見出し画像

【映画感想文】マネーボール(2011年製作)。独自の理論で優勝できることを証明したゼネラルマネージャーの物語。

野球好きの私にとって魅力ある映画でアメリカのメジャーリーグのGM(ゼネラル・マネージャー)のビリー・ビーン(ブラッド・ピット)が主役。

舞台は2002年シーズンのメジャーリーグ。他球団と比べ資金力の乏しいオークランド・アスレチックスを独自の理論で地区優勝に導く実話に基づいた映画だ。


2002年シーズンに向けて、試行錯誤の日々

前年(2001年)までチームの主力だった3選手が移籍。
この時アスレチックスのGM(ゼネラル・マネージャー)に就任していたビリー・ビーンは、2002年シーズンに向けて戦力を整えるべく補強資金の追加を求めるも、「限られた予算でやりくりしてくれ」と球団オーナーの返事は今ひとつ乗り気ではない。

2001年のアメリカンリーグ西地区優勝はシアトル・マリナーズ。
アメリカン・リーグ史上最多勝利、MLB史上最多勝利タイとなるシーズン116勝挙げた。
イチローさんが日本プロ野球からメジャーリーグへ移籍して1年目。
首位打者、新人最多安打など多くのタイトルを獲得し、リーグMVPにも選ばれた。
抑え(クローザー)は、佐々木主浩さん。

アスレチックスも同地区2位ながらシーズン102勝を挙げて※ワイルドカードでプレーオフに進出した。
※ワイルドカード・・・当時は同リーグで最も勝率が高い1チームがプレーオフに出場できる。現在は上位3チームが出場できる。

ビリーが2002年シーズン前、トレード交渉のためにクリーブランド・インディアンス(現在はクリーブランド・ガーディアンズ)のオフィスを訪れた時にイエール大学卒業のスタッフ、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)と出会う。

ピーターとの出会い。セイバーメトリクス

ピーターはメジャーリーグの選手の評価基準に疑問を持ち、各種統計から選手を客観的に評価する『セイバーメトリクス』を用いて、他のスカウトとは違う見方で選手を評価していた。ピーターの理論に興味を抱いたビリーは、インディアンスから彼を“補佐”役として引き抜き、一緒にアスレチックスの優勝に貢献していく。

ピーターが他球団の数人のGM、球団オーナーと電話でトレードの交渉するシーンは駆け引きの凄さが伝わる。

GMは選手の命運を決断する大変な仕事。
メジャーからマイナーへの通告、解雇、トレードなど選手に非常な通告をしなければいけない。

チームを優勝へ導くためにビリーとピーターは現場監督、スカウト、選手との確執を乗り越えチームも勝ち星を上げていく。チーム全体の雰囲気も変わり次第に優勝を意識し始める。

“影”を作り出す見事な演出

舞台として映される球団事務所やクラブハウスの風景は、照明の落ちた球場や古臭そうな蛍光灯の下で彩られる。

“影”を作る演出がほんとに絶妙な感じ。

・階段下のスロープ
・ビリーが一人きりでトレーニングするジム
・バッティングルーム、ビデオ室、トレーニングルームでの会話シーン
・ビリーがロッカールームからトレーニングルームへ歩きながら選手やスタッフに声をかけるシーン(私の一番のお気に入りのシーン)

ブラッド・ピット、ジョナ・ヒルの素晴らしい演出

ブラッド・ピットはやっぱり格好良かった。
負けることよりも自分が言ったことが思い通りにいかない事への怒りや荒れ狂うシーン、悩み苦しむ姿は本当に見事な演出だった。それでいて娘には弱気な発言を一切言わない父親の姿には胸を打たれる。

ジョナ・ヒルもビリーの怒りを落ち着かせながら冷静にビリーに助言するところは良きサポート役に徹していたと思う。

当時のイチローさんが出ている

当時の試合中のシーンにイチローさんが一瞬出ている。

この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?