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note審査員からの創作大賞2022総評まとめ など。

「創作大賞」の結果発表が出たので、これをまとめてみました。私も駄作を数で出していたので、気にしてましたので書評など書いてみました。

総じて過不足ぎみ、特にこれといって目立った作品はなかった、というのが各パトロンの所見でした。今回の該当作品を読んでいないので、私からどうこう云うことはできません。
ま、入賞者の皆さんについては、さにらステップアップしてトライしてもらいたいと、ここでご祝辞申し上げます。

さて、そこに何を書いて世間社会になにを問うのか、そのアンチテーゼとは

いつも思いますが、全国書店(世界傾向)の閉鎖、シャッター通り浸食で、既存の商圏が崩壊している。当然の結果として、そこから職を失った人たちはは、どこに行くのか、また、それはあるのか、という問題提起でした。

この「創作大賞」に限って云えばそこに「作家」を目指して書いている訳で、あわよくば、メディア注目のクリエイターとして、売名したい、というのが本音ではないでしょうか。
作家(小説、漫画)になる、またなりたい、という意見をnoteでよく耳にします。で作家になって何を書くのか、という話しはあまり訊かれません。
勿論小説ですから、内容は千差万別ジャンルに限定なし、ですが、かりに推理小説にしても、゛刑事もの゛にしても単なる犯人推理劇では、誰も読まないでしょう。そこに何が隠されているか、という作家のセンスが問われるからです。

また小説作家セールスの実態を考慮したとき、はたして売れない書籍事情(すでに新聞が瀬戸際)の中で、どうやって作家アーティストをアピールするか、という出版社の運命根幹問題もある。

ネット上の話題としてはYouTuberなど、話題というより物議先行型で、話題をとっているというのが実情でしょう。

もちろんその世代層をフォーカスすれば、難しい政治や経済、今話題の東サイドの紛争など、スルーして、そのYouTuberに腐心するのでしょう。
そのスタイルは、全国どこでも展開していて、スマホ片手に、場所をわきまえずフリーズしている姿は、だれも止めようがない。
だからそれは一時代の断片であって、良し悪しの問題でなく、そんなことが
あらゆる場に反映している、と換言できないでしょうか。

そうしたことが、このnote「創作大賞」に影を落としている、と私なりに分析しているのですが。

あの太宰治が「〇×賞」を懇願した逸話話は有名ですが、歴史的作家であっても、まったく無名で、清貧時代もあった。

太宰治著「走れメロス」ですが、舞台はギリシア、パルテノン時代だと勝手に連想しますが、もともとは熱海の旅館にたて籠っていて、酒代が切れたので、東京まで借金を頼むのに、投宿先に担保(作家仲間、誰だった忘れた)をのこして、「おれはそんなことをしてていいのだろうか」と思ったプロットのモチベーションで、後世にのこすその小説を書いた、という後日談です。

そのような話は、むしろ「あとがき」を先に読んでしまい、本題より、そちらの核心部分にすごみがあった、というデジャブ既視感みたいなものです。

それで、そうした諸々が数万の応募策に反映しているという見方は、また違った意味で読み込める。それで、そんな例題として昨日読んだnote記事を拾って説明してみましょう。

HANA💐 シングルマザーが今日も行く。
https://note.com/hana_x1_k3/n/n6802da960ab0
三姉妹のシングルマザー。専業主婦から会社員へ。仕事に育児にやらかしながらも突き進む毎日。~より

その記事コメント 2022年4月29日 06:24
極論、ですが賛同したい意見です。でも現実問題として敗戦国日本国9条があってアメリカを超えることはできない。きのう(28日夜)報道テレビに出ていた桜井よし子氏が、西側は話し合いで解決したらいい、という視聴者の意見に対して、そんな荒唐無稽は通用しないと批判した。これも現実です。そしてそこにのこされた道は、「最後通牒」に向かっている。危険、とっても危険な択一選択肢という動機は、どちらも辞めないという偉丈高で突き進んでいるからです。それは過去の戦争歴史の方法論を踏襲している。**

その詳細は、検索urlで読んで頂いて内容を精読してください。

かりに、その行為が世界平和を脅かす行為であって、一個人としてどうすることもできない、唯々諾々(西側だったり)のロジックに勝ることはない。

ましてや、そんなことを論じるメディア言論世界が意図的に封じられるということはまさに封建君主世界に逆戻りしてしまうからです。

昨今のSNS論争で、マスク氏が放ったツイッター買収劇は、そのことの機微を端的に顕わしていたようです。その本人が、もっとも懸念していたのが「アルゴリズム」でした。

その詳細は省くとして、サイト主(運営者)のさじ加減によって、言論が一方的にゆがめられるというのは、由としないというロジックです。

このSNSという媒体は一見、自由であるがのごと信じられているようですが、一昔前の新聞テレビがしていたような「プロパガンダ」と、なんらな変わらない性質を持っているといっていいでしょう。

旧い話ですが、フランスのある小さな出版社がイスラムを揶揄した風刺漫画が標的対象にされ社員全員が乱射によって死亡した。ときとして、言論は、それほど人の癇に障る文言であり、最悪の結果を招く。

