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東工大後期を受験した話【後編】

こんにちは。本日は2/26。国公立大学二次試験の最終日です。受験生のみなさま,本当にお疲れ様でした。後期試験にも出願している方はもう少し受験勉強が続きますが,大半の受験生はこれで終わりでしょう。
今回はタイトルの通り,東工大の後期試験を受験した話をします。この話は前編をご覧になってからの方が楽しめると思いますので,まだの方は↓からお願いします。


ちょっと脱線してしまいましたが,どうして受験できたのかについてですね。特別な申請とかをしたわけではなくて,誰でも理論上は可能なんです。(逆に受験できない,となると受験料の返還を求める人たちが出てくるでしょうから,そういう人たちを黙らせるための仕組みなのだと思います。)

ここで東大の募集要項を見てみましょう。

令和4年度東京大学入学者選抜要項より引用

つまり,「前期受かってても後期受けられるよ~,合格にはならないけどね」ということです。僕のような変態のことを想定してちゃんと書いてあるんですね。おそらく東大受験者の99%には興味の無い一文でしょうが僕はこれにかなり救われました。後期受験に関して東大のお墨付きをもらったわけですからね。

ここで後期試験辺りのスケジュールを確認しておきましょう。
3/10 12:00            東大合格者発表
3/13 9:30~11:00   東工大後期試験
3/15 17:00            東大入学手続き締め切り

結構タイトですねえ~~~(自分でそうしているのですが)
東大合格を喜べるのも2日間だけです。3/12には受験生モードに切り替えて,最後に1年分残していた過去問を解きました。翌日に備えて「化学の新研究」を読むのもそこそこに布団に潜ります。
翌朝7時過ぎに起床し,冷蔵庫にあるものと冷めたご飯を適当に温めて栄養を注入します。東大受験の2/25,26は炊きたてのご飯と程よく焼けた鮭に味噌汁まで用意してくれたなあ,と回顧しながら。
8時頃,「行ってきます」と自分に聞かせるようにつぶやき,玄関を後にしました。もちろん家族の見送りなんてありません。孤独な戦いです。
大岡山に着いてもあまり受験生らしき人は見かけません。後期日程は出願倍率が14.6倍とはいえ,前期で受かった人はほとんど来ないので受験者は97人(募集人数は35人)だったようです。
会場に入って試験開始時刻が迫っても空席が目立ちます。でも数少ない受験者は皆逞しく,何か覚悟を持ったような目をしていた気がします。私立か国立か,現役か浪人か,ここで決まるという人も多かったのでしょう。明らかに前期日程とは雰囲気が違うことをここで実感しました。
8:50頃試験問題が配られます。ここでも衝撃を受けます。渡されたのは数枚のA4コピー用紙に印刷され,左上を一箇所ホッチキスで留められた試験問題だったからです。前期入試ではあった,裏が透けて見えないような加工も特にされておらず,高校の定期テストのような印象を受けました。


試験は無事終わりました。英語で出題されるなどトリッキーな点はありましたが,いたって標準的な問題でした。僕は「合格者にならない」ことが予めわかっていましたが,採点すらされないであろう答案を丁寧に作成しました。感触としては全問正解でしたが,実際の点数は誰にもわかりません。こうして僕の受験は終わりを迎えたのです。


前期試験で合格して後期も受ける場合の唯一の注意点は

絶対に後期試験を受ける前に入学手続きをしない

ということです。今日はこれだけでも覚えて帰ってください。なぜかというと後期試験の受験にはセンター試験受験票(現共通テスト受験票)が必要になるからです。この受験票は入学手続きでも必要なため,こちらを先にしてしまうと後期試験受験の権利を手放すことになります。ですから手順としては前期試験の合格判明後,入学手続き書類のうちセンター試験受験票以外(入学金の領収書など)は3/12までに用意しておきます。入学手続き書類は3/15 17時必着のため, 3/14までには書留速達で出しておきたいところです。僕が受験した年は後期試験日3/13が金曜日で,翌日になると最寄りの郵便局窓口が閉じてしまうので,後期試験から帰ってきたらセンター試験受験票を封筒に入れ郵便局にダッシュしました。
こうして僕は東大合格の3日後に東工大後期試験を受験することに成功したのです。以上をご覧になってお分かりかと思いますが,不可能ではないのです。僕に特別なコネがあったわけでもありません。後期試験を受験したいと思い,東大の入学者選抜要項を熟読しただけなのです。
何かをやろうと思ってネットで検索しても前例が無いものはなかなかヒットしません。そういうときは基本に立ち返って,絶対に嘘をつかないもの(ここでは選抜要項)を読み返してみるというのが有効なことがあります。不可能なことって意外と少ないですよ。


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