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コムロミホ 写真展 「猫のよう」

午後から小伝馬町へ。
龍閑公園の桜は丁度満開。

ステートメント

見渡すと、青の中に島がいくつも浮かんでいる
空と海の境界線が曖昧で、すーっと吸い込まれそう
ふらっと行先も決めずに四つ足で進んでいく
日差しが暖かくて、ふと立ち止まり、海の匂いに誘われてまた歩き始める
行く先々でいろんな人が声をかけてくる
頭をぽんぽんとリズムよく撫でられて、なんだか心地がいい
「またおいで」の声とともに毛並みがやわらかく揺れている
どこに向かっても瀬戸内の優しい風が吹いている

しまなみ海道を抜けて、尾道にやってきました。瀬戸内には、おせっかいなほどに優しい人がたくさんいます。行く先々で、親切な人に出会い、いろんなシャッターチャンスに巡り会えました。尾道の猫の道に住む猫たちは、通りすがりの人たちに声をかけてもらい、撫でてもらい、とても幸せそうです。その猫たちと、瀬戸内を旅する私を重ねて、今回のテーマで写真をまとめることにしました。一期一会の出会いが旅スナップでのおもしろさです。

デジタルのプリントは門外漢なので、どんな物なのかは存じ上げないが「ピエゾグラフィーでのプリントとのこと。
白と白寄りの灰色、黒と黒寄りの灰色、更にその間の色。
諧調が豊かで非常に美しい。

みっちり情報が詰まっているが、整理されてもいる。
何をどう見せるかの整理と調整が現像だとすると、デジタルではありつつも、それは行われているのが見て取れる。

ステートメントにあるように、猫の散歩のような、気ままに歩き、立ち止まり、出会った猫を眺め、人とふれあい、また歩く。

来場者に、義務ではなく、自然な振る舞いとして声を掛け、ひとしきり話していたが、散歩しながらの撮影も、こんな感じなのだと思う。

猫にも人にも、拒まれていない。
赦されて撮っている。

機嫌のよい人は、話しかけられやすいし、話しかけることに躊躇もない。
機嫌のよい人の、機嫌のよい写真。

標準レンズで、引いたり寄ったり。
対象との気持ちの距離が、撮影するときの距離にもなっている。

晴れた日の散歩のような、心地よいひと時を過ごせた。

(2024.04.07 記)

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