夢、おばあちゃんに会いに

これは本当にあった話。ずっと覚えていたい、不思議な夢の話。


高校1年生の時、おばあちゃんが亡くなった。

仕事仕事の両親に変わり、私を育ててくれたおばあちゃん。

冬の夕方、友達と遊んで帰ると、電気のついた家からはいつも美味しい匂いがしていて、帰るといつも暖かい部屋とおばあちゃんが出迎えてくれた。
そんな暖かい記憶を作ってくれてありがとうやで。

これはそんなおばあちゃんが亡くなってからの不思議なお話。


おばあちゃんが亡くなった時、一度、私と家族の関係は終わったし、

私はこの世の中に一人ぼっちになった。


いつもいつも苦しくて寂しくて、みんなにムカついていた。

思春期もこれを加速させていたのだろう。


私は、ある夢を何度も見るようになった。

タイムリープする夢で、ある手順をこなしていく。

(朧げな記憶の中では、小さいトンネルのようなものをたったか進んで行った。今思うとアスレチックみたいで、ポップすぎる気もするが、記憶って結構適当なものだから正確には分からない。)

そうすると、私の実家の中の、いつも同じ場所に帰ってくるのだ。

それは、表玄関から客間へとつながる場所で、私は客間の扉を開ける。

するとおばあちゃんは、台所とつながるもう一方のドアを開けて客間に入ってきて、

私たちは感動の再会を果たすのだ。


感動の再会と言っても、特に何も話さない。いつもここで、目が覚める。

なるほど、死人は夢の中で口を聞かない、と後で聞いた話。


苦しかった時期、よくこの夢を見ていた。


私は本当に人に恵まれた人生を送っているのだが、

その苦しかった時期、友人は心をほどいて温めて溶かしてくれた。

寂しいと言ったことはないのによく一人で過ごしているとご飯を一緒に食べにやってきた幼馴染や、いつもそばで騒がしかった高校の友人。

今も変わらず仲良しだし、何かあったら飛んでいく。空も飛べる、多分。


一年ほど経った頃だろうか、私はなんとなく、夜が開けたような気持ちになっていた。そんな時

夢を見た。いつものようにタイムリープしていくとき

なんとなく、今日で最後だと思った。


扉を開けると、おばあちゃんも、向こうの扉から入って来た。

そして、言ったのだ。

「会いに来てくれたんか。」

私は驚くことなく、こう答えた。

「うん。でも今日で最後やねん。」

その後何を話したのか、あるいは話してないのかは思い出せない。

この後、おばあちゃんは来た道を戻る私を見送ってくれたことは覚えている。


目がさめると朝で私は泣いていた。

驚くほど涙でぐしゃぐしゃだった。

それ以来、この夢を見たことはない。


心配かけてたんかな。おばあちゃんごめんな。ありがとう。

今私は自分にとっておばあちゃんが作ってくれたポカポカした部屋や、

潰れそうだった心を支えてくれた友達のような太陽になりたいと

毎日仕事を頑張っています。


以上、不思議な夢の話。


魅力的な人間になりたいので、

魅力的だと思ってくれた人はハートください。

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