天乃さや 卒業公演
♮リアスクライブの中核を担って来た天乃さやがグループを辞めることを発表して一と月。
ついにその日が来てしまった。
所用でスマートフォンに触れず、気が付いた時には最前ブロックのSチケットは売り切れ。
後方から観覧。
天乃さやの「天乃さや以前」から見て来た人々も、名残りを惜しみに来ていた。
客入れBGMの音量が上がって下がり、Overtureから開演。
セットリスト
天乃さや 側頭部を留めたストレートにティアラ
夢咲あむ いつものショートヘアにティアラ
日向みゆ 青髪ツインテール
姫宮るな ハーフツイン
Overtureの向こうで、円陣の掛け声が聞こえる。
一曲目を終えて、自己紹介からのMC。
天乃さやの声が心なしか震えている。
笑って終わりたいと言う意思が勝って、最後まで大泣き大崩れはせずに踏みとどまっていた。
「時間の関係で全曲は出来ないが、やりたい曲を詰め込んだ」と天乃。
初期から最近まで満遍なく、節目になった曲、アイドルとして過ごせた日々への感謝が込められた曲をセレクト。
曲中はメンバーに「ダル絡み」のやり納め。
背中合わせになるところで躰を預けたり、向き合う所で顔をのぞき込んだり、話しかけたり。
手を繋ぐところで引っ張り込んだり。
感極まると楽屋口に顔だけ突っ込んで「王様の耳はロバの耳」よろしく何か叫んだり。
時折天を仰いだりもしていたが、ともすれば緩みがちな涙腺。
何か「余計な事」して気を紛らしていたのだと思う。
「話したいことが沢山ある」と、スマートフォンのメモからお題を拾いながら長めに。
放っておくといつまでも喋っている傾向がグループとしてあり、それを直して行こうとMCを短め短めに切り上げて来たが、今日は最後と言う事も有り、思う存分喋らせる趣向。
時折、照れ隠しの自虐や毒舌を織り込みつつ、これまでのアイドル人生で関わった人々への感謝を様々な形で言い表していた。
次が決まって辞める訳ではなく、何も決まっていない。
社会に適合できなかったらまたこの世界に戻ってくるかもしれないし、来週チェキスタッフをやっているかもしれないなどと笑いに転化して煙に巻いていた。
〆のMCも天乃節が唸る。
ネガティブな事は口にせず、綺麗事も言わず。
言わないと決めた事には触れない。
最後まで自分を貫いていた。
明日もどこかの空の下、天乃さやが幸せでありますように。
(2024.04.07 記)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?