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「パインズの悪魔」「桑中之歓」は千夜一夜の夢物語りか

桑中之歓『そうちゅうのかん』男女が密会する喜び。人の妻妾をもてあそぶ楽しみをいう。『詩経』の”桑中”は、桑畑の中での若い男女の逢引きの詩である。桑摘みの解放された雰囲気が、男女の接触(究極性交)、誘引のチャンスであり、また桑の木の下が野合の場所でもあった。『左伝』成公二年、『詩経』縄風・桑中。jlogos.com/

そんな四字漢字を調べいたら、なんの拍子か浅田次郎のコラムサイトがあって、ついつい、それを読んでみた。

浅田次郎がいとこの”ヒロシ”から教わった「やさしさと強さ」
2023年6月3日 / コラム 
ミッちゃんはきっと父の死を察知して、自分の意思で心臓を止めたのだろう、と。どれもまちがいではあるまい。だが私は、釈然としなかった。どうして親子の心臓が、一緒に止まってしまったのだろうか。
辞去するとき、2人の亡骸(なきがら)と対面した。ヒロシの死顔はまことに安らかな、満たされた表情であった。ミッちゃんの顔も同様に幸福そうであったが、その片掌(かたて)に収まりそうな小ささは、明らかに生命の限界を感じさせるものであった。
そのとき、私ははっきりとこう思った。医学的にはとうに終っているはずのミッちゃんの生命を、あらん限りの愛情をもって支えていたのであろう。そして、その死がついに支えきれぬところまで迫っていることを感じたあの夜、心のそこから、娘とともに逝くことを祈ったのであろう。天が、その真摯(しんし)な祈りを聞き届けたのである。
そうでなければ、46歳の男の死顔があれほど安らかなはずはない。病み衰えた少女の死顔が、あれほど幸福そうなはずはない。ヒロシとミッちゃんの顔は、温かな湯舟の中で見つめ合うかのように、微笑(ほほえ)んでいた。

浅田次郎の名エッセイ より


それを要約すると、浅田氏の従兄弟のひろし(46歳)と、その娘(重度障害者17歳ミッちゃん)が、ひろしの介護もむなしく、ほぼ同時期に亡くなったという、悲しい家族の話を浅田氏がエッセイにまとめた、という記事だった。

著名人(人気作家)の書いたエッセイだから、やはりそれなりに説得力があって、ナミダなしには語れない筋書きになっていた。

それで今日は、特筆すべきニュース二項目を、書こうと思うが、どちらも重いテーマなので、別々のページで載せることにした。

一つはアニメ映画「火垂るの墓」(野坂昭如 作家故人)が、すっかりなりを潜めてみなくなった、という話題だった。
■終戦記念日の15日、X(旧ツイッター)には「火垂るの墓」の関連ツイートが飛び交っていた。なかでも目立っていたのは、「火垂るの墓やってないな」「火垂るの墓っていつから金曜ロードショーで放送しなくなったんだろう」「火垂るの墓何でテレビで放送せんなったんやろうな不思議や」という声。実際、アニメ映画『火垂るの墓』は高畑勲監督の追悼放送だった2018年4月を最後に約5年4ヵ月間、放送されていない。引用

これは、先日書いた「はだしのゲン」の戦争物語と、ほぼ同じ内容のもので、何れもメディアから、消滅の運命にある、というある意味では風聞であり、このまま行くと、何れなくなるというのは自明だった。

そこに記事では、やはり視聴率という抗しがたい厳しい現実があって、お人よし慈善事業にスポンサーは付かない、というありきたりの舌鋒だった。
そんな結論を聴くたびにいつも思うのが、公知良俗の性格を持ちながら、「やる度に赤字」など、経営の圧迫だから閉めろ、という論理は、赤字路線廃線と同義語で、誰のための公共施設だったのか、というロジックだった。

多分、そんなことばかりしているとガーファ的金満族支配経済になって、大都会の中、1キロを移動するのに、あちらは数千万円の高級車で走る、一方の99パーセント庶民は、徒歩かチャリか、電車バスは運よく運行ルートがあればラッキーだが、たいがい、そんな運に巡り合うことはない。いずれ、そうなる。

ですから、その「火垂るの墓」「はだしのゲン」が、なくなると云うのは、その警告ランプが点滅していて、われわれに知らせている、と云うことなんだろうと思います。

そしてもう一つ、西洋サイエンスの金字塔と云うべき「超伝導体」ニュースです。

2023年08月19日

京大チームが超伝導体で「ノーベル賞級」成果

幻の常温常圧超伝導ニュースを超えた! 京大チームが超伝導体で「ノーベル賞級」の大発見か
2023年08月18日(金)15時20分 newsweekjapan.
LK-99は「エネルギー問題の解決の糸口になる」と期待されたが…(写真はイメージです) Rokas Tenys-Shutterstock

<韓国チームの開発したLK-99について、科学界は「常温常圧超伝導体は幻だった」と結論づけている。そんななか、67年前に予言され、理論上だけの存在だった「パインズの悪魔」を京大教授らが観測。ノーベル賞級の研究成果が発表された>

韓国チームが世界初の常温常圧超伝導体(超伝導物質)と主張する「LK-99」は、7月末に発表されて以来、「世紀の大発見か?」と世界中を巻き込む大論争になりました。「本当だったらノーベル賞級」「エネルギー問題の解決の糸口になる」とされ、超伝導体関連の株式市場まで動きましたが、世界で最も権威がある科学学術誌の一つである「Nature」は16日、オンライン版で「韓国の研究チームが開発したLK-99は常温常圧超伝導体ではない」と報じました。「常温常圧超伝導体」は、もともと韓国チームが査読前の学術論文が投稿できる「arXiv(アーカイヴ)」に「作成に成功した」とする2本の論文を公開したことが端緒でした。中国や米国、欧州、インドなどの研究者らはすぐに追試に取り掛かり、初期には数値計算によって「理論的に不可能ではない」とする結果も得られました。ところが9日に「LK-99には超伝導性がない」とする論文が次々とアーカイヴに掲載され、一気に旗色が悪くなりました。 引用記事 詳細は別ページにて


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