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物書き、が描くリアル世界

そのむかしある政治家が「ものかきに、何がわかるかっ」という名言、格言、捨てセリフをマイクの面前で晒した人がいました。世の中、云っていいことと、悪いことの判断はありますが、そのケースは正しかったのか。?

おそらく、そう思った政界財界人は多数いて、その他にも同様の積怨を抱いた人も多いことでしょう。

で、ものかき(作家)が何をしらなかったのかは、ケースバイケースで、質問するのに裏を取ってなければ、まったく会見はちぐはぐで、「何も知らん輩が・・・」という暴言に特化するのでしょう(まあそんな場合は燃え盛る火に、ですから大炎上です)。

これも昔から云われた、ペンは剣よりつよい、という言葉ですが、場合によっては乱射されますから、これもあてになりません。

今ではすっかり忘却してしまった田中角栄元首相と、立花隆の真剣勝負があって、この場合は、ペンが勝って、日本国首相が失脚、という事態にいたりましたよ。結果的にはロッキード工作疑獄が暴かれ罪が確定した、という判例です。(この事件いまだに真相不明)

そんなことを生業とするのが文筆作家という職業です。(いまどき筆と原稿紙で書く作家っていますかね)


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ブックライターとゴーストライター

ブックライターとは(幻冬舎ルネッサンス)

「ブックライターという言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にそれがどんなものかわからない」という方も意外に多いのではないでしょうか?
ブックライター(book writer)という言葉を英和辞書で引くと「著作家」となっているケースも多いのですが、ここでいうブックライターとは、それとは少し意味合いが異なるものです。

こちらでは、ブックライターの具体的な仕事内容やメリット、いわゆるゴーストライターとの違い、さらには「ブックライターになる方法」などについて、詳しく解説していきます。

原稿が書けない……でもブックライターを起用すれば安心!

「自分の持つノウハウや経験談、自叙伝を本にしたい」と考えている方は多いものです。しかし、中には多忙なため、「本を執筆する時間を捻出できない」という方もいるのではないでしょうか。また、文章を書くスキルがある方の場合でも、「原稿を書くアイディアが浮かばない」というケースも考えられます。

そのようなとき、代わって本を執筆するのがブックライターです。では、ブックライターの仕事内容とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

ブックライターの仕事内容

大まかにいえば、ブックライターの仕事は「本を作る仕事」です。もちろん、自分の本を作るケースもありますが、ほとんどの場合そうではなく、著者となる人に代わって本を執筆するケースのほうが圧倒的に多い傾向にあります。著者に代わって執筆を担当するといっても、自分の好きなように書けるというわけではありません。著者に綿密なインタビュー取材をしたり、ときには同行取材などもしながら、著者の意に沿った文章を書き上げていきます。現在ブックライターとして活躍しているのは、「ライターとしての十分な経験がある」「特定分野の知識に長けている」「編集プロダクションに勤めていた」など、何らかの経験を持っている方がほとんどです。

いきなりブックライターになろうと思ってもそう簡単になれるものではなく、ある程度の経験を必要とされる仕事だと言えます。

似て非なるゴーストライターとブックライターの違い

ブックライターと非常によく似ているといわれているのが、ゴーストライターです。ブックライターとは比較的新しい職業名であり、かつてはゴーストライターと一緒に扱われてきたという経緯があります。

いわゆるゴーストライターとは、ゴースト(幽霊)、つまり「表に出ることがない=本に名前が表示されない」ライターのことです。著者に代わって文章を執筆するのはブックライターと同じですが、より著者に近い文体や雰囲気で書くことが要求されるケースが多いことから、著者自身が専属で雇い入れている場合がほとんどです。

