bishopecho

サンタ・ニンジャ憑依ニンジャ説に対する3の反論

1 始めに

    昨今のニンジャ学会におけるサンタクロース・ニンジャ(以下サンタ・ニンジャ)議論の高まりは探求の徒の一人たる自分を大いに刺激し、知識深淵の探求者庶子の建てた学説の数々は常に私の目を開き、新たな段階に導いてきた。この分野の発展を願い未熟を晒す心持で拙著を公開した筆者としては望外の報酬を得たような喜びを抱いている。

 しかし、その中に一つ、無視できない誤謬を孕んだ学説が生まれ、受

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ニンジャと言語学~「黒海とれとれ新鮮握りセット」はいかにして生まれたか~

1 はじめに

    ニンジャスレイヤーが世界を舞台にするAoMに部を移して早2年以上が経過し、主人公マスラダやヘッズ庶子はすでにネオサイタマの外の言語に触れる機会を複数経験している。そこに生じる諸現象の理解に役立つ「社会言語学」の概念を紹介しようと思い、私は今回筆を執るに至った。おそらくこの文を読み進める多くのニンジャ学会員は共通して以下のような疑問を抱いているものと思う。

 「外の言語に触

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クルージング・カリフォルニア~救助のお礼と自己紹介と小旅行~

風が、憩うむーんの全身を一瞬撫でた。

 特にやることがないある一日のこと、彼女は住まいとする神社の裏側で一人憩っていた。何をするではなくただ風にあたり、飴を舐めて口慰みとしながら周囲の音や動きに目を向ける。どこかに出かけようか、このまま穏やかに過ごそうか、体では他人と隔絶されながら世界と繋がり、一方心では世界より人と繋がる、そんな二面性を孕んだひと時、平和なある午前の一幕である。

 不意に、そ

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デイズ・ゴー・バイ~一日の終わりを共にすること~

幸福は不幸の対概念であるから、幸福に気づくのは不幸を得て幸福を失ったときだとは誰か悲観主義者の弁だ。これを信じるなら幸せをも不幸をも感じていない日常は、その実既にひとかどの幸せであるのだろう。そしてライブと称した歌い散らしを終えて家に帰ってきたびしょっぷとタロは、まさにこの透明の幸福に巻かれているのだろう。

 「ただいまー!!大満足!!」

 「おかえりただいま。うん、盛り上がった、ね。」

 

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スイート・マジック~ホワイトデーのおかえし~

忘却は、誰にとっても避けがたい刑の執行のようでありながら、時として連れない女のように忘れたい記憶を抱えたときに限って全く音沙汰なくなって人を捨て置く。近づくホワイトデーに思い思いの反応を見せる街を一人歩くこの女びしょっぷも、その気まぐれに振り回されている者の一人だ。

 数日前から彼女の顔には珍しい表情が表れ始めた。常に崩さなかった犬歯をむき出しにした笑顔が曇り、しきりに顔をしかめて思案に過ごすよ

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