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秘すれば花

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秘すれば花

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カリスマ的桜樹/4度目の春  毎年、桜が咲く季節が訪れるたび、なぜ桜がこれほどまでに人々に愛されるのかと不思議に思う。春に咲く花は幾つもあるのに、桜は季節の代名詞の如く、作品の題材から曲名まで幅広く起用されている。SNSを開けば、多くの人が満開の桜を投稿をしていて、特別にどこかで花見をしなくとも、まるで自分が現地に行って見てきたような気分になる。  ただ、人々が各々の場所で、各々の想いを馳せながら、桜を眺めているということも知っている。  先日、お客さんとの雑談の中で、

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      私淑#3 「木蓮」  怒りん坊なくせに、おふざけが大好きで、挨拶や礼儀、人や動物への優しさを重んじる。そんな人に私は育てられた。父である。  私は、父を心底愛し、尊敬している。  私の生活に欠かせない音楽、映画、読書、の全てに父からのエッセンスが入っている。私が生きるうえで大切にしている、 ・愛をもって接する(人、動物、物全てに) ・些細な事でも感謝の気持ちを伝える、忘れない ・人を傷つけることはしない ・相手の気持ちになって考える ・挨拶、返事はしっかりと ・困って

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        私淑#2 「自分と心」    もう、2024年。あっという間の2023年だった。3月に大学を卒業し、4月に社会人になった。毎日目の前にあるものをこなすことに必死で、気付いたら年が明けていた、そんな感覚。  私は、昔から漠然と自分に自信がなく、緊張しやすい気質である。  慣れない場所に行ったり、多くの人と話した後はどっと疲れる。環境の変化も苦手で、胃薬は常に持ち歩いている。  そのくせ、人と関わることは好きだ。非常に面倒くさい人間だと思う。日々、人が何を考えて生きている

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          見えない花束 ▶池袋、16時30分  「走っている車からは、葉から滴る雫は見えないでしょう?」  ラジオから流れてきたこのフレーズで、当時大学生の私は救われていた。歩みがゆっくりだからこそ、立ち止まる回数が多いからこそ、気付けることも多いのだと知った。  季節は巡り、社会人として日々を重ねるうちに、感受性の強さがもたらす負の側面を実感するようになった。咀嚼しなければいけない情報量の多さや、大小さまざまな泡沫の憂いが、私を立ち止まらせる。「気質は治そうとするものではなく、上

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          私淑#1 「半年に寄せて」  社会人1年目。人生で一度きりの半年間を、何かしらの形で纏めようと心に決めた直後の依頼で、不思議な縁を感じている。友人の確かな執筆で得た読み手の皆様に恥じぬよう、精一杯書かせていただく。  成長があるような、ほぼないような半年だった。仕事の性質上、1ヶ月ないし2ヶ月ほどで部署が変わっていくのだが、これがなんとももどかしい。少しできるようになり自信がついた頃に他の部署へ移動していく。働くほど学びがあったり、繋がりが見えたりすることもあるのだが、ほ

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          仙台・松島日記  私の足元は、いつだって夏を纏っている。踵を起点として爪先を上下に揺り動かすとき、無数の宝石たちは、各々のタイミングで光を捉え、小さなキャンバスの上で自由に踊る。  そうして足元に気を取られていると、仙台駅東口ロータリーに友人のWAGON Rが到着する。銀座ウエストのリーフパイを手渡しつつ、いそいそと助手席に乗り込み、私たちは今回の目的地・松島を目指して出発した。  「盛夏」という言葉がよく似合う道路を駆け抜けて、およそ1時間30分で松島に到着した。町営

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           毎年、夏が近づくと「『海がきこえる』を借りてきて観ること」と「桃を食べること」を必ずやっている気がする。 海がきこえる  今年もまた『海がきこえる』を借りるために、緩やかな坂を登って近所のTSUTAYAまで足を運び、帰宅してからすぐに観た。  ところで、『海がきこえる』という作品をご存知だろうか。本作は、氷室冴子による同名小説を原作として、スタジオジブリの若手スタッフ陣によって制作され、1993年に発表されたアニメーション作品である。  「ジブリ作品で好きな作品は何

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           「Amazonプライムで『ケイコ 目を澄ませて』が観られるようになっていますよ」と教えてもらったので、すぐに観た。  『ケイコ 目を澄ませて』はずっと観たいなと思っていた作品だったのに、上映場所や上映時間に自分のスケジュールをうまく合わせることができず、結局上映期間が終了してしまっていたのだ。  奇想天外!波乱万丈!みたいな作品よりも、日常を切り取ったような作品が元々好みではある。その中でも『ケイコ 目を澄ませて』は、お気に入りの作品として名を挙げたいと感じた作品だ。

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           医師国家試験の受験を終えて、高校時代からの友人が東京へ遊びに来た。飛行機が到着するその日に限って、東京はなぜか大荒れの天気だった。その日私は出勤していて、お昼休みにふと窓の外を見たときに、路面があまりにも雪でグシャグシャ過ぎて、無事に到着できたかとすぐに友人に連絡を入れた。もしも予定が1日後ろにずれ込んでいたら欠航になっていたので、無事に再会できて本当に良かった。 ◯森美術館(六本木)  友人の希望で、初めに森美術館に向かった。名前は忘れてしまったが、4〜5個開催されてい

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           贅沢な夏休みだった。  金曜日にお休みをいただいて4連休を作り出し、東北へと帰ってきた。会社は暦通りに営業しているから、明日に向けて今日のうちに東京に戻る。この文章はその東京行きの新幹線で書いている。  夏休み前の数日間は、なかなか思うように仕事を捌けなくて、少し疲れてしまっていた。こなすべきタスクの総量は、休みの前後で何ら変わらない。それでも、気分転換は仕事の生産性向上に良い作用をもたらす。  この短い夏休みが、待ち遠しかった。  会いたい人たちとの約束があったから

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