写真展「TOKYO MODELS vol.1」


表参道の一本裏、ピクトリコショップ&ギャラリー表参道と言う小体なギャラリー。
若干の不安はありつつも、企画としては面白かったので足を運んでみたが、予想は悪い方へ転んだ。
ハコとしては悪くないが、詰め込みすぎていてどうにもならない。

参加カメラマン49名、一人2点として約100点と、それぞれのポートフォリオ。 
ポートフォリオまで含めると、数百点。 全て見ようとすれば、当然在廊時間は長くなる。

来場者は引きも切らずあり、長時間留まる。
出展者は在廊し、そこに来客がある、話し込む。 出展者同士も話し込む。
(そもそも受付が話し込んでいる。)

滞留どころではなく、そもそも奥に入れない。
「落ち着いて見られない」ならまだしも「見られない」。

受付は会場を背にしており、中がどうなっているか見ていない。 そもそも関心がないのだろう。
場内を誰もコントロール出来ていないし、しようともしていない。

・最低限の動線を確保する
・写真論や雑談は外でやらせる

これくらいの事はやって当たり前であり、出来ないのであれば閉じた形でワークショップなりなんなりにすれば良い。
そもそもの話、狭すぎる。

展示された写真について考え・語ろうにも、見られる状態に無いし、見る気も起こらない。

撮る腕は確かでも、見せ方に付いては素人以下。
見る側に立って考えた形跡のない、自慰手淫の類の催し。 実に不愉快な写真展だった。
(2019.4.14)

再訪

空いている時間帯を見計らって再訪。
(※前回は写真を見るどころではなかった。)

人口密度は下がったが、場内の作品配置と動線の設計は変わらないので、落ち着いて見られる状態にはならず。
長椅子や丸椅子はあるが、出展者が座って雑談に勤しんでいるので座るのも憚られ、そもそもの話狭いので、座ったら座ったで邪魔になる。
鰻の寝床のような構造の真ん中に長椅子があるので、写真と向き合う距離も調整できない。

ポートフォリオまで見る人は、写真の前で立ち止まり、頁を繰って見入る。
お茶(展示してある写真)とケーキ(ポートフォリオ・写真集)のセットであったり、お茶(展示してある写真)とお代わりの入ったポット(ポートフォリオ・写真集)であれば良いのだけれど、七割方はお茶(展示してある写真)と茶殻(ポートフォリオ・写真集)。

石が多めの玉石混交ではあったが、一冊見終えるのに少なく見積もっても一分から二分、見応えのあるものはそれでは済まない。
滞廊時間は長く、流れも遅い。
ポートフォリオを見ていると、常に自分以外の誰かの邪魔に成ってしまう。
これも落ち着いて見られない要因。

ポートフォリオまで見せる写真展なのに、観覧者が長時間会場に留まることを想定していない。
これが一番の問題。 人が溢れていても「活況である」としか考えぬ愚かしさ。
天井は高く、照明の明るさも頃合いで悪いギャラリーではないのだけれど、圧縮陳列と言う愚策が全てを台無しにしている。
(2019.4.19)



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