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天災は場所を選ばず

石川県能登地方を震源 緊急ニュース


1日午後4時すぎ、石川県能登地方を震源とする大きな地震があり、震度7を観測しました。気象庁は北陸地方と山形県、兵庫県に津波警報を発表していました。

被災地の皆さまへ お悔み申し上げます。

1月2日「ウンブキ」予定変更して、地震大国日本の歴史について語ります。

かねてより日本は地震大国であることは、その歴史を見れば一目瞭然です。それが宿命であると諦念するしかありません。また火山大国と云うのは、地下にエネルギーが溜まっている、という地殻エネルギーがあることですから、そのサインとして天変地異が勃発するということです。

以下は、それを研究した成果です。


2024年01月02日記事

日本海底に眠る地下資源は誰のもの

茨城沖に「幻の巨大油ガス田」、今も埋蔵? 茨城大と北大が解明

2020年8月26日 13時50分  https://www.tokyo-np.co.jp/article/51210

茨城県北茨城市の五浦いづら海岸に分布する大規模な岩礁が、かつて周辺の海底に存在した油・ガス田から湧出した天然ガスに由来する可能性が高いことを、茨城大と北海道大の研究チームが突き止めた。チームは「幻の五浦巨大油・ガス田」の発見と位置付け、「茨城沖に石油や天然ガスが埋蔵されているポテンシャル(潜在性)が一挙に高まった」と有望視する。 (宮尾幹成)

五浦海岸に広がる炭酸カルシウムの岩礁。後方左は岡倉天心が思索の部屋として建てた「六角堂」=北海道大提供

五浦海岸に広がる炭酸カルシウムの岩礁。後方左は岡倉天心が思索の部屋として建てた「六角堂」=北海道大提供

◆岡倉天心ゆかりの地で

 五浦海岸は、明治期の美術思想家の岡倉天心が終ついのすみかとしたことで知られる。主に炭酸カルシウム(方解石)がセメント状に固まった「炭酸塩コンクリーション」と呼ばれる岩礁が、独特の力強い景観を生んでいる。

 茨城大大学院理工学研究科の安藤寿男教授と北海道大大学院理学研究院の鈴木徳行名誉教授らの研究チームは、採取した岩礁に残留する微量のガスの成分を測定するとともに、岩礁やガスに含まれる炭素などの同位体組成も分析した。

 その結果、炭酸カルシウムを構成する炭素のほとんどがメタンなどの天然ガスに由来することや、メタンから生成した重炭酸イオンが海水中のカルシウムイオンと結び付いて炭酸カルシウムを形成したことを確認。原油が存在していた可能性が高いことも分かった。

 五浦に現存する岩礁中の炭酸カルシウムは600万立方メートル以上で、73億立方メートル以上のメタンに対応する量だ。これ以外に炭酸カルシウムを形成せずに流出したメタンが大量にあり、風化や浸食で消滅した岩礁も多いとみられる。

 こうした「目減り分」を考慮すると、実際には「巨大ガス田」(採掘可能な埋蔵量で950億立方メートル以上と定義)に匹敵する油・ガス田が存在していたと推定されるという。

 国内で確認済みの採掘可能な埋蔵量は、原油が約545万立方メートル、天然ガスが約282億立方メートルだ。

 五浦の岩礁は、初期中新世末期の地層「九面ここづら層」(約1650万年前)に含まれる。研究チームによると、この前後の時期(約2000万~1500万年前)に日本列島がユーラシア大陸から分離し、激しい地殻変動によって海底深部の油・ガス田に亀裂が生じた結果、天然ガスの湧出が数万年以上にわたって断続的に起きたと考えられる。

◆資源探査への期待高まる

 国は2019年度から、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の探査船「たんさ」で日本近海の地下資源探査を進めており、茨城沖も対象になる可能性がある。

