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DTM微課金勢の僕がお勧めしたい無料プラグインまとめ(エフェクト,ツール編)


前置き

こちらの記事は続編というか、長くなってしまったので分ける事にした記事ですので、よろしければ前編に当たる音源編もご覧いただけると幸いです。

エフェクト、ツール編と題しましたが、MIX、マスタリング作業はDTMの作業の中でも僕が最も苦手とする分野です。
なので、こうすれば良い等の解説はできません。あくまでもプラグインとその機能の紹介です。

加えて、アナログモデリング系のプラグインはその色付けが人によって大きく好みが分かれる所だと思うし、僕自身アナログ感に関してめっぽう疎く
「なんかいい感じになった」程度にしか感じる事が出来ていないので今回はお勧めとして取り上げません。

しいて言えば無料アナログモデリング系のプラグインは 
analog obsession さんが充実しているのでそちらを見ると幸せになれるかもしれません。

コンセプト

MIXやマスタリングにおいては最終的には自分の耳で判断するしかないと思いますが、僕の様に苦手な人や不慣れな人にとっては視覚情報はとてもありがたい判断材料となります。
なので、コンセプトとしてはなるべく特化型でシンプルな物や効果を視覚的にも認識しやすい物を厳選して紹介したいと思います。

EQ

EQに関してはDAW付属のEQで満足できなくなった人はFabFilterさんの Pro-Q等に手を出す事になるとは思います。超高機能のようですがなんせお高いのでDTM微課金勢には手が出しにくいんですよねぇ。

そんなEQですが、みんな大好き  izotope さんから最強無料EQと言っても過言ではない OzoneEQ がリリースされました。
選択した帯域をソロで聴ける機能は耳障りな音の帯域を特定するのに便利です。M/S処理にも対応しています。
特筆すべきはトランジェントとサスティンに分けてEQ処理できる所がユニークと言えるでしょう。

僕が普段使っているのは MeldaProduction さんのフリーバンドルに含まれている MEqualizer です。割と定番の部類になるとは思います。
こちらも選択した帯域をソロで聴ける機能があります。
加えて、スペクトラムアナライザとは別に波形をリアルタイムで表示する機能があるのでEQ処理した事によって波形がどのように変化したかを視覚的に捉える事が出来ます。

リアルタイムで波形表示

ユニーク機能としては特定のQポイントの倍音帯域をまとめて選択して操作できる所でしょうか。ですがこちら、課金しないとプリセットの保存ができません。

個人的にはEQで複雑な処理をすることは滅多に無いのですが、こちらのEQも多機能です。
lkjb さんの QRange です。

QrangeのUI
  • Qポイントを最大12個まで配置できてそれぞれにQの形状も選択可能

  • Qポイントそれぞれに作用する所をMid,Side,Stereo,L,Rから選択可能

  • リニアフェイズ(位相の歪みを押さえる)モード搭載

  • アナライザ搭載

  • ゲインマッチ搭載

とおおよそデジタルEQに求められる機能は網羅しています。
但し、リニアフェイズにするとその分処理は重くなります。
マシンパワーによってはブツブツとノイズが出てしまうので注意です。

コンプレッサー

こちらも各社から様々な製品がリリースされているエフェクトですよね。
コンプレッサーはフリーでも割とアナログモデリング系のプラグインが多いですが、僕が普段使っているのはEQと同じくMeldaProduction さんの
MCompresser です。割と定番だとは思いますが超お勧めです。
殆どのトラックにMEqualizerとセットで脳死で挿す程に使っています。

一般的なコンプレサーの機能は有しており、コンプによる色付けが無く、サイドチェインにも対応。
やろうと思えば変態的なコンプレッションカーブもカスタムできるようですが、このコンプの特筆すべき点は
アタックタイムとリリースタイムが 0ms にできる点と MEqualizer と同じく
リアルタイムで波形表示できるので、原音と比べてどのように圧縮されたかを視覚的にも捉える事が出来る点だと思います。

圧縮具合を波形で表示

特にアナログ系のコンプだとメーターは付いてても自分の耳を頼りにする比重が大きく、どういった処理が行われているか把握しづらいと思います。

昨今ではUVIさんやSoftubeさんから高級アナログモデリング系のコンプレッサーが期間限定で無料配布されるなどして話題になりましたが、こういったデジタルコンプも1つは持っておいて損は無いと思います。

但し、こちらも課金しないとプリセットが保存できません。
とはいえ、DAWの機能でトラックテンプレートにする等代替手段があるので個人的にはそこまで大きな問題とは捉えていません。

リミッター

リミッターも探せば色々出て来るのですが、トゥルーピークに対応している物は多くありません。対応して無い物は設定したスレッショルドを瞬間的に超える時があります。そこまで神経質になる必要は無いのかも知れませんが、音割れの原因やラウドネス値に影響があるかもしれないのでやっぱり気になっちゃいますよね。

