新納翔『peeling City 都市を剥ぐ 』トークイベント

新納翔 ×中藤毅彦×タケザワケンジ
新納翔の写真は好みのものではないのだけれど、Facebookのイベント告知には新納を人として全否定するようなコメントが多く、逆に興味をそそられたのでトークイベントに足を運んでみた。

新納翔はお勉強は出来るがそれが内的に完結してしまっている感じで、自分の中では説明がついているけれど傍から見ると矛盾だらけで、直覚的に答えは出ているけれど式が立てられないので自分にも相手にも説明できないところが軋轢を生むのだと思う。
あとは「自分の中での正しさ」を強引に外部に適用する水平垂直への病的な拘り。
社会主義リアリズムのような人工的タテヨコ。
「こういうひとなのだなぁ」と理解は出来たが、欠片も共感できないところが清々しかった。

中藤毅彦の持ち込んだ古今東西(主に古)の写真集が眼福。
50年代60年代の「それまでの写真からの脱皮を図ったあれこれ」への疑問から30年代に回帰して落ち穂拾いをしているのが私の写真なので、忌避して通り過ぎたものを改めて見ることが出来たのも良かった。
持ち込まれた写真集の中では、エルスケンの「アムステルダム」と木村伊兵衛の「パリ」に惹かれた。
店にも出物があったのだけれど、手持ちが足りず断念。

会場のbook obscuraは吉祥寺駅の南口を出て、マルイの横から井の頭公園を突っ切った向こう側の住宅地にある写真集古書店。
「これは買わねば」と思わせる品揃えだが、それは店主にも愛着のあるものらしく、会計の際に惜別の儀式的なことが執り行われるのが、哀しくも可笑しかった。



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