一方、ブックライターは一人の著者専属というわけではなく、あらゆる分野を扱い、著者に代わって執筆を担当します。また、ブックライターの場合は、著者から直接依頼されるのではなく、出版社や編集プロダクションなどから依頼されるケースが一般的です。そのほか、ブックライターとゴーストライターの大きな違いとしては、ブックライターの場合は、本に執筆者、あるいは構成者などとして名前が表示されるケースも多いことが挙げられます。
このように、「著者に代わって執筆する」という仕事内容は同じであっても、ブックライターとゴーストライターでは大きな違いがあるといえるでしょう。

著者の強い味方「ブックライター」を起用するメリット

働きながら執筆をするとなると、時間の制約が厳しく、執筆に間に合わないというケースもあるかもしれません。そのような場合にもブックライターは頼りになる存在です。
著者の中には、文体や文章に自分なりのこだわりがあり、簡単にほかの誰かに任せられないという方も多いかもしれません。しかし、基本的に、ブックライターは文章を書く技術に関してはプロフェッショナルであり、著者に綿密な取材をして文章を書く技術に秀でています。

そのため、ほかの人に自分の作品をあまり任せたくない著者であっても、しっかりとした取材に基づいて自分の伝えたいことを的確に文章にしてくれるブックライターには安心して依頼できるのです。

ブックライターになるためにやるべきこと

「文章を書くのが好き」という方の中には、ブックライターになりたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。では、ブックライターになるためには具体的にどうしたらよいのでしょうか?

あらゆる分野を執筆できる実力を身に付ける(経験を積む)

ブックライターは、あらゆる分野を執筆できる実力を身に付けておいたほうが仕事の幅が広がります。なぜかといえば、ブックライターとしての仕事は、出版社などから受けることが多いため、どんな分野の仕事もあり得るからです。また、未経験でブックライターになったというケースもありますが、何よりも経験がものをいう仕事でもあります。

本一冊を最後まで書き上げられる根気強さを養う

出版社や編集プロダクションがブックライターを選ぶ際には、文章の正確さ、そのテーマに精通していることだけでなく、「きちんと最後まで書き上げられるかどうか」という点も重視されます。その理由は、ブックライターは本一冊、場合によっては200ページ以上の執筆を担当することも多いため、途中で仕事を投げ出されてしまうようなことがあると、全体の進行に大きなダメージを与えるからです。

「安心して執筆を任せられる」ということも、ブックライターが身につけるべきスキルの一つといえるでしょう。

ブックライター養成講座などで書く技術を学ぶ

最近見かけるようになってきたブックライター養成講座などを利用するというのもひとつの方法といえます。ブックライター養成講座では、取材の準備や進め方、執筆のコツなどについて学べるようになっています。

出版社、編集プロダクションとの繋がりを持つ

ブックライターの仕事は、出版社や編集プロダクションを通して依頼されるという形が一般的です。出版社や編集プロダクションでは、本の制作が決まってから、そのテーマを書くのに最適なブックライターに打診することになります。そのため、できるだけ多くの出版社や編集プロダクションと繋がりを持つように努力することも、ブックライターになるためには大切といえるでしょう。

まとめ

ブックライターは比較的高収入の仕事であり、本一冊単位で報酬が決まるケースがほとんどです。ただし、一冊の本の企画から完成まで長い時間がかかり、基本的には著者の仕事のペースに合わせる必要があることを理解したうえで、仕事を進めていく必要があります。また、本一冊の執筆を丸々請け負うことが多いため、その分野に関する知識や確かな文章力があることに加えて、きちんと最後まで書き上げるという責任感も要求されます。

このように、ブックライターは仕事を請け負うために多大な努力をしている方であり、出版を検討している多忙な方の強い味方であることに間違いありません。「書籍を出したいけど、多忙で執筆が難しい……」という方は、ぜひブックライターの起用をご検討されてみてはいかがでしょうか?

