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第24回 五人囃子の会

二ツ目になった5人で始めた五人囃子の会。
一人夭折して四人になったが、増員はせず続いている。

「かぼちゃ屋」幸吾
「権兵衛狸」小談志
「お見立て」らく次
中入り
「新真打披露口上」
「紙入れ」左平次
「らくだ」吉幸

開口一番で「かぼちゃ屋」。 入門してからの年月を考えると達者だと思うし、口調も佇まいも師匠をきちんと選んでのものなのは伺える。
ただ、滑舌が悪いまま上滑りして早いのはいただけない。
勢いで押す必然性はない噺なので、しっかり語ったほうが良いのではないか。

文字助師匠のお見舞いに行ったマクラから、文字助師匠直伝の「権兵衛狸」。
「後頭部深川」のクスグリだけで一と笑い取れるのは強い。

格式張らない、仲間内の披露目らしい口上。
上げたり下げたり下げたり。

悪知恵、泉の如くな喜瀬川。 どうでもよいところで動物的な勘を働かせる杢兵衛。 間に挟まって右往左往する喜助。 デフォルメの妙。

新吉と旦那のやり取りに焦点が絞られた「紙入れ」。 刈り込んだ演出が良い。
サゲでとっ散らかって台無しになる事で意図せぬ爆笑につなげる「フラ」。
何処までが計算で、何処からがフラなのか判然としないのだけれど、敢えてそこを曖昧にしているような老獪さもあり、底が知れない。

トリの新真打が一番のペテラン。 「らくだ」は仕舞いまでたっっっっっっぷり。
新真打なのだけれど、高座での落ち着きは並の中堅真打ち以上。
身を委ねていれば確実に楽しませて貰える安心感。
酔う前の屑屋の間の悪さと人の良さ、酔った屑屋のタチの悪さに大いに笑う。

終演後に抽選会。 夭折した立川談大の出囃子が流されるが、それについては特に触れず。
それで良いのだと思う。

ハネたら寄ろうと思っていた写真展もあったが、多少感傷に浸りつつ帰宅。

(201906.16記)

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