そこでお勧めしたいのが Press Play さんの Wave Breaker です。

波形が表示される

こちらのリミッターはリアルタイムで波形を表示できて直感的に操作ができます。トゥルーピーク対応です。
僕は瞬間的にダイナミクスが大きくなりやすいドラムバスやマスターに挿す事が多いです。

トランジェントシェイパー

無料のトランジェントシェイパーでは Wavesfactry さんの flash がシンプルで使い易いです。UIもおしゃれ。
こちらのサイトでは低音を強化する SK10 やドラムのスネアのスナッピーの音を付与する Snare Buzz など他ではあまり見かけないようなユニークなプラグインが配布されているのでチェックしてみて下さい。

もう1つお勧めしたいトランジェントシェイパーが AUBURN SOUNDS さんの Couture Free Edition です。 

強調された部分が赤く表示

こちらのプラグインは波形が表示され変化した部分が赤く表示されるので、何処が強調されたのかを視覚的に認識できるような設計になっています。

フリー版ではサチュレーション機能は制限のため使用できませんが、サチュレーションについては別のプラグインで付与しても問題ないでしょう。

エキサイター/サチュレーター

シンプルなUIで効果が分かり易いエキサイター
Slate Digital さんの Fresh Air 
プラグインの説明には高域に透明感をとか空気感をとかありますが、正直言葉で書かれてもピンときません。
でも、挿してみてつまみを回すと分かり易い変化をします。

高域に煌びやかな、なんかいい感じにしれくれる

また、同社で配布されている Heatwave もワンノブで分かり易い効果を付与するサチュレーションプラグインとなっていますのでそちらもチェックしてみて下さい。

ステレオイメージャー

無料ステレオイメージャーで有名なのはみんな大好き izotope さんの
Ozone Imager V2 ですね。こちらもシンプルな操作で視覚的にも効果が分かり易いプラグインです。

そして、僕が強くお勧めしたいのはこちら
POLYVERSE さんの WIDER V2.0 です。
ヴァージョン2になって低域を広げないつまみが付きました。

漢らしいUI

もうこれは広げる事に特化したプラグインなのでそれ以外のことは出来ませんが、とにかくめっちゃ広がります。
左右に100%パンを振ったトラックもそこから更に広がります。
僕の場合はダブリングにしたギターバッキングのバストラックには脳死で挿しています。

アナライザー

無料のアナライザーでは Voxengo さんの SPAN が有名で、使っている人も結構見かけます。
こちらのプラグインはミッド、サイドを色分けして表示したり特定の帯域だけ視聴したりできて高機能なのですが、無料版が同時に表示できるスペクトラムは2つだったと思います。

そこで、今回お勧めしたいのが Tokyo Dawn Records さんの TDR Prism
です。

4トラック迄表示可能

こちらのプラグインはプラグインをインサートしたトラックを最大で4つ迄同時に表示できるので、帯域被りの確認に非常に便利です。
先程紹介したSPANの有料版でも同様の事が出来ますが、無料でここまでできるのは有り難いですね。

ツール

個人的に使用頻度の高い手放せないツールを2つ紹介します。
記事も書いているのでよろしければそちらも読んで頂ければ幸いです。

Nyk2さんの Genkhord

コード進行支援ツールGenkhord

こちらは基本的にはスタンドアロンのアプリケーションなのですが、仮想MIDIケーブルかVSTを介してDAWと連携できます。
コード進行を考える際に便利な機能が満載のツールです。
個人的にはギターコードのボイシングを調べたりするのにも重宝しています。
以前にこちらのツールに関しての記事を書かせて頂きました。

そして、こちらの使い方について開発者様も絶賛の非常に分かり易い解説動画を見つけました。


うつぼかずらさんのUtsbox MIDI Tool2

ギターストローク生成MIDIエフェクト – Utsbox MIDI Tool2

こちらはギターコードのストラミングやアルペジオの入力を簡単に行えるプラグインです。MIDIイベントを音源に送信する方式なので、どんな音源にも使用できます。こちらも以前に記事を書かせていただきました。

僕も動画を作成させて頂きましたが、最新版の解説で分かり易い動画を見つけました。特にStudio One ユーザーの方はこちらが凄く参考になると思います。

さいごに

いかがだったでしょうか?
前編後編とあわせてかなりなボリュームになってしまいましたが、最後まで読んで頂いた方、前編も読んで頂いた方、お疲れ様でした。
ありがとうございます。

昨今は無料プラグインも充実してきたのであまりお金を掛けなくてもDTMが楽しめる良い時代になりました。

また、世界中に無数に存在する無料プラグインをお宝探しするのも、それだけで楽しいものです。

読んで頂いた方の何かしらの参考になれば幸いです。
では、良いDTMライフを

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