自己啓発本って上手いよね

自己啓発系のコンテンツって、すごいやり口が上手いと思う。具体的に云うなれば消費者の囲い込み方だ。
これは私の自己啓発本等に持っている印象だが、これらのコンテンツって基本的に頓服薬でしかない。人が感じる不安や焦りというのは無限、終わりなどないわけで、そこへなにかの「広告」を介してもう一押し何らかプレッシャーを煽りつつセットで頓服を処方すれば先ず気になるだろう。人間というのは他を出し抜いて一歩でも、半歩であろうと他人より先へ行きたがるので、彼等の内包する諸問題への方法論(解決策等)を提示されれば、アドバイスを鵜呑みにする傾向が強い人種が買わないはずがない。実にええ商売してはりますなぁ、と言った具合だが実際問題このやり口は他界隈でも多々使われている。

どういうことか。

諸君らの行ったことのある書店の内部空間を思い出して欲しい。実に膨大な数の本が綺麗に揃えられている。基本的にジャンルや系統で隔てられているはずであり、それを頼りに絞込みをかけられるので、諸君らはその広大な本の海を彷徨わずに済むというわけだ。
ここで、だ。例えば、絵画表現やファッション、執筆。それどころかスポーツやデジタル機器の扱い方まで、ありとあらゆるジャンルに指南書と呼ばれるモノが存在する。指南書と言えば聞こえは好いものの、やり口や内情は先程の自己啓発本となんら変わりないと云っても過言ではない。

絵を上手く描けるようになりたい、オシャレに着こなせるようになりたい、読ませる文章を書きたい、競技で勝ちたい、或いはスマホデビューを円滑に進めたい。

なんだって好い。

そういった「〜〜なりたい」といった願望に付け入り購買意欲を掻き立てる手法に他ならないのだ。

それでもそういった本を買うと言うのであれば止めはしない。だが私は指南書はめっきり買わなくなったし、自己啓発系コンテンツには触れたことすらない。

私が思うに自己啓発系や指南書のように手順を一から十まで書き連ねているコンテンツというのは、それを"ただ"なぞった諸君らが生み出すものは所詮後追い、他人が先にやっていたことを真似ているに過ぎない。其れ以上でも其れ以下でもないのだ。
だから、私からは画集やファッション雑誌、小説等手順の載っていないコンテンツをお勧めしたいと思う。自分なりに咀嚼したり反芻したりなんでもいい。其処から"自分で考えて"吸収するということが重要なのだ。

踊らされるのはもう終わりにしよう。
私も、諸君らも。
とは言ってもこういうことを言っている時点で私の記事も指南書、自己啓発本程度の紙切れなんだろうな。




少しおまけ程度に。
指南書を一から十までなぞったキミ達へ朗報だ。その「原本」をキミ達なりに咀嚼しオリジナリティを加えればそれはもう「原本」ではない。キミ達のモノだ。そういう人間が増えるといいのだが、どうも世の中そうもいかないらしい。
それではまたいつか。すぐ次の記事を書くやもしれないし、暫く放るかもしれない。

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