「なんとかなる」

「なんとかなる」
それが口癖だった。
今日もこれまでと同じような一日が始まる。
まるで、教科書の大事な箇所に引くマーカーのように。
大切なようで無機質だ。
奇をてらって強がっている。
大きく見えてるだけで変わらない。
だけどほんとは怯えてる。
臆病な自分が顔を出す。
「なんとかなる」
またひとつマーカーの印が増えた。
どこが大事なのかも、既にもう分からない。
でもその線が必要なんだ。
じゃなきゃ、どこかで崩れちゃいそうで。
「なんとかなる」
「なんとかなる」
「なんとかなる」
明るく見えて滲んでる。

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