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36歳の発達障害の息子を持つ今は会社員 その親子の奮闘記を、飼ってた猫目線で見た短編小…

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36歳の発達障害の息子を持つ今は会社員 その親子の奮闘記を、飼ってた猫目線で見た短編小説を出版 会社では多数のアルバイト店員がいて息子と似たような、いわゆるグレーと呼ばれる若者も少なくないが、息子を育ててきた経験を基にそういう若者達も問題なく働ける環境を作れた 息子に感謝

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  • 発達障害児との日々

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命ある限り

私はここ最近、週二日程仕事がオフの日にウォーキングをしている。 定年まで残り数ヶ月となった歳で、健康診断で毎回、「脂肪肝です」、「コレステロール高いです」「肝機能数値ヤバイです」と言われ、その都度笑顔の可愛い妻が、般若の様な顔に変わって永遠と喋り続ける。 仕事の時間が不規則な事もあり、なかなか寝付けないという、もっともらしい理由を付けてはアルコールに何かから逃げ、飲んでる時はその何かを一時忘れるし、夢や希望もやたら大きくなって、酔えば口と気持ちが大きくなる小心者。 そんな

    • グレー君 

      私の職場で、皆んなから嫌われてるというか、敬遠されてる男子スタッフがいる。 ほんの小さなミスでも、「これやったの誰?」みたいなラインを普通にグループラインに送ってくる。 対面でも、ここがこうだとか、これやれてないとか、いろいろ小姑のように小言を言ってくるから、誰も近付かない。 自分がミスったり怒られたりすると、気分が良くないから今日は休む。今週いっぱい休ませて欲しいとか。 私の息子は、広汎性発達障害と診断されていて、完全ブラックだが、この子は世間で言う黒よりのグレーと思わ

      • 最強運日

        本日は、天赦日、一粒万倍日、万よし、たつとかで、最強にいい運の日との事。 そうなると、宝くじ売り場によく行列が出来るが、宝くじの当たる確率は2000万分のIとも言われていて、いくら万倍日でもなかなか届かないし、ムダになるお金が万倍になっても困る。 それよりは、今日一日プラス1の何かをしたい。

        • 自分

          神様編 鑑定 私は、お宝を鑑定してもらう番組が好きでよく観ている。 そのお宝の鑑定も気になるが、その作者の経歴や生きざま等も紹介され、何かと勉強になるからである。 そして、それが本物であるかどうか、調子のいい時は値段までピタリと当たる事がある。 本物は、邪気が感じられないというか、とにかく無心で何かを表現したいという思いが作品に込められていて、逆に偽物は何とか本物に似せよう似せようとするあまり、筆に勢いが無かったり、覇気が感じられないように感じる。 心の中で、これはいく

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        • 発達障害児との日々
          3本

        記事

          自分

          動物編 シロ シロは豆柴ミックスの女の子。 名前の通り真っ白で、親戚から貰って来た時は本当に小さくて、ラブラドールのお兄ちゃん犬ブラックと一緒に散歩に行くと、ブラックの1歩がシロの5歩くらいで、常に目に見えないくらいの回転で脚を一生懸命動かしていた。 ブラックが何かに興味持って、急に方向転換すると、その勢いでシロのリードも引っ張られて、歩いてる格好そのままの状態で空中にピョーンて引っ張られて、まるで小さいぬいぐるみのようであった。 顔立ちも可愛くて、色も白くて近所では可愛い

          自分

          抱き枕 今年還暦を迎えた妻と、最後の50代を満喫している自分は、シングルベッドをくっ付けてそれぞれの布団で寝ている。 夜は。 朝になると、私の掛け布団はベッドの下に落ち、妻は私のベッドで寝ており、私はかろうじてマイベッドの片隅に追いやられて2人で妻の掛け布団にくるまって寝ている。 どういう経緯でこうなってるのか記憶に無い。 元々若い頃は、ダブルベッドで仲良く寝ていたのだが、仕事の関係で時間が不規則になり、なかなか寝付けないというこじつけで、私がお酒を飲むようになってから

          自分

          動物編 九ちゃん 私が小学生の頃、犬の他に九官鳥も飼っていた。 近所に住む叔母さんが、長期入院する事になって、飼えなくなるからという事で譲り受けた九ちゃん。 「九ちゃん、可愛いい」と自分で喋る。 おそらく叔母さんが言ってる言葉をそのまま覚えたのだろう。 これは面白いと思って、「九ちゃん、おはよう!」と言ってもすぐ返してくれる訳ではなく、首を傾げて聞いてるだけ。 なんだ、なかなか真似しないなと思って、TVを見てると「九ちゃん、おはよう」って後ろから聞こえてくる。 時間差。

          自分

          動物編 ミルク ミルクは、二代目タロウの娘で、子犬の頃の貰われそびれで飼っていた2匹目の犬。 一緒に産まれたクロは、近所の家に貰われて、紅茶は、敷地で遊んでる所に母親の車が発進して、無惨にもタロウの目の前で轢き殺され、残ったのが白のミルクだった。 タロウは、コーギー犬のミックスだが、白、黒、茶の三毛で、まつ毛も長くて目がパッチリで、見るからに可愛い。 そして、年柄年中どこからともなくオス犬がやってきて、子孫繁栄をしていく。 最後の最後までそれが続いた。 ミルクはその正反対