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ゴーストライター(ghostwriter)とは
書籍や記事、脚本などの代作を生業とする著作家のことである(以下、ゴーストと表記)。なお、変名を使い正体を明かさないまま作品を公表する覆面作家とは異なる。

出版業界
本人が話したことを一言一句そのまま書かせる「口述筆記」から、本人の書いた文章を読みやすく加除訂正する「編集・リライト」もあれば、ほとんど書き下ろしに近い「代筆」まで、様々なケースが見られる。執筆の実作業を担った人物に対して謝辞その他の何らかの形で名前が出る場合もあれば、まったく出ないことも少なくない。
「構成」や「協力」や「編集協力」など、一見すると曖昧な名目で本の扉の裏側や目次の最後や奥付の前や奥付などで、目に付かない形で名前が出る場合もある。ゴーストが勝手に名乗りを挙げることは、出版業界のモラル上の大きなタブーとされているが、ゴーストライターがゴースト以外の作品で成功した場合、その名義を表に出してゴースト時代の作品が復刊されることもある。
「著者」の態度は人によってさまざまで、ゴーストライターに手伝ってもらったことを公にする人から、追及をされない限り黙っている人・あくまで自分で書いたかのように振る舞う人も多い。

たとえば、文筆を主業としないタレント・俳優・政治家・スポーツ選手・企業経営者・学者・その他、著名人の名前で出版されている本のうちのかなりの割合が、多かれ少なかれゴーストを使っていると言われる。

書籍『社長と経営者のための企業出版入門』には「原稿作成はゴーストライターのお仕事です」という一節があり「イメージ上、それを公にしていないだけです」と説明されている。
学者、研究者の場合は論文は自分で書くものの、一般向けの書籍などではゴーストライターが関与することがある。最近では芸能人やアスリートのブログにも、ゴーストライター(スタッフによる代筆)が使われる例がある。ノンフィクションライターの窪田順生は、「国会議員に社長にタレント、プロ野球選手、登山家、大学教授、医師、投資コンサル……変わり種では、女カリスマ社長なんかの代筆をさせていただいたことがある」と書いている。

講談社の編集者だった伊藤寿男は、自分が担当した中でゴーストライターでなかったのは桂三枝(現・六代 桂文枝)と秋吉久美子だけで、ほとんどがゴーストライターであったと明かし、「読者も事情を知っているのだから、古い習慣はやめて本来のライターの名義を入れるべき」としている。

過去には、著者の名義になっている人物が生放送などの場でつい、口を滑らせてしまった例も見られる。例えば歌手・タレントである松本伊代がオールナイトフジ(1984年12月29日)で、“自筆エッセイ”の内容を司会者に聞かれた際に、「まだ読んでない」と返答してしまった事例などがある。
詳細は彼女のリンクを参照。

ゴーストライターのほとんどは、作家やジャーナリスト・評論家・フリーライター・新聞記者・雑誌記者などの、物書きのプロフェッショナルである。
高い知名度を持つ作家が、かつてゴーストを務めていた経験があったり、逆に自身がゴーストを使っていたりする場合もあるとされる。

知名度のある人物が表の顏となり、実際の作業は裏方に任せるからである。ジャーナリストの肩書があっても、自分で書かない人もいる。その場合、著者と並んで「取材班」という署名がつくこともあるが、つかないことも多い。ほとんど丸投げのこともある。とあるニュースサイトには、次のような話が紹介されている。「かつて『新進気鋭』のジャーナリストが出版した本が話題になったが、このジャーナリストはほとんど自分で書いていないと噂になった。

実際に著者の知人も、出版社からの依頼で取材してまとめたものが、ほぼそのまま、そのジャーナリストの新刊に掲載されたことがあった」、「『自称』ジャーナリストが担当していたラジオ用「ニュース解説」の原稿を丸投げされていた知人もいる。このジャーナリストは収録直前に初めて原稿を読む。つまり、自分の名前で視聴者に伝えるニュース解説を他人に作らせ、直前までその内容も知らないのだ。ちなみにこの人物、メディアに登場しては、悪びれることなく嘘の実績を話す」。