 安藤教授は「天心が選んだ五浦の壮大な風景が、地質学的に稀な現象によってできたことは興味深い。国の資源探査にも大いに期待したい」と話している。

 研究成果は国際学術誌「Marine and Petroleum Geology」で公開された。

日本は世界有数の海底資源大国 メタンハイドレートの産出試験に成功 石川憲二 (科学技術ジャーナリスト) 2013/04/05 https://imidas.jp/jijikaitai/k-40-081-13-04-g491

「海底のメタンハイドレートからガス産出に世界で初めて成功!」

「国内消費100年分の天然ガスが日本近海に眠る」

 2013年3月12日、こんなニュースが日本中を駆け巡った。長く資源小国といわれ続けた日本で新たなエネルギー資源がみつかり、しかも利用できる可能性が高いというのだから、こんなうれしい話はない。しかし同時に、多くの人は「メタンハイドレートっていったい何?」「普通の天然ガスとはどう違うの?」といった疑問をもったはずだ。

 そこで、最近、注目を集めている海底資源と、その一つであるメタンハイドレートについて、わかりやすく解説していこう。

鉱物資源探索の目は海へ

 一般に、鉱物資源には鉄や銅、レアメタル(レアアースを含む)などの金属資源と、石油や天然ガス、石炭などのエネルギー資源がある。後者はより明確に化石燃料という呼び名もある。

 いうまでもなく、これらの鉱物資源は長く陸上で採掘してきた。しかし石油はすでに1940年代から海底油田の開発が始まっているし、最近では銅のようなごくありふれた金属ですら、徐々に高品位の鉱石が採れなくなってきたことから、地球上の約7割を占める海へと探索の目が向けられている。もちろん今でも陸上の鉱山のほうが生産コストは安いものの、単価の高い金属、具体的にはニッケル、コバルト、プラチナ、金、レアメタルといったあたりは、入手先を海底にも求める動きがあるのは事実だ。

 海底資源の魅力の一つは、海中あるいは海底下だからこそ生成される有望な資源物質が存在することだ。金属資源でいえば海底熱水鉱床、マンガン団塊、コバルト・リッチ・クラストがそれにあたる。

 海底熱水鉱床は海底火山などの周囲に多くみられ、海底から吹き出した熱水に溶け込んでいた金属成分が析出したものだ。陸上鉱山のように地中深く掘る必要がなく、有用な金属成分をたくさん含んだ塊をそのまま拾えばいいのだから、発見さえできればこんなおいしい話はない。その「発見」がひと昔前は非常に困難だったものの、最近では海底火山の活動履歴から場所を特定する方法などが研究されており、将来的には低コストによる採掘が可能になるといわれている。

 マンガン団塊とコバルト・リッチ・クラストは、海水中に溶けている金属が深度など特定の条件下で析出したもので、前者はジャガイモのような球体として、後者は海底のある深さのところに岩などを覆うように存在する。つい最近も「南鳥島沖に大量のレアアース発見」といったニュースがあったが、これはコバルト・リッチ・クラストの一種である。

日本が海底資源大国になる理由

 海底資源は公海でも開発可能だが、事業化したときの権益を確実に得るには「領海+排他的経済水域(EEZ)」の中で見つかるほうが圧倒的に有利だ。そして、国土面積では世界第61位にすぎない日本が、領海+EEZでは世界第6位の大国に浮上するという事実がある。これは、日本が海に囲まれているのに加えて多くの離島を領土にしているからで、国土面積の広い中国(世界第4位)も「自由に利用できる海」の広さでは日本の5分の1ほどにすぎない。

 しかも、日本のEEZ内の海底には豊富な資源が存在する。火山国であることから海底熱水鉱床は大量にあることが予測されているし、複雑な海底地形をもつことからコバルト・リッチ・クラストの生成にも有利な条件が整っている。残念ながらマンガン団塊はまだ発見されていないものの、世界でも非常に恵まれた「資源の海」といえる。

