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THINK 106/ゲスト:小橋賢児さん

2019/10/04
@Suppose Design Office 広島事務所
ゲスト:小橋賢児さん
LeaR株式会社代表取締役/クリエイティブディレクター

1979年8月19日生まれ.東京都出身.
1988年に8才で芸能界デビュー,以後数々のドラマや映画,舞台に出演.しかし27歳の時に俳優活動を突如休業する.その後,世界中を旅しながら多様な文化に触れる事でインスパイアをうけ,現在はドキュメンタリー映画製作や ULTRA JAPAN の日本上陸を牽引,伝統を未来へ紡ぐ未来型花火エンターテイメント STAR ISLAND の総合プロデュースを務めている.最近では千葉市の稲毛海浜公園や日の出埠頭の再開発などにも関わるなどクリエイティブを通じて気づきの場づくりをモットーに枠に捕われないマルチな活躍をみせている.

ーー
午後7時過ぎに会場である Suppose Design Office に着くと,20名ほどの列がビルを取り巻いていた.ここは広島市の繁華街からは1kmほど外れにあって,国道から一筋外れた,小さな昔の街道の名残が残る商店街と雑居ビルが並ぶエリアにある.そんな場所でその行列はちょっと異様な光景かもしれない.事情を知らない通行人は何があるのだろうかと興味深そうに見ながら通り過ぎ,「何があるの?」と話しかける人もいる.普段はその存在も人目に触れることのない,建築設計事務所という場所がたくさんの人を呼び寄せる.街の重心が少し移動する感覚.THINKのある日にこの長閑な商店街に時々起こる現象はその理由を知っている僕らにとってはいつもちょっと愉快だ.

今日のゲストは俳優として活躍されていた小橋さんだから,きっとファンの人たちが多いと見込んで,遠慮がちに最後部の座席を確保し,ジンジャーエールを飲みながら,音響や映像機器などスタッフがテキパキと準備を進める様子や会場が埋まっていくのを眺めていた.

しばらくして,THINKのホスト役 Suppose Design Office 谷尻さんが小橋賢児さんを連れて会場に現れた.

小橋さんの第一印象は,思ったより小柄だな,と思った.黒のゆったりとしたサイズのTシャツに細めの黒いパンツ.プロフィール写真そのままの端正な顔立ち.40歳だという.40歳には見えない.永遠の少年のような.それは,小橋さんがピュアな思いの中で生きているからなのだ,と話を聞き終えて今は納得している.

誰もがクリエイターである

小橋さんが率いる会社の社名であるLeaRは,Real(現実)という言葉をもじった造語で,体験型のメディアを通して,参加した人の日常に変化をもたらしたい,日常の現実を素晴らしいことにひっくり返したい,そういう思いをこめて,RとLを入れ替えたLeaRという社名にしたとのこと.

8歳から27歳まで俳優として活躍.しばらくは楽しかったが,徐々に俳優としての自分が自分の行動を制限してしまうことにストレスを感じるようになった.やりたいことがあるのに,俳優である自分はやれない,やってはいけない.いつの間にか,Want to でなく Have to の毎日.自分を押し殺すことに耐えきれなくなり,休業を決めた.まずは,そのあたりの気持ちの変化を谷尻さんが探る.

谷尻さん「やめるときに悩んだりしなかったの?仕事や稼ぎがなくなる不安とかでだいたい普通はどうしようかなと迷うでしょう?」

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