西日本豪雨 復興支援チャリティ囲碁イベント

朝から市ヶ谷、日本棋院東京本院へ。

熱心な囲碁ファンでもないのに早過ぎるのも野暮だろうとのんびり構えていたらギリギリになってしまい、既にあらかた埋まった隙間に滑り込む。

今年は地震台風豪雨と災害が次から次へと起こった年になったが、日本棋院でも棋士会でも、さまざまな形で復興支援が行われており、その一環でのチャリティイベントとのこと。
(公式動画が上がっているので、こちらで全編見られます。)

囲碁を日本に齎した吉備真備所縁の倉敷(被害の大きかった真備地区は、吉備真備の「真備」)、本因坊秀策生誕の地である因島を市域に持ち、「囲碁のまちづくり」を進める尾道。
囲碁に特に関わりの深い両市へ、義援金などの目録が贈呈。

芝野虎丸七段・新井素子 vs 高尾紳路九段・戸島花 のペア碁対局は、舞台下手側で対局し、中央の大盤で解説(と揶揄と茶々入れ)。

解説
大竹英雄名誉碁聖→張栩名人→小林光一名誉棋聖→山下敬吾九段→一力遼八段→河野臨九段→依田紀基九段→片岡聡九段→王銘琬九段→二十四世本因坊秀芳

聞き手
吉原由香里六段→星合志保二段→上野愛咲美女流棋聖

尾道市を代表して来られていた方も挨拶の中で「今日は凄いメンバーのプロ棋士の方が見えられておると言う事で、自分自身も囲碁をする者としてドキドキしている」と興奮気味に話していたが、なかなかお目にかかれない豪華な顔付けであった。

あとでサイン会があるからか、大盤解説でもチョコチョコ自著の宣伝が挟まり、これがまた面白い。

割った話が戸島花を見物に行った訳であるが、(恐らく全く狙ってやっていない)新井素子先生のアイドル性に瞠目。
薄茶色のスカートに水色のブラウス、紺のブレザー。 肩甲骨の下くらいまでの髪を後ろで一つ縛りにしたメガネっ娘である。
機知に富んだ(あわあわしつつ)挨拶をし、対局中の相談コーナーでは「どう打っても大丈夫」と融通無碍な芝野虎丸七段に「端的に私はどうすれば良いんでしょうか!」とあわあわし、オークションではあまりの白熱ぶりにあわあわ。
振る舞いの凡てがチャーミングであった。

戸島花は自分の役割を心得ているので、「見られる打ち方」。
頭を掻いたり抱えたり、首を傾げたり。 伸び上がって(仕舞いには立ち上がって)盤を見下ろしたり。

盤を見下ろすのは、上から見ることで、また離れることで、より客観的に情勢を判断したいと言う考えからであると思われる。 実際出来るかどうかはさておき、「そうしたい」。

囲碁将棋は打っていると地金が出るので、その人本来の姿が現れるわけであるが、戸島はそこに「期待される戸島花」を乗せてくる。 食えなくもあり、面白くもある。
新井素子先生は対局に没入して驚いたり喜んだり狼狽えたり、喜怒哀楽が分かりやすく出ており、その凡てが愛らしい。
戸島としてはこの場ではその逆を、「泣いた赤鬼」的にヒールを演じる事を選んだのかも知れない。

そもそも解説の大盤に背を向けて芝野・新井、大盤に向かって高尾・戸島。
解説者や聞き手との掛け合いがやりやすい様に組まれている。
振られた話に応えるだけでなく、解説に耳ざとく反応してボヤいたり、高尾九段も巻き込んで仕事が細かい。

囲碁番組のアシスタントまでは務められても、講座の助手まで勤めおおせたのは戸島花が最初で最後なのではないかと思うが、そんな戸島でも打っている自分が見ているのとは違う方向から盤を見なければならない大盤だと勝手が違うらしく、相談タイムの話の取っ掛かりを作るのに戸惑っていた。
主観と客観の切り替えの難しさ。

こうした対局は勝ち負けを付けぬものらしく、形勢判断などもなく一時間ほどでお仕舞い。
盤上の黒白は綺麗に散っており、なかなかの好勝負になっていたのではないかと思われる。

盛り上がるかどうか、おっかなびっくりで始まったチャリティーオークションは、棋士のサインなどのオマケが付くからか予想を上回る盛り上がりで、あまりの白熱ぶりに動揺する新井素子先生がこれまた愛らしい。

棋士の著書へのサイン会や指導碁なども有ったようだが、私は此処までで退出。
予想以上に楽しめたイベントだった。


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