ゴーストライターが重宝されるのは、著名人といえど文章を書くことを生業としていない者がゼロから原稿を書き上げるのは現実的には難しいこと・また書いたとしても、そのままでは読みづらく読者が理解しにくい文章になりがちだからである。
そのため、ゴーストライターは文章を書き慣れない人をサポートし、文章の質や量の向上に寄与しているとも言える。『女性自身』誌で7年間に150本の手記をゴーストライトしたルポライターの竹中労は、その意味でゴーストライターは必要であると主張している。その一方で、竹村健一の盗作疑惑や、俳優の長門裕之の『洋子へ』のケースのように、時として内容が問題になった際に文責の所在が曖昧にされることがある。

みずからもゴーストライターを務める吉田典史によれば、「約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている」という。その理由は、ビジネス書では文章力よりも著者の知名度とコミュニティ(ファン)の存在が重要視されるからである。

発売直後に一定部数の売れ行きが見込めなければ、出版の企画そのものが成立しない。また無名の経営者が企業出版(自費出版)を行なう場合は、最初の数百冊を大手書店を通して自費で買い上げることもあるという。これは、大手書店のランキングで上位に掲載されることを目的とした行為である。いわば、大手書店は『ランキングを売って』いるともいえる。吉田は、自分で書いてない者が著者を名乗るのが「詐欺なのか、それとも詐欺ではないのか。わたしはいまなお、この問いに答えることができない」と、言葉を濁している。

ビジネス書のゴーストライター業が生業の大半である上阪徹は、ゴーストライターという言葉がネガティブに聞こえることから、自著『職業、ブックライター』にて、「ブックライター」という呼び名を提唱している。この本では、毎年10冊以上のゴースト本を出している自分の生活を語っている。また、ゴーストとして担当した本であとがきを執筆する際に、自らと編集者の名前を出して謝辞を代筆してしまうが、編集者に削除されることもあると述べている。ゴーストライターをするときの「著者」への取材時間は、一般的に10~20時間とされている。中には5時間で書くケースもあれば、何カ月もかけて密着取材をするケースもある。

ブロガーのイケダハヤトは、世の中にある多くの本と同様に「自分の本は編集者の手が入っており、作品によっては半分近く編集者が書いている」、と開示している。
その際に「エンドロールでずらずらと関係者の名前が並ぶ映画やゲーム」のように、「他人の手を借りて制作した場合は、そのことを開示する」というルールを提唱しており、
実際に「電子書籍『ブログエイジ』は共著者として編集者」をクレジットしたものの、「紙の本」の業界においては「文化の壁があるようで、実現には至っていません」と述べている。

アメリカの出版業界では、スポーツ選手や企業人などの文章の素人が出版する際にはライターやジャーナリストとの共著として発表されることが多い。
この場合の共著者とは、クレジットされたゴーストライターであり、文章執筆のすべてを請け負っている。しかし、クレジットされるからと言って問題がまったくないというわけではない。アメリカで2006年に出版された『スリー・カップス・オブ・ティー』は、登山家から慈善活動家に転身したグレッグ・モーテンソンの自伝として売り出された。

この本は、発売後4年(220週)もの間、「ニューヨーク・タイムス」紙のベストセラー(ノンフィクション部門)ランキングに載り続けたベストセラーであり、世界39カ国で翻訳、販売され、総計400万部以上を売り上げた。続編もベストセラーとなった。この2冊の共著者はデビッド・オリバー・レーリンというジャーナリストで、執筆にあたってモーテンソンの協力がなかなか得られなかったために想像によって自伝のエピソードを大きく補ったという。

本がベストセラーになって注目を浴びたために、モーテンソンの慈善事業に集まった寄付金のうち7~23億円が行方不明になっていることや、内容に虚偽のエピソードが含まれていることに対して批判が巻き起こった。モーテンソンは慈善活動にいっそう力をいれることで償うと謝罪したが、レーリンは批判キャンペーンが展開された翌年の2012年に、罪悪感やライターとしての将来への悲観から49歳で自殺した。

