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ピアノは昔より安全になった。だからこその心配ごとも。

ピアノの鍵盤蓋には2つのタイプがあります。

最近のピアノは蓋から手を離してもバタン!と閉まらずに、ゆっくりと蓋が降りていく「ソフトランディング機構」が標準になっています。ヤマハでは1997年頃のモデルからこのタイプ。これは主にお子さんが指を挟んでしまう事故を防ぐためです。

古いピアノに後付けできる商品もあります。(一部取り付けできないピアノもあります。リンク先の星1の方のピアノはまさに取り付けられないピアノ...)

ソフトランディングの鍵盤蓋は押さえつけて無理やり閉めると壊れることもあって、手を離して自然に蓋が降りていくのを待ちます

逆に古いピアノは手を離せばとうぜん“バタン”と落ちるので、しっかり手を添えて最後まで閉めないといけません

ソフトランディング機構がついたことで安全になったことは、特に小さなお子さんがいる場所では絶対に良いと思うのですが、ふと懸念点もあります。

他の場所のピアノも同じだと思っちゃわないかな?

例えば児童館の古いピアノで他の子が弾いているときに、自宅のピアノと同じ感覚で蓋から手を離して怪我をさせてしまったり、自分の家のピアノは古いタイプで、友達の家の新しいピアノの蓋がすぐに閉まらないからと押さえつけて壊してしまったり。

考えすぎでしょうか?

でも慣れって怖いもので、最近の自動で流れるトイレに慣れていると他の場所で流し忘れるなんて話も聞きます。僕はビジネスホテルに泊まったときに「アレクサ!電気つけ…そうか…いないんだ…」と切なくなります。電車が停まる位置を間違えて、ホームが無いことに気づかずに降りた人が落ちて怪我をしてしまったニュースがありましたが、そりゃあ確認なんかしないですよね。

事故やお子さんが理不尽に怒られるのを防ぎたい

2種類の蓋が存在していることがあまり知られていないこともやっかいで、お子さんがおうちで言われてる通りの閉め方を守ったがゆえに他の場所で事故になったり、それを知らない大人に怒られたりしてしまうこともあるんじゃないかと。

小さい頃に鍵盤の隙間からドラゴンボールのメンコを1枚ずつ入れてみていた僕のような子供は怒られて然るべきですが、ちゃんとやろうとしていた子が怒られるのは切ないです...

お子さんがそのピアノの蓋がどっちのタイプか判断してくれるようになれば理想ですが、それはなかなか難しい。まずは大人が2種類のピアノの蓋があることを知っておく必要があるのかなと思います。

もしこの記事を読んで頂いた方でまわりのお子さんがそんなミスをしてしまったら、ふざけてたり注意不足ではなく、もしかしたら普段の慣れでやってしまったことかもしれないと考えて欲しいなと思います。

世の中のピアノが全てソフトランディングだったら問題ないんですけどね。ピアノは長持ちするがゆえに真逆の閉め方の蓋が混在している状況が、ちょっと怖くも感じます。

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