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イランの中学校でQueen の We Will Rock You を歌った娘たちの思い出

大学の春休みを利用して帰省している長女とお喋りをしていたら、イランの中学校に通っていた頃の、娘の忘れられない思い出話が出てきました。

それは、イランの普通の公立の中学校(男女別なので女子校)での休み時間の話。

クラスメイトの子が、ちょっとした悪ふざけのノリで、「ねえ、次の授業をボイコットしようよ!」と言い、机を手で叩き始めてリズムを刻みながら、Queen の名曲【We Will Rock You 】を歌い始めたんです!

1人がこの歌のフレーズを歌い出す、、、
Buddy you're a boy make a big noise~

すると、長女を含めた周りにいたクラスメイト達が次々に一緒にこの曲のフレーズを歌い出す、、、。

そして、

~We Will we will rock you !の頃は、もうみんなで大合唱!! (^^♪

そしたら、もうすぐ授業が始まるから、先生がやってきて大目玉!
全員が注意されたそうです。

ちなみに、次の授業は何だったのかと聞いたところ、コーラン(宗教)かアラビア語の授業だったらしいです。

でも、この時の出来事は、長女にとっては楽しかった思い出の話。

当時も、この話を娘から聞いていましたが、改めて思い返すと、音楽の力ってすごい!!と思います。音楽は、どこの国も関係ないですよね。



イランは、基本的に音楽の授業はありません。
革命後から、音楽番組も、学校での音楽の授業さえも無くなってしまったからです。

とは言え、イランの伝統音楽はOKだし、結婚式などではバンド演奏者を呼んで皆で踊るのが一般的です。ピアノやギター、ヴァイオリンなどの他、イランの伝統楽器であるセタールやサントゥールなどの音楽教室もあります。

イランでの音楽の話はまだまだあるのですが、それは機会があれば、いずれまた話したいと思います。


この他にも、中学校の朝会での話も面白かったです。
いや、面白い、と言って良いのかな?(^^;)

朝、先生方の長~い話がダラダラと続いている中、とうとう長女の後ろの方にいた生徒が疲れ切ってしまい、声に出して叫んでしまったそうです。

それは、、、

「I Love Justin Bieber!」

これには、長女も含めて、叫んだ子の周りの女子が焦ったことは言うまでもありませんよね(^^;)

「すぐにしゃがんで!!」
「もう言わないで!」
「先生が来ちゃうよ!」

そして、叫んだ子をしゃがませて、隠すように周りの子が立ち並んでいた光景が、長女の脳裏に焼き付いているそうです。

幸いにも、イランの中学校の朝会は日本のように静まりかえっていなかったため、この子の叫びはちゃんとは聞こえなかったようなので良かったです。

この時期は、アメリカの音楽が流行っていて、みんな衛星放送(本当は禁止)で、海外の番組を見ていました。

とくに、中学生の間では、ジャスティン・ビーバーが人気があったみたいです。

この頃のイラン情勢は、確かペルシャ湾付近で戦争が始まるかも知れないと噂されていた時期だったような気がします。

なので、長女たちは中学校で、「もし、戦争が始まったらどうする?どうやって逃げる?」と言う話題が、毎日のようにされていたのです。

娘は、「あなたは日本に行けるから良いわね」と言われたり、アメリカやヨーロッパに親戚が住んでいるクラスメイトは、「私はアメリカに行きたい」と言ったり、、、。

これが、当時の娘たちイランの中学生の話題の一部でした。

実は、イランで中学1年生だった娘は、日本では小学校6年生でした。
イランは秋入学で、しかも長女の時代は、小学校が5年制度だったために、イランでは中学生だったのです。

※現在は、イランの小学校は6年制度に変わっています。

あの頃、イランの学校では、もし戦争になったら、、、と言う話題が毎日のように出て来てたけど、娘たちの間ではアメリカの音楽が流行っていて、国同士(政府間)のもめ事とはみんな無関係で、アメリカが大好きな子ども達が多かったのが事実です。

ところで、なぜ長女とこのような思い出話になったかと言うと、最近イラン国内で、テレビ(国営放送)の生放送中に、海外に住んでいる反体制派のイラン人によるハッキングがあったからなのです。


いきなり、それまでの放送画面が切り替わり、別の音声と共に画像が流れ始めたのです。

その時流れたフレーズは、イラン在住時には何度も耳にしていた言葉。

~مرگ بر(marg bar)〔~に死を〕でした。

いつもなら、marg bar America と言うフレーズが流れることが多かったのですが、この日はアメリカに対してではなく、イランの政府に対してでした。

ちなみに、イランの学校では朝会や革命記念日に合わせて、先生が子ども達にこのフレーズを言わせていました。、、、ですが、本当にそう思って言っていた子供たちがどれだけいたでしょう?


この日は、生放送中に次のようなフレーズが流れました。

marg bar dictator ! 『独裁者に死を』
marg bar ○○○○ !『(イランの現在の最高指導者の名前)に死を』


こういったテレビの生放送中でのハッキングは、私がイランに住んでいた頃にはありませんでした。

それだけ、イランの情勢が混乱しているという事なのかも知れません。
イランの人々の生活が、本当に大変だという事は聞いているのですが、日本で暮らしているので、なかなか実情がつかめません。

本当は、ここ数日、イランの国営放送のハッキングについての記事を書いていたのですが、長女とのおしゃべりによって、娘の中学時代の思い出話の方に切り替えてみました。

今思い返してみても、娘たちは(次女も含めて)イランの学校で、日本とは全く違う経験をしてきたのだなと改めて感じています。


今日も最後まで読んで頂きありがとうございます😊















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