          自分

          動物編 ブラック② ブラックの散歩の役は、毎日自分であった。 もう大きくなったら、家内の力では万が一の時、どうにもならないからという事で。 ただ、当時の私の仕事は、朝早く出れば夜中じゃないと帰れない営業の仕事。 当然、散歩は朝早い時間になる。 ある日、まだ明け方で薄暗い感じの肌寒い日、いつも通りブラックと私は、2人で散歩をしていたのだが、ある家の生垣沿いを歩いていた時、ブラックが何かをパクって食べたような素ぶりを見せたのだが、いつもお腹空かせてるから、草か何かかじったのかな

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          動物編 ブラック① タロウが亡くなってしばらくして、どうもやはり犬がいないと寂しいし、不用心だという事で、また犬を飼う事にした。 どこからも貰う犬も無さそうだし、その頃ラブラドールレトリバーが流行ってたのもあって、ペットショップに見にいった。 お目当ての犬は2匹いた。 黒のラブラドールの子犬。 両方ゲージから出して見せてもらうと、1匹は大人しめで静かにお座りしていて、もう1匹は元気いっぱいで走り回ってる。 あまり小さい頃から大人しいのも病気になったりしてもアレだから、とい

          自分

          動物編 タロウ② タロウは、子だくさん。 近所にもいっぱい貰われていった子達がいる。 毎年のように子犬を産んで、もうそろそろおばあちゃんに近い歳なのに、またお腹が大きくなっていた。 さすがにこれで最後だろうと家族で話していた。 貰われそびれた娘のミルクもいるし、もうだいぶ近所や親戚、知人に子犬をあげて、どうしたもんか、という話は確かにしていた。 ある朝、タロウがまた子犬を3匹産んでいた。 相変わらず可愛い子犬ばかり。 私は朝早くから仕事なので、後は帰ってきてからまた考えよ

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          動物編 タロウ① タロウは、コーギー犬ミックスのメス。 コーギーは尻尾無いのがほとんどだが、タロウはくるんと半円描いたような立派な尻尾が付いていた。 最初オスかと思って「タロウ」と命名したらメスだった。 ただ、タロウ!って呼ぶと振り向くし、今更名前変えるのも、という事でそのままタロウなった。 タロウはとにかくモテた。 どこから匂い嗅ぎつけてくるのか、頻繁にどこかのオス犬が子孫繁栄にやってくる。 当時我が家では、猫はともかく犬を家に入れるという習慣はあり得ないという事で、年中

          自分

          動物編 与作 太郎が亡くなってしばらくすると、父がまた子犬をどっからか貰ってきた。 子犬と言っても、手足が太くて明らかに巨大な犬になるのは誰が見ても明らかであった。 土佐犬とボクサーのミックス。 どっちがオスで、どっちがメスだったんだろうと思ったが、今はのらくろみたいな顔をしてるが、絶対強面になると確信していた。 父は前の太郎と違って、犬小屋を作る訳でもなく、ただ餌をあげて終わり。 名前も付けない。 剥き出しの車庫の横につないでるだけなので、雨が降るとモロに雨が当たるのか

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          動物編 太郎 私が小学1,2年生の頃、父親がコリーの子犬をもらってきた。 毛がフサフサして、鼻筋が通っていて、耳はピンッと立っていてカッコいい。 私は毎日のように太郎と遊んだ。 散歩に連れていって、稲刈りが終わった田んぼに太郎を離して、一緒にかけっこしてどっちが速いか競争したりもした。 太郎に勝った事は無い。 太郎はあっという間に大きくなって、二本足で立つと、小学生の自分より大きいんじゃないかっていう位大きくなった。 これだけ大きいんだから、自分を乗せて馬みたいに走れるん

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          神様編 観音様 昔、私がまだ営業の仕事をしていた頃の話。  その日の現場は、地元の会社から車で1時間半くらいの田舎の町。  私は初めての場所なのだが、同乗していた店長とその相棒が、予約の商談あるとの事で私1人が現場に置かれて、2人はその顧客の家に行っていた。  私1人で営業活動。  一軒一軒ドアからドアへの飛び込み営業なのだが、なにしろ人がいない地域だった。  ピンポン押してもウンともスンとも言わない家ばかりで、農作業で忙しいのか、皆さんお勤めしてる家が多いのか、人っこ1

          自分

          神様編 お呼び ここ数日、家内の体調が思わしくなく、身体が重いとか、頭痛いとか言う日が多く、病院に行って一応薬はもらってきたが、なかなか元気が戻らない感じであった。  しばらく地元の大きな神社に行ってないから、そこに行って少しスッキリしてこようか、という話になり、その神社近くで有名な「嶽きみ」というとうもろこしを買って、やっと神社に着いたと思ったら、家内が突然頭痛い苦しいと言いだして、「ここから西の高野山まで何分くらいかかる?西の高野山で私を呼んでる」  西の高野山という