小林修士写真展『続・密会』


混まなそうな時間帯を見繕って駿河台下。 神保町画廊へ。

前回と同じく、自宅と思しき日本家屋での様々な女性との密会の記録と言う体。
古びたような加工をされたサービス判の、褪色しかけたようなカラーのプリントが、数字を振られて横一列にズラリと並び、一番奥の壁には、一面に、夥しい数。

被写体はあられのない姿を晒しつつも物憂げと言うか気怠げと言うか、明瞭な表情は見せずに写っている。
こってりした、湿り気と色気、倦怠と虚無、執着と諦め。 写真から押し寄せてくるそれらにくらくらしつつも見終えて、写真集を贖って退散。
décadent な生活は財力と体力が無いと続けられぬものであるが、小林修士の写真は、見る者のそれも奪う。

前回の「密会」で気になった、近からぬ過去に写された体の写真に被写体の髪型やメイクを通して現代が写り込んでしまっていたところは、より突き詰められていて気にならなかった。

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