日本では、1973年に出版された糸山英太郎議員の自伝・『太陽への挑戦』(双葉社)について、ゴーストライターの豊田行二が翌年に『小説・糸山英太郎 太陽への挑戦者』を『オール読物』(文藝春秋)に発表して代筆を暴露するという事件があった。元の本は一年半で50万部を売り上げるベストセラーであり、双葉社の怒りは相当なものであった。中堅幹部は、次のように語っている。「『太陽への挑戦』は糸山・豊田・双葉社の三者共犯から生まれた“鬼っ子”なんだからね、三者とも恥ずかしい行為をしているわけなんだよ。だから、それは公けにすべきではなく、棺桶の中まで持って入る“秘密”でなくちゃいけない」。

出版界では長らく暗黙の了解の存在だったゴーストライターという仕事を、広く公然化したのはKKベストセラーズの創業者・岩瀬順三である。

1982年11月17日にNHK教育テレビで放送された『NHK教養セミナー』「現代社会の構図ー出版界最前線」第2回〈ベストセラーを狙え〉に出演した岩瀬が、当時同社から出版されてベストセラー第2位だった江本孟紀の『プロ野球を10倍楽しく見る方法』に関して、アナウンサーが「この本も、原稿をまとめたのは、実は出版社だという話です」と言うと、岩瀬は「書いたか書かないかでなく、誰の本.....山口百恵の本、江本の本ということが重要だ」と前置きをして「ゴーストライターによってつくろうとも、なまじ本人が書いて拙い文章の本をつくるより、言わんとすることを正確に、より読みやすく面白く書いてもらったほうがいい。江本孟紀の書いた本を売っているのではなく、“江本の本”を出しているのだと判断してもらいたい」と発言した。

これは、当時のゴーストライターに対する強い批判に岩瀬が回答し、ゴーストライター必要論を強調したものであった。『プロ野球を10倍楽しく見る方法』は、220万部という記録的な売れ行きとなり、以降のゴーストライターブームをつくったと言われた。その後、この手のタイトルと本作りのスタイルは他社にそっくり真似られ、20世紀末にはすっかり定着している。こうした手法を編み出したのは岩瀬ではなく、光文社のカッパ・ブックスの創始者・神吉晴夫といわれる。それまでは、著者が書いたものをそのまま本にするというのが一般的な傾向であったが、神吉が「編集者と著者の共同作業」という出版メソッド・すなわち、編集者がテーマを設定して、企画力を発揮し、編集者が徹底的に注文を付けて書かせるという「創作出版」・著者と共に共同製作を行う「出版プロデューサー的出版社」を編み出し、岩瀬の手法はこれを進化させたものであった。

ビジネス書や実用書ではゴーストライターの起用が当然となっている出版業界であるが、近年は小説などの分野においてもゴーストライターを使う例が見られる。例として、元・ライブドア経営者の堀江貴文による小説、『拝金』と『成金』があげられる。
小説におけるゴーストライターの起用は、出版業界でもグレーゾーンにあたるらしく、普段はゴーストライターの起用を隠さない堀江もこれに関しては、口を閉ざしてコメントを拒んだ。有名人やタレントの名を借りた本が売れる現状の中で、出版業界のなりふり構わぬマーケティング手法には疑問が呈されている。

他人の手を借りて制作するという例でいえば、ノンフィクション作品や推理小説では取材や事実確認といった、いわば下調べ作業はデータマンの手に任せ、ライターはアンカーマンとして作品を書くだけといった分業体制を取っているケースは多い。例として、松本清張や猪瀬直樹の名前が挙げられる。本人が書いている場合は、ゴーストライターとは言いきれない。また本多勝一は、口述筆記を使用していることを公言している。翻訳出版の分野においては、下訳というかたちで下積みの翻訳家が先におおまかな翻訳をつくることがよく行われている。特に翻訳者として名前が出るのが、作家やタレントなどの著名人である場合には、下訳の重要性が増す。

