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「誰かと一緒」に学ぶことの効果

時代の変化が激しい時代、
私たち大人も一生学び続けなければいけません。

しかし、「学び方」について
教わることはあまりないように思います。

私たちはどのように学んだらいいのでしょうか。

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「一人で集中して」もいいけれど

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“学ぶ”というと
「一人で集中して」
「静かな環境で誰にも邪魔されずに」
というのが定番だと思います。

それはもちろん大事ですよね。
集中したいのに話し声が気になって
集中できない。

こんな状況では効率的に学ぶことはできません。

自分が取り組むことに
没頭できるような環境で
学ぶことで、より身につきやすくなります。

しかし、学ぶスタイルは
「一人で集中して」だけに囚われることはありません。

「仲間とディスカッションで学びを深める」
「教え合うことでより習得しやすくなる」
「グループワークによって自分だけでは
気づかないことに気づくことができる。」

など仲間と一緒に学ぶことにも利点があります。

この
「誰かと学ぶ」ことについては
最近の研究でその効果が再注目されています。

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ラーニングピラミッド

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ラーニングピラミッドという
概念があります。

どんな学習方法であれば効率的に
身につけることができるかを分類して
ピラミッド型の図にまとめたものです。

この図は、アメリカ国立訓練研究所が
発表した研究結果で、7つの学習方法を
学習の定着率順に並べています。

学習の定着率は次のようになります。

Lecture(講義):5%
Reading(読書):10%
Audiovisual(視聴覚):20%
Demonstration(実演説明):30%
Discussion Group(議論):50%
Practical Doing(練習):75%
Teaching Others(他者に教える):90%

ざっくり言うと、受け身で学ぶよりも
能動的に学ぶようなスタイルを取ると
より定着すると言えるかもしれませんね。

しかし、実はラーニングピラミッドという概念は
科学的根拠がないと言われています。

「様々な資料や実験をキリのいい数値になるように
恣意的に組み合わせたもの」というのが
ラーニングピラミッドの正体だということです。

ただ、科学的根拠がない=間違っている
ということではありません。

それが証明できるほどの科学的根拠が
揃っていないということです。

私はラーニングピラミッドの概念は
大方合っているのではないかと思っています。

というのも、
「他者に教える」
「ディスカッションする」
これらの有効性が脳科学や心理学で
実証されつつあるからです。

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一緒に学ぶと学力が上がる

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興味深い知見があります。

私たちの人間の生活は他者との
共同作業で溢れています。
脳科学の分野では人間の社会性を
司る脳の領域を「社会脳」と呼んでおり、
関係する心理現象や脳の働きが
活発に研究されてきました。

他者と共同作業していると、
社会脳の一部である前頭-頭頂ネットワークが
活性化され、思考や行動の制御をする
前頭前野の発達にもつながるというのです。

さらに、相手の心を想像したり、
自分自身の気持ちを見つめ直す脳の機能が
学習に対して役立っているということも
わかっているといいます。

静かな環境で一人で集中して・・
もいいですが、仲間と共に学ぶことにも
様々な利点があります。

バランスよく学習のスタイルを
変えるのもいいかもしれませんね

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