出産思い出日記② ~無痛分娩最高!~

6月5日(続き)

 無痛分娩、それは、君がみた光。僕がみた希望……。

 麻酔の管、点滴、浣腸が入って準備オッケー状態になってもまだこれから産む現実に実感がなく、いやまじでこれ一旦帰される可能性あるでしょ……と思いながらも出産は進む。
 ていうか陣痛の最中浣腸されてトイレに死ぬ気で行くのしんどい。

 定期NST。
 体勢の問題(仰向け)なのか、わたしの身体の問題(そもそも背骨の形がよくなく、妊娠前から腰痛と坐骨神経痛がある)なのかわからないが、とにかく腰が痛い。
 あと点滴を固定されているテープがきつすぎて地味に痛い。
 このテープのせいで点滴の管が圧迫されまくったからなのか、点滴が外れた後に、針を刺していなかった箇所が、擦っても落ちない血の塊のかさぶたみたいになっていた。なんで……。

 NSTが終わり、仰向けから横向きにしてもらえ、腰はマシになるが陣痛が強くなる。
 無痛分娩とはいえ、ある程度陣痛が進んでから麻酔を入れるため、この時点では普通に痛い。
 わたしは痛すぎると、饒舌になったり、どうしようもなくなって笑ってしまったりするんですけど、そういう人生を歩んでいると「まだまだ余裕だね~(笑)」とか助産師さんに言われてしまって、悲しい思いをする……。

 出産の痛みは陣痛の痛み。……と思っていたんだけど、ちょっと違った。
 陣痛ももちろん痛い。が、陣痛がきている時に行われる触診が、陣痛の向こう側にある痛みであった。
 ただでさえ痛い陣痛のさなか、子宮の開き具合を確認するために手を突っ込まれ、更に子宮の開きがよくなるよう、問答無用でぐりぐり押されるのだ。しんじゃうよ!?


 ……ここまで打ってから5ヶ月くらい間が空いてしまい、正直記憶とテンションが薄れているけど続けます。

 子宮の開き具合がある程度進み、麻酔を入れてもらえる。
 と、めちゃくちゃ余裕状態になってきたので、やはり痛くないというのはそれだけで正義である。
 余裕なのでスマホもめちゃくちゃいじっていた(余裕じゃなくてもいじっていた)ので、ログを見返してみると、麻酔が入ってからずっと「腹が減った」とぼやいている……。運良くはやめに産めれば「おやつくらいなら食べられるかも」と助産師さんに言われ、それを心の支えにしている。本当に食い意地が張っていて困る。

 陣痛が麻酔をこえてきたり、麻酔を追加してもらったり、麻酔で余裕のあまりうとうとまでしだしたりする。うとうとしたら良い陣痛がくるって、医師か助産師さんに言われたし……。子宮の入り口が7~8cmまで開いたところで、ストレッチャーで分娩室に連れられる準備がはじまる。
 9cm、陣痛が麻酔を超えてくる!追加される!その繰り返し。麻酔も陣痛促進剤も効きがよく、さまざまな人に褒められてちょっと調子に乗ったりする。薬物に素直な肉体で助かる。

 いざ分娩室へ。寝ながら廊下を運ばれるの、ちょっと愉快。
 痛みはなく意識もはっきりしていて余裕だったが、自分で撮影するのはやめておく……。なんか気が散りそうだったし、自分の視点からだと天井と医師助産師しか見えないので、絵面的に面白くなさそうだったので。

 無痛分娩だと麻酔が効いているため、いきみ方がわからず分娩が大変。……みたいな話を聞かされていたが、麻酔で感覚がわからないというより、単純に非力すぎて全然出てこない。し、あまりにも力むと自分の血管が切れそうで怖い……。会陰、切りたいとか切りたくないとかは無かったが、普通に切られる。麻酔が効いているので痛くはない。

 じんわりじんわり子の頭が外に出ようとはしているが、決定打にかける。「髪の毛が見えてきたよ!」と言われたので、鏡を使って見せてもらうと、血まみれの頭皮(髪もじゃもじゃ)がこんにちは~しており、普通に怖い。ホラーの絵面だよ。

 40分かそこら?格闘したあと、これはもうみんなでお腹を押すしか無い、となり「○○先生じゃないと無理!」との要請と共に、男の先生が投入される。お腹を押すとは?と思いながらも、指示通りにいきむと、THE 物理!という感じでめちゃくちゃ上からお腹を押される。グーで超絶グリグリの刑。えっ、そんな感じでいいの!?いや普通に痛いししぬ!!戸惑う母体をよそに、スポンと息子が出てくる。そんな感じでよかったらしい。

 おめでとう!と祝われる最中、前振り無しでいきなり息子を胸元に乗せられてビビる。なんか言ってからにしてくれ……。そしてその状態で記念の写真を撮られる。なんか言ってからにしてくれ!!


 ご時世で立ち会えなかった旦那に報告し、2時間くらいは分娩室でこのまま動かずに安静にしている必要があるらしく、胎盤の後処理をされたり、会陰を縫われたり(麻酔がまだ残っていたので全然痛くなかったのでラッキー)、助産師さんがとっておいてくれたおやつを食べたりして過ごす。おやつ、シフォンケーキだった。めちゃくちゃ美味しくてうれしい。

 せっかくだし……と思って胎盤の後処理をされているところを写真に撮ってもらったんだけど、なかなかのグロ画像であり、スマホの写真一覧で目に入るたびにビクッとする羽目になる。が、消すに消せない……。せっかくだし……。せっかくだしで身を滅ぼしている気がしないでもないが、せっかくなので……。


 会陰は麻酔が切れてきたら痛すぎて虚無だったんですけど、実際は会陰でなく血止めに膣に突っ込まれてたガーゼが痛かっただけだったり、カテーテルで一晩寝たり、個室の予定が翌日からになったり、歯磨き用の水がなぜか氷水だったり、悪露やばマンモスで震えたり、なんかずっと逆上がりができなくて居残りさせられてる小学生の気持ちになってしまい、退院前日逆ギレ号泣して助産師さんにめちゃくちゃ心配されるなどしましたが、なんかもう既に遠い……(まだ半年やで)。

 とにかく自分としては無痛分娩最高!いや逆に無痛じゃなかったらどうなってたんや……という感じのお産だったのだった!

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