

ただ、私は3Dプリンターを買った時点ではほとんどモデリングできなかったんですが、3Dプリンターを買ってから急激に上達したので、そういう道もありますよ。背水の陣的な作戦なので、リスクはありますが…。

モデリングしたものをすぐに出力できる環境があると、勉強するモチベーションを維持しやすくなると思います。

私がモデリングをできるようになるまでの経緯を別記事で紹介しているので、よかったらあわせてご覧ください。
https://note.com/21bi/n/n1af6f0fec3fa

Q. これからモデリングの勉強を始めるなら、どのソフトがおすすめ?

A. 目的にあわせてソフトを選びましょう。

目的別によく使われているソフトを紹介します。
3Dプリンターの機種選びの時に、日本でユーザーの多い機種を選んだ方がいいと書きましたが、モデリングに使うソフトも同じで、ユーザー数の多いソフトを選んだ方が情報が豊富で勉強しやすいです。

工業製品のようなかっちりした形のものを作りたい → Fusion360
人物のような複雑で有機的な形を作りたい → ZBrush
費用を抑えて手軽に始めたい → Blender

Fusion360は、いわゆるCAD(製図)ソフトです。工業製品みたいなかっちりした形を作るならCADソフトが最強ですね。
非商用利用なら無料で使えるのでユーザー数も多いです。

ZBrushは、フィギュアを作る人がよく使っているソフトです。複雑な形状を直感的な操作で作れます。
いかんせん価格が高いので、導入するかは慎重に判断ください。
また、頂点数が多いモデルを扱うため、パソコンの要求スペックが高いことにも注意が必要です。
あとペンタブ(もしくは液タブ)必須です。マウス操作だけで使いこなすのは難しいです。

Blenderは、フリーソフトで、3DCGやアニメーションの制作等に幅広く使われています。
ユーザー数が多いので、チュートリアルがYouTube等にいっぱいあり、勉強しやすいです。
できることが多いゆえにUIがごちゃついていて、最初は取っ付きにくいかもしれません。

私が使っているソフトを紹介すると、シンプルな形状の作品を作る時はBlenderを使っていて、フィギュア系の複雑な作品を作る時だけZBrushのサブスクに課金してます。
ZBrushが一番使ってて楽しいけど高くて辛いでござる…。

最後に

自分自身が3Dプリンター購入前に感じていた疑問や、SNSで人からよく聞かれることをベースに本記事を執筆しました。
もっとこんなことを聞いてみたい等ありましたら、ぜひ教えてください。

3Dプリンターを買ったら買ったで沢山苦労すると思いますが、使いこなせるようになると、できることが一気に広がって楽しくなりますよ。
この感動をひとりでも多くの人に味わってほしいと思っています。ぜひ始めてみてくださいね。