見出し画像

超大作すぎて完結なるか...アスダル年代記とバガボンド @Netflix

最近ではもう視聴ランキングに上がってくるわけではないけれど、韓ドラ超大作というものがありまして。多分Netflixが韓国ドラマのポテンシャルに気付いて大型投資をブチ込んだ渾身の作品なのに、シーズン1を作り終わった時点でコロナ禍に突入してシーズン2以降が撮れていないという悲運の作品であります。俳優陣は超豪華。故にスケジュール調整が難しい泣きの展開。脚本にも力が入っており面白い、のにさぁ来るぞ!!!というシーズン2が…(以下同)。が、シーズン1だけでも面白いので視聴回数を上げて悲願の続編制作に超微力ながら貢献したい気持ち。

1、アスダル年代記(2019年)

画像1


制作費540億ウォン(約47億円)で、全3シーズン予定、現在シーズン1(約80分×18話)まで公開中。主演は、華麗なる麗人ソン・ジュンギ。容姿がまず目を引くけれど、本当にいい俳優ですよね。スーツ姿が美しい「ヴィンチェンツォ」も現在好評配信中ながら、アスダル年代記のソン・ジュンギは泥だらけ。ヒロインはキム・ジウォン。「太陽の末裔」で軍医ミョンジョ役や、「サム、マイウェイ」「都会の男女の恋愛法」での主役がすごく魅力的だった。ここに投入されるのが、泣く子も黙るチャン・ドンゴン。韓国を代表する名優のひとりで、個人的にウォンビンと共演して朝鮮戦争を描いた映画「ブラザーフッド」は衝撃的で忘れられない。チャン・ドンゴンのお陰で、アスダル年代記は作品の迫力と重みがグッと増している気がする。

画像2

で、本題のアスダル年代記は、韓国の古代人類史ファンタジー。古代設定だから、あらゆる固有名詞が架空で初見ならぬ初聞のため、慣れるまで結構複雑。正直何の事を言っているのかサッパリ分からないし、読み解こうとあらすじをググっても全く理解不能。難解さゆえか韓国での視聴率も芳しくなく…それでも諦めずに見てると話の壮大さに引き込まれ、見応え十分。

舞台は、古代大陸アス。森に暮らし、身体能力に優れた、人間ではない種族ノェアンタル。その能力を恐れた古代人達は、タゴン(チャン・ドンゴン)を筆頭にノェアンタルを滅ぼす。戦争英雄のタゴンは、幾つもの種族からなる連盟の王を目指し、権力争いを繰り広げる。一方、人間とノェアンタルの混血として生まれたウンソム(ソン・ジュンギ)と、ワハン族の母の後継者として生まれたタニャ(キム・ジウォン)。2人の運命は、タゴン達の大地征服の波に飲まれていく。

壮大で見た事のない世界観。不吉な混血児として生まれながら切磋琢磨に運命を切り開いていくウンソムの真っ直ぐさは、ソン・ジュンギの年齢を問わないチャーミングさあってのもの。土地やものを所有しない種族と、所有する事で贅沢を知り欲が深まる人々と、考えさせられる展開もあり。実はソン・ジュンギは1人2役で、全く違うキャラクターを演じるギャップもまた見所。タゴンもただの戦雄ではなく、出生に秘密を持つ複雑なキャラクター。他の韓ドラ同様、名脇役達が勢揃いで安定感あり。メインではないけれど、2PMのニックンやBLACKPINKのジスも出ている。シーズン2が早く見たいよう。


2、バガボンド(2019年)

画像3


こちらは制作費250億ウォン(約23億)。モロッコやポルトガル等の海外ロケを組み込んだスパイアクションメロドラマ。題名のvagabondは、英語で放浪者・漂流者の意味。バラエティでも人気な“国民の弟”イ・スンギ主演。ヒロインは、アイドルグループMissA出身“国民の初恋”ぺ・スジ。

スタントマン志望のダルゴン(イ・スンギ)は、飛行機墜落事故で甥を亡くすが、これを事故ではなくテロと見抜き、道中で出会った国家情報院のブラック要員ヘリ(スジ)と共に隠蔽された真実と国家陰謀に迫っていく話。

国家的陰謀は、韓ドラの十八番。そこに派手なアクションとサスペンス要素、そして恋愛を絡めた、アスダル年代記には及ばないものの割と複雑な内容。でもテンポが良いから見やすい。イ・スンギはスルメのように噛めば噛むほど、話が進めば進むほど魅力的に見えてくる役者で、本品でもその魅力は健在。ハラハラしながら見ていたら、続編への期待が高まるビックリ展開な最終話で、これもシーズン2の制作が待ち遠しい。


コロナ禍で価値観が変わり、ライフスタイルが変わり、五輪を含め壮大に計画されていたあらゆる物事が頓挫する波に飲まれた2作品。未知のウイルスの前には、自分やキャストをはじめ誰の命も保障されておらず、「事実は小説より奇なり」を地でいく世界線を現在進行形で生きているわけですが、それでもやっぱりシーズン2が見たいんじゃ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?