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9.11の3日後、テロ報復の武力行使に1人だけ反対した議員

上院全員賛成下院420票の賛成の中でただ1人反対した議員は、ベトナム戦争に2名で反対した議員の言葉を引用した。

ベトナム戦争介入時の決議

1964年 ベトナム沖で北ベトナム軍がアメリカ海軍に魚雷を発射としたとされる事件(後日ペンタゴン・ペーパーズで一部捏造と判明)を機に、アメリカ合衆国議会は大統領に軍事行動を認めさせる決議をとる。

このときの決議は

上院 賛成88 反対2 下院は無投票(全員賛成)

反対したウェインモース上院議員とアーネスト・グルーイング議員。「次の世紀には、将来の世代は、今やそのような歴史的な過ちを犯そうとしている議会に失望と大きな失望を抱く」という言葉を残した。2人の見通しは正しく、多くの傷を残してベトナム戦争からアメリカは撤退した。

アフガニスタン武力介入時の決議

2001年 ニューヨークに対するテロを機に、議会は大統領に報復戦争のために必要な武力行使の権限を認める決議をとる。

このときの決議は

上院 賛成98 反対0、下院 賛成420 反対1

反対の投票に際して、バーバラリー議員は、ウェイン・モース上院議員の言葉を引用し、彼は正しかったし、今日も同じ過ちを犯すのではないかと心配していると述べた。そして、通常戦争ではなく、急いて反撃することで非戦闘員が巻き込まれるリスクが高くなる、人種、宗教、または民族性のために偏見を煽ることはできない、最後に、出口戦略も焦点を絞った目標も持たない制約のない戦争に着手しないようにと訴えた。

https://www.wagingpeace.org/rep-barbara-lees-speech-opposing-the-post-9-11-use-of-force-act/

そして2021年8月、アメリカはアフガニスタンから混乱の中撤退した。世論に反して反対票を投じたことで当時脅迫にさらされたバーバラリー議員の行動は再評価されている。

歴史は繰り返す

 全員が賛成して反対意見を認めない空気になるとき、私達は何かの視点を見落としている。歴史を振り返ると何を見落としていたかがわかる。この議員達の言葉を忘れないようにしたい。