また、冒頭に表示した「HANAさん」の記事ですが、「日本の〇〇兵器保有」という件は、ややもすると隔靴掻痒、触れたくないアンタッチャブルな問題として、国内政治問題として長い間タブー視されてきた。

そうして延び延びにされてきた重要問題が、いま、違ったモチベーションによって、社会レベルでその個人は思案し堅持しなくてはならないという切羽詰まったタイトロープに追い込まれたわけです。

そのことは日本の言論が、だれかれと云わず、云ってはいけない、触ってはならない「村落に棲む祠神」のごとく、不文律として封じていた鬼門ともいうべき難題が、頭をもたげて復活した、という「いまの座標」であると感じるからです。

それは極端な例ですが、言葉優しく甘い言葉であっても、体内で、どんな反応をするのか食ってみないと判らないという代物なのです。

そのことが、皆さんの書く小説や漫画や、エッセイ、コラム、寸評など、そうした未知のウイルスゲノムみたいな中に紛れ込んでいる、と評してみました。

note創作大賞 その解説

・発表:2022年4月28日(木) 応募作品はすべてnoteで公開かるオープンな賞。
・規定:応募は1人1作品限定
・審査員:KADOKAWA、幻冬舎、ダイヤモンド社、テレビ東京、note

note創作大賞 新たな才能を見出すとともに、すべての応募作品が読者と出会うチャンスがある、インターネット時代の新しい賞を目指して開催。受賞作品は、協力各社と共に書籍化・映像化を目指します。

kADOKAWA
マンガから2作品を優秀賞に選出した。両作に共通しているのは、商品として勝負できるクオリティとオリジナリティ。続く入賞作として、投稿作自体には改善すべき点はあるものの、クリエイターとして今後勝負できる可能性が感じられたものを選出した。一方、選出を見送った大賞作については、一定のクオリティはもちろん、「noteならではの図抜けた才能」といえる投稿作を求めていた。他にも作品を発表できるプラットフォームや新人賞はある中で、今回は第一回目の試みということもあり、「note創作大賞」を代表する作品として特定の作品を強く推すことは見送る、という判断になった。

幻冬舎
幻冬舎並びに幻冬舎コミックスからは優秀作品賞に1作品、入賞に3作品を選出。読み応えがあり書籍化を目指せると判断したもの、作家さんのポテンシャルの高さ等が選考基準となった。満場一致で大賞に推せる作品はなかったが良作も多く、入賞作の数に表れている。また書籍化という枠にはまらなくとも、noteという自由な場所だからこそ出来た発想の写真構成、エッセイ、経験談も多々あった。今後さらに読ませる、伝える意識を持って自分の情熱や経験の披露、創作を続けて欲しい。

ダイヤモンド社
クオリティが高く、読み応えのある作品にあふれ、作り手・書き手としての才能を感じる人が多かった。
今回「優秀作品賞」として選出したのは2作品。両作品には「読者に楽しんで最後まで読んでもらおう」とする真摯な姿勢が突出していた。コンテンツとして面白いのはもちろん、思わず次ページを読みたくなる展開の妙や説得力のある画像の挿入など「読ませる」工夫があったことを評価した。
圧倒的なコンテンツの力を感じさせる「大賞」候補は出なかったものの、時代の動きを捉えた質の高い作品は多く、「入賞」作として推した。
出版社の命ともいえるコンテンツ創作の場として、今後この「note創作大賞」がさらなる発展を遂げることを願っている。

テレビ東京
ショートでクスッとさせる柔らかい読み物から、生活や業務に役立つような情報性の高いコンテンツ、大変読み応えのある長編小説まで。予想を上回るバリエーションと投稿数、そしてクリエイティビティと出会い続けた怒涛の審査期間でした。
その中で今回、テレビ東京は映像化の可能性、とりわけ「有望なドラマ原作と出会いたい」という観点で作品を拝見しました。

大賞は「該当なし」となりましたが、優秀作品賞・入賞のいくつかの作品は「今後の可能性あり」と考え、推させていただいております。配信コンテンツ化も含め、時流に合った展開を受賞された皆様とご相談してまいります。
改めてご応募下さったクリエイターの皆様に敬意を表します。ありがとうございました。

note
今回寄せられた16,848件もの作品は、小説、マンガ、エッセイ、コラム、脚本、イラスト、写真、料理、ゲーム、ビジネス、スポーツ、動画、音声……ジャンルも形式も多様で、たくさんのクリエイティビティにあふれていました。読む上で大切にしていた視点は3点。①その人にしかつくれない作品であること、②書籍化や映像化などその先の展開が思い浮かぶものであること、③作者の創作に対する"熱"を感じられる作品であること。

優秀作品賞の6作品は、いずれもその3点を十分に満たしている作品です。各社からも書籍化・映像化の可能性があると推薦いただいたため、当初の3名から枠を広げ、6名を受賞とさせていただきました。上記3点に加え、「これは新しい!」と思えるものを選出したいと考えていた大賞は、残念ながら該当なしとなってしまいました。しかし、優秀作品賞・入賞のいずれの作品も、読み応えのある作品ばかりなので、未読の方はぜひご覧いただければと思います。最後になりましたが、ご応募くださったすべてのクリエイターのみなさまに、心より感謝申し上げます。次回以降の「note創作大賞」にもご期待ください。


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