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不登校が半年ぶりに学校に行ったときの記憶

7ヶ月ぶりに学校に行く。朝、「やっぱり学校に行こうなんて思わなければ…」などと考えながら通学路を歩く。
学校内での記憶は曖昧なものだ。だけど、少し怖い場所だったなという感覚だけは覚えている。何処の馬の骨かも知らない人間に訳の分からない命令をされる。面白くない人間の面白くない話を聞きながら、知らない人間と集団で過ごす。昼に出てくる飯は酷く不味いもので、この空間に周5回、一日中最低でも一日の4分の1は居ないといけない。そんな地獄のような日々をみんなは頑張って過ごしていて、凄い!偉い!神様仏様と思いながら反面他人事のようにも思っている。
私が最後に学校に行った日の帰り道。公園は白や灰色のタイルが敷かれていて、洗練されている洒落な空間。流石東京。やっぱりここはお洒落すぎて嫌いだ。
その公園内の駐輪場に、左足がもげた鳩が座り込んでいた。駐輪場の丁度タイヤを駐車する位置に鳩、そしてもげた左足があった。不意に轢かれたのだろう。
それを女子四人で囲んで「可哀想」とか言いながら15分間ほど突っ立っている。
そんな半分死体の鳩に私達は、誰だお前らはと思われているかも。
一人の眼鏡をかけた少女が固い表情で街のボランティアの老男に「この鳩、私達がなんとかできませんか?」と問いかける。「そうね…でももう助からないだろうから、そっとしておくしかないよ。」「えー…」老男の応えに食い気味に反応する背の低い癖毛の少女と長身で痩せ型の少女。「どういう経緯で処理されるんだろう?」と呟くもう一人の少女。
その後、恋バナみたいな話をしながら私達は帰った。あの子が好きなんでしょ?いやあの子ではないって!そんな言葉が飛び交う中で、私は久しぶりに友達と話すという幸福の一つをしみじみと感じている。

そんなことがあったりした。あの日のことは鮮明に覚えている。
今回はそんな私の青春の1ページを書き留めてみた。

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