見出し画像

2023/2/24ふむふむ体験型ワークショップ/講演~大阪府立今宮工科高等学校 定時制の課程~

みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ

2023年2月24日、
大阪府立箕面高等学校の2年生の生徒さんを対象に
げんのすけによる体験型ワークショップ(WS)および講演をさせていただきました!
大阪府立今宮工科高等学校 定時制の課程HPはこちら


定時制の課程のみなさんが参加する「人権HR」の90分間をいただき、今お伝えできることを精一杯お話させていただきました!

考査も終了し、なかなかモチベーションが保ちにくい時期とのことでしたが、多くの生徒さんが参加してくださいました。
今宮工科高等学校、定時制課程の生徒のみなさん、本当にお疲れ様でした^^
今回の体験型WS/講演で一人でも多くの生徒さんが何かを感じてくれたら、また考えるきっかけとなってくれていたら嬉しいです☆

さらに、多くの先生方にもご参加いただき、生徒さんの横に座って一緒に体験型WS/講演を受けてくださいました。
先生と生徒さんの距離感がとてもよく、日ごろから人間関係をしっかりと築いておられる様子がうかがえました^^



さて、今回は以下のラインナップで概要をお届けします^^

これから体験型WSや講演の実施をご検討のみなさまに、本記事が参考になれば幸いです!


目次

  1. 今回のテーマは「差別ってなに?」

  2. ”ちがい”を感じる体験型ワークショップ(WS)

  3. ”ちがい”を知ろう~知るLGBTQAI+/講演~

  4. ①LGBTQAI+とは?

  5. ②仲間と差別

  6. ③Q&A

  7. ④さいごに

今回のテーマは「差別ってなに?」

「差別」と聞くと、どのようなことを思い浮かべますか?
みなさんは「してはいけないもの」と真っ先に思うかもしれません。

では、そもそも「差別」とはなんでしょうか?
改めてこう聞かれると言葉に詰まるかもしれません。

「差別」の定義は人によってさまざまです。
「それは差別だ」という人がいれば、「これは区別だ」という人もいます。
かと思いきや、「全く気がつかなかった」とか「(自分は)気にならない」という人もいます。
どのような立場で「差別」に向き合うかにより、答えは千差万別です。
だから、難しい。

でも、難しいからといって放っておいてよいのでしょうか?
目を背けてよいのでしょうか?

結論からいうと、あなたがどのような態度をとるかは、あなた自身で決めることができます
ふむふむでは『一人ひとりがしっかりと考える』姿勢を持ってほしいなと考えています。
根本的解決やアクションを起こすことは難しいかもしれません。
ただ、考えることはできます。
まずは身近なことからで構わないのでしっかり考えること。
それができれば、まずは誰かと考えをシェアしたり、解決に向けて相談したり、実際にアクションを起こしたり…と次の行動につなげられるかもしれません。

今回は今宮工科高等学校、定時制の課程のみなさんに、『一人ひとりがしっかりと考える』機会にしてほしいとの思いを込めて、冒頭で「差別ってなに?」「差別と嫌いの”ちがい”はなに?」という問いかけをしてから体験型WS/講演を実施しました!


”ちがい”を感じる体験型ワークショップ(WS)

「差別ってなに?」「差別と嫌いの”ちがい”はなに?」という問いかけをした後、30分程度で体験型WS(ロールプレイ)を実施しました。
ふむふむが実施する体験型WSの目的は以下のとおりです。
・実際に差別をされる体験をする
 →差別を受けてどのような気持ちになったか
・差別されている現場を真の当たりにする体験をする
 →差別を真の当たりにしてどのような気持ちになったか
  差別を目の当たりにしてどのような判断ができたか/できなかったか
  差別を受けている人に対して何ができたか/できなかったか
※差別を生み出さないために多様性を認める、とはどういうことか

具体的な実施方法の概要は以下のとおりです。
・絵画教室に通う生徒である参加者に、自由に絵を描いてもらう
・参加者に「A」または「B」のカードを配付する
 ※「A」または「B」は生まれながらの「特性」であり、変更ができない
・絵画教室の先生である講師(げんのすけ)が描かれた絵を見て批評をする
 ※その際、「A」または「B」であることを理由に不当な評価をくだされることもある

生徒のみなさんも、先生方も楽しそうに絵を描いてくださいました!
ところが…
絵画教室の先生(げんのすけ)は、みなさんが一生懸命に描いた絵を褒めてはくれるけれど、なぜが「A」または「B」という本人にはどうすることもできない「特性」によって絵の評価を容赦なく下げてきます。
不当に低い評価をつけられてしまう人、その状況を目の当たりにしている人、なんだか不穏な空気に包まれていきます…

体験型WS(ロールプレイ)終了後、Google formで生徒のみなさんにも、先生方にも感想を書いてもらいました。(回答数27件)
その一部を紹介させていただきます。(簡潔な文に変更しております)
・男女差別に似ていると思った
・違和感があった
・誰が何を書こうが勝手だと思った
・何も感じなかった
・「さすがAだね」と言われても嬉しくなかった。カテゴリーではなく自分自身を褒められたい
・こういうバイアスがかかった人をよく見るが、そういう人は自分が正しいと思っている。そういう人に気づいてもらうのも難しいですね。
みなさんそれぞれに何かを感じ、考えるきっかけとしてくれていました!

30分程度のワークでしたが、実際に体験し何か感じてもらることがあったのではないかと思いました。
さて、ここからいよいよ講演に入ります。


”ちがい”を知ろう~知るLGBTQAI+/講演~

①LGBTQAI+とは?