 そして冒頭でも触れた、いま話題のメタンハイドレートも日本近海に多く眠っているといわれる。

 メタンハイドレートに含まれるメタンガスの原料は、主に海底に沈下し堆積(たいせき)したプランクトンや藻類などの有機物だ。これらが地中深くに埋没して地熱により変質を遂げると在来型の石油や天然ガスになるのだが、一方で、比較的温度の低い地層にとどまるものも多く、その一部が「温度が0℃で圧力が26気圧以上」とか「10℃で76気圧以上」といった条件になると水と結合してメタンハイドレートが出来上がる。なお、メタンハイドレートのことを、よく「氷に閉じ込められたメタンガス」と表現する人がいるが、正確には包接水和物(ハイドレート)であり、水分子でできた「かご状」構造の中にメタン分子が一つずつ閉じ込められているのである。

 このようなメタンハイドレートが日本近海に大量に存在する理由については想像の域を出ない。ただし、ユーラシア大陸から続く広い大陸棚で生まれた生物の遺骸がこの海域には大量に沈下していったはずで、水深200メートルぐらいでは水圧が足りないが、日本列島付近では水深500メートル、1000メートルといった深海域になるところが多いため、容易にメタンハイドレートの安定領域に達する。つまり大陸棚の縁に位置する日本は、メタンハイドレートの生成においても地理的に非常に有利な条件にあるのだ。

事業化にはまだ時間がかかる

 日本近海のメタンハイドレートの分布は、音波による地震探査という方法で発見された、BSR(海底疑似反射面)と呼ばれる、海底面とほぼ平行に現れる反射面の見られる海域とおおむね一致することがわかってきた。そして、より正確な探査を行った東部南海トラフ(静岡県から和歌山県の沖合にかけた海域)だけでも、2011年の日本の天然ガス輸入量約11年分のメタンハイドレートの存在が確認されている。そんなことから全国的には「国内消費100年分の天然ガス」といった憶測が生まれるのだが、実際にはまだそこまで正確に資源量が算出されているわけではないので、ぬか喜びは禁物だ。

 また今回の「生産成功」といったニュースも、2018年まで続く予定のメタンハイドレート開発プロジェクトにおいて半ばの段階にすぎず、一連の試験が終わってから初めて「商業生産が可能か?」といった検討に入るのであって、エネルギー資源としての実用化にはまだ10年以上かかる。

 世間の過剰な期待に対し、開発プロジェクトの中核となるメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)でも戸惑いを隠せない。環境チームリーダーの中塚善博氏はこう話している。

「関心をもっていただくのはありがたいのですが、『いつから利用できるのか?』といった気の早い問い合わせが多いのには驚きます。資源開発は長い道を一歩一歩進んでいくものなので、そんなに簡単にはいきません。まずは、確実に産出し続けるための技術的基盤を作ることが大切です」

 それでも兆しはかなり明るい。同じくMH21推進グループリーダーの磯部人志氏はこう言う。

「今回、産出試験を行ったメタンハイドレート層は水深約1000メートルの海底面から300メートルほど下にあり、上部は軟らかい地層に覆われています。ここに井戸を掘削し、水をくみ上げることで内部の圧力を下げる“減圧法”という生産手法でメタンハイドレートを分解し、メタンガスを取り出します。井戸の中に砂が流れ込む出砂という現象もありますが、在来型の石油天然ガス開発に用いられる技術により、砂を止め生産することができます」

 MH21によると、メタンハイドレートの掘削は在来型石油や天然ガスのように堅い岩盤を貫く必要はないため、1本の坑井の掘削は在来型の石油天然ガスに比べ比較的容易であるという。

 世界中でシェールガスや深海油田・ガス田の開発が急ピッチで進む現在、メタンハイドレートがそれらと価格的に対抗し、エネルギー資源として市場を拡大できるかどうかは、まだわからない。ただ商業生産はすぐに行われなくても、日本がEEZ内に豊富なエネルギー資源をもっているという事実は変わらないし、さらに今回のプロジェクトで得た多くの知見は金属など多様な海底資源の開発に役立つはずだ。



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