漫画の分野では、漫画原作者やシナリオライターなどが何らかの理由により、表には名前を出さずにストーリーを手掛け、作品自体は漫画家のみの名義で出される・あるいはストーリー作りへの低評価が原因で中位辺りで伸び悩む作品へのテコ入れ策として編集部がシナリオライターを途中参加させるなどの形で、多くはストーリーの構成の面においてゴーストライターの存在が噂されることがある。編集部サイドや担当編集者の強い主導により作品企画が進められるスタイルの雑誌の場合は、キャラクター設定や物語の概要のみならず、ストーリー制作の実権をも編集部や編集者が握ってしまうこともある。このような場合、編集部の内部でストーリーを考案している雑誌スタッフや編集者が、実質的なストーリー担当者となる。そういう場合であっても、編集部・編集者が原作者や脚本担当としてクレジットされる例は実際にはあまりなく、多くはゴーストライターと同様の形態になる。
ただし、編集者も漫画家も自分がストーリーを考えたと思っているケースもあり、どちらが『原作者』であるかという判断は外部からは難しい。両者の言い分が反する場合には、原稿を描いている漫画家の言い分に理があるといえる。また、漫画の場合はアシスタントを使って人物以外の背景やメカなどを描かせるといった分業体制による作画は日常的に行われているが、これらに携わるアシスタントらの名前も通常はクレジットされない。ただし、最近は浦沢直樹や松田奈緒子や佐藤秀峰など一部の漫画家において、単行本では編集者も含めたスタッフ名をすべて表記する流れが見られる。

レアケースではあるが、文字を書くことが困難、あるいは翻訳作業などが必要な外国出身者が本を出版する際、事実上の代筆担当者としてゴーストライターが起用される事もある(口述筆記)。この場合には、著者や出版社がゴーストライターの起用を自ら明かす事もある。著者が視覚障害者の場合は、述筆記でもなければ多くのケースで代筆担当者が存在し、点字などからの変換でも広義の意味で代筆に該当する作業となることがあるが、代筆担当の名前を出さない場合にはゴーストライターと同様の存在になる。

ゴーストライターの契約と報酬の支払い形態はさまざまであり、著者印税の一部をもらう歩合制となることもあれば、原稿料で買い切り制のこともある。長嶋茂雄や王貞治の本の場合には、本人が6でライターが4の印税比率だったという。

放送業界

放送業界では、主にテレビドラマ・テレビアニメの脚本家について、ゴーストライターにまつわる噂が少なからずある。

以下にその例を挙げる。

脚本家の身近に別の執筆家がいる場合には、その執筆家が実制作を担っている。

ベテランの脚本家が、弟子筋に当たる若手脚本家や見習いの育成の一環として、自分名義の仕事を任せて実作業を行わせる。実際に名前が出る脚本家の方では、品質・内容のチェックと修正を適宜行う。

テレビ局のプレゼンで番組企画を通すために、著名な脚本家の名前を表に出し(いわゆる『名義借り』)、実際の執筆は別の脚本家が担当する。グレーな手法ではあるが、著名な脚本家の『ネームバリュー』をマーケティング的な観点から活用したい場合などは、名前を「監修」としてクレジットされる一方、別の脚本家が執筆した内容や世界観をチェックする役割を務める。

実例としては、2008年のNHK大河ドラマ『篤姫』での、脚本家田渕久美子担当分の脚本についての件がある。実際には、シリーズ後半から「脚本協力」としてクレジットされた田渕の兄であるコピーライター田渕高志が、シリーズの当初から事実上のゴーストライターを務めていたのではないかという疑惑が存在している。
田渕久美子を巡る民事訴訟の法廷でも、田渕の元関係者が、高志が事実上のゴーストだったことを証言している。

概要出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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