まずは簡単に用語解説。
ただし、用語の解釈は誰が・どのような目的(立場)で紹介しているのか、また国によってもまちまちであることを紹介したうえで、まずは自分で調べてみて欲しいとお伝えしました。
また、性自認や性指向の表現はとても多様なため、用語を覚えることにあまり重きを置く必要はありません。

たいせつなポイント
1.LGBTQI+はあくまで単語
2.何がたいせつかは一人ひとりちがう
3.自分のジェンダーやセクシャリティは自分で決める

②仲間と差別

まずは人が”仲間”と認識できる数(ダンバー数)を紹介。
そして、もし「”仲間”以外の人が誰かから差別を受けているとわかったとき、あなたならどうするか?」という問いかけをしました。

これも結論からいうと、あなたがどのような態度をとるかは、あなた自身で決めることができます
・差別を止めるために行動する
・当事者の話を聴く
・誰かに相談する
・状況(事実)を把握する
・ひとまず考える、または調べる
・見て見ぬふりをする
・差別をする側になる
極端な例もありますし、実際に行動に移すことが難しい例もあります。
ただし、何度も言いますが、あなたがどのような態度をとるかは、あなた自身で決めることができるのです

どのような状況で、どのような立場で、どのような時に差別事象を知ったかにもよると思います。
しかし、その時・その場で、あるいはその後・別の場で、はたまた差別事象など起こっていないと思われている日常の場面で、あなたにどのような態度がとれるかは、あなた自身がこれまで何をどう考えてきたかにもよるのです

たいせつなポイント
1.言葉の意味は時代によって変わる(例:Queerクイア)
2.同じ言葉でも受け取る人によって意味は変わる
3.自分から出た言葉を誰が聞くのかをしっかりと考える

③Q&A

ここまで話を聴いてもらったうえで、Google formを使って質問を受け付けました。(回答数11件)

当日にお答えできなかった質問も含めて、掲載許可をいただいた質問の内容と回答をご紹介します。
※2023年3月現在の講師(げんのすけ)による回答になります。

質問1.ふむふむの由来はなんですか?

回答1.
基本コンセプトは”ちがい”を知って理解し合うことで、生きやすい社会をつくるです。
だからこそ、いろんな”ちがい”を知るきっかけを作りたいと思っています。
その”ちがい”を知ったときに、「ふむふむ」と思わず言ってしまうようなきっかけを提供したいので、「ふむふむ」にしました。

質問2.カミングアウトした時期やきっかけを知りたいです。

回答2.
高校2年生のときに母親に伝えました。
家族に伝えないといけないな…と思い始めてから、実際に伝えるまで半年くらいはかかりました。
当時、親と寝室が一緒でしたが、朝学校に行かないといけない時間になっても僕が布団から出てこなかったので、母親に「学校に行かなくていいの?」と聞かれました。そのときに「実は、言わないといけないことがあって…」という風に打ち明けました。
「(自分は)男だと思う…」と少し遠回しな表現で伝えたのを覚えています。
もともと性別にとらわれない育て方をしてくれたこともあったので、母親の最初の反応は「勘違いではないのか?」というものでした。

質問3.学校現場で呼称の統一はすべきだと思いますか?

回答3.
個人的にはすべきだと思います。
表面化していないだけで、数の上では、どこかで誰かが「くん」「さん」と呼び分けをされることに違和感を覚えたり、苦痛に感じていたりすると思います。

確かに突然変更するのは難しいということもあるかもしれません。
学校全体で統一した動きをするのも時間がかかるかもしれません。

でも、当事者が「くん」「さん」と呼び分けをされるたびに覚える違和感や苦痛に比べれば、先生方が呼称を統一する労力ははるかに軽いはずです。
できる先生からでも、できる時期からでもかまいません。
誰かがどこかで毎日のように感じている苦痛を少しでも軽減するためにも呼称の統一はしてほしいと思います。


上記以外にも、何かご意見やご相談がある方、あなたの考えをシェアしたいと思われた方はふむふむまでご連絡いただけると幸いです。

④さいごに

まとめです。

たいせつなポイント
1.自分のジェンダーやセクシャリティは自分で決める
2.自分から出てくる言葉は自分で選べる
3.差別する側になるのか差別を止める側になるのかは自分で選べる

Google formで本日の感想を書いてもらいました。
掲載許可をいただいた感想をご紹介します。
(回答文は原文ママ)

・いい知識になったなと思いました
・ワークショップを通じて、違和感やいやだな、決めつけないでほしいな、という思いを実感することができました。個性を大切にする学校を作っていけたらと思います。

感想を提出できなかった方もいると思いますが、何か感じていただけたのであれば嬉しいです。
何をどのように感じるかは自由です。
そして、感じたことを今後どのように活かすか(活かさないか)もまた自由です。
さあ、あなたはこれから、どうしますか?

一緒に考えていきましょう!


さて!いかがでしたでしょうか?
以上が、今回生徒のみなさんと先生方にお伝えしてきたことのまとめです。

今後もふむふむの活動をとおして、人権学習を身近に感じてもらい、ひとりでも多くの方が自ら考える力を身につけ、すべての方が安心して生活できる社会をめざしていきたいと思います。


困ったことや、周りには言えない悩みがあったり、自分なりに考えたことを伝えたくなったりしたら、いつでも連絡ください。
ふむふむはみんなからの連絡を待ってます^^

ふむふむHPはこちら
ふむふむ公式LINEアカウントはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?