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チェリッシュ撮影会3周年写真展

陽気も良く、自転車転がしてギャラリー・ルデコへ。

ポートレート系撮影会の3周年記念展。
5階と6階での開催で、6階が受付。
モデルであり、この撮影会も主宰する田中優衣単独の展示も、写真展内写真展として5階に専用の区画を設けていた。

色を操ろうとして色に引っ張られてしまう、白飛ばしやソフトが過剰になってしまう等、技術を使役しようとして振り回されてしまう人は散見されたが、串刺しや首切り、半目や写ってはいけないモノやコトを避けるなど、最低限のモラルは共有されており、減点式に見たくなるような不快感は無い。
そもそもが自らの作家性を世に問うような写真展ではなく、可愛らしく美しく撮れた成果を撮る人と撮られる人が共有する写真展。
堅い事は言うだけ野暮。

首から札を提げている女性が居たのでよくよく見ると、
「10分個撮 1000円」「チェキ撮影 1000円」
とある。
この写真展を見て撮影会と言うものに興味を持った人に提供する「とば口」として、良く出来ている。
馴染みの客も、撮りたくなった気分をその場で消化できるし、撮られる側にも「お試し撮影」をして貰えるメリットがある。

田中優衣は、別に区画を設けるくらいで、撮る側からの需要の高さの理由が写真からも見て取れた。
「どう撮りたいのか」を汲み取る力があり、その「撮りたい写真」に合わせて振る舞うのがうまい。
「物ボケ」のその先にある「お題噺」、お題を出した側の発想を更に広げて来る。
ほぼモデルの手柄でも、撮った側が上手くなった気になってしまう魔術。

目を惹いた写真としては

Kurage本舗
「どう撮るか」についてのアイデアと技術の手札が多く、考える時間と試行錯誤できる財力がある。
旦那芸として上質。

Eriho←
構図は凡庸だが、モノクロームの色の出し方が上手かった。


総じて、「撮られる人の喜ぶ写真」を撮れる人が多い印象。
レタッチ強め、彩度高めの当世風で、私の好むものとは異なるが、趣味人としての巧さはある、「嫌われない写真」。
こう言う写真の楽しみ方はあっても良い。

(2022.05.02 記)

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