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被災した際の対応と備えのすすめ


✅概要

2024年1月1日に起きた「能登半島地震」
まもなく1週間が経とうとしています。
1月7日午後2時の時点で、石川で128人死亡 重軽傷者560人となっています。

災害は予期せぬときにやって来ます。
この記事では、被災した際に取るべき行動と、事前に行うべき備えについて解説します。
いざという時のために、心構えと具体的な準備をしておくことが重要です。
被災時の準備から初動対応などを解説していきます。

地震についての基礎知識については、以下の記事を御覧ください。


✅被災時の初動対応

被災直後は混乱しやすいため、以下のポイントに注意して迅速かつ冷静に行動することが重要です。

1. 安全の確認

災害発生直後の安全確認は、自身と他者の命を守る最優先事項です。以下のステップに従って行動しましょう。

  1. 自己の安全確認:

    • まず、自身が安全な状態にあるか確認します。落下物や破損した建物、ガス漏れや火災の兆候がないかをチェックし、必要に応じて安全な場所へ移動します。

  2. 周囲の状況把握:

    • 周囲の状況を観察し、迫り来る危険(例えば、倒壊しそうな建物、洪水の兆候、火災など)を確認します。

    • 避難路が塞がれていないか、安全に移動できる道があるかを確かめます。

  3. 他者の安全確認:

    • 家族や同居人、近隣の人々の安全を確認します。特に高齢者、子供、障害を持つ人など、支援が必要な人々に注意を払いましょう。

    • 緊急時は声を掛け合って情報を共有し、必要に応じて協力し合います。

  4. 応急処置:

    • 軽傷者がいる場合は、応急処置を施します。ただし、自己の安全を損なわないよう注意しましょう。

  5. 安全な場所への移動:

    • 安全な場所へ移動する際は、落下物や破損した構造物から遠ざかり、公式の避難所や指定された安全地帯を目指します。

このプロセスを通じて、被災直後の危険から自身と他者の命を守ることができます。


2. 避難路の確認

災害時に適切な避難路を素早く確認し、安全に移動することは非常に重要です。以下のポイントを参考にしてください。

  1. 事前の避難路把握:

    • 災害発生前に、自宅や職場、学校などの日常的な場所の避難路を把握し、記憶しておきます。

    • 避難路図を確認し、複数のルートを知っておくことが重要です。

  2. 避難路の安全性評価:

    • 災害時には、通常の避難路が使用不可能になることがあります。そのため、状況に応じて安全な避難路を判断する必要があります。

    • 倒壊の恐れがある建物、水没や土砂崩れの危険がある地域は避けるようにします。

  3. 周囲の情報収集:

    • スマートフォンやラジオを通じて、最新の情報を入手します。公式の避難指示や避難路情報は、最も信頼できる情報源です。

    • 近隣住民や職場の同僚と情報を共有し、安全な避難路を確認します。

  4. 避難所の確認:

    • 避難路を辿る際には、目指す避難所や安全地帯を明確にします。事前に地域の避難所を把握し、避難所が変更になっていないかを確認します。

  5. 冷静な判断:

    • パニックに陥らず、周囲の状況を冷静に観察しながら避難します。特に小さな子供や高齢者、障害者を伴う場合は、その人たちのペースに合わせて行動します。

事前の準備と災害時の迅速な行動が、安全な避難を実現する鍵です。


3. 緊急連絡網の活用

災害時の連絡網は、家族や友人、同僚との安否確認や情報共有に不可欠です。以下のポイントを心に留めておきましょう。

  1. 事前の連絡網の設定:

    • 災害発生前に、家族や職場、近隣住民と緊急時の連絡網を設定し、連絡方法と連絡先を明確にしておきます。

    • 連絡先リストを複数の方法で保存しておくことが重要です(例:紙に印刷、スマートフォンに保存など)。

  2. 非常時の連絡手段:

    • 携帯電話のネットワークが混雑する可能性があるため、短文メッセージ(SMS)、メール、SNSを活用します。

    • 緊急時専用のアプリやサービスを活用することも一つの方法です(例:災害用伝言板など)。

  3. 情報の正確性:

    • 受け取った情報は、その出所を確認し、可能な限り公式な情報源から得たものかどうかを判断します。

    • 誤った情報やデマの拡散を避けるため、確認されていない情報は共有しないようにします。

  4. バッテリーの節約:

    • スマートフォンのバッテリーを節約するため、使用は必要最小限に留め、電源を切ったり、低電力モードを利用したりします。

  5. 代替手段の検討:

    • 電話やインターネットが利用できない場合のために、地元の公共施設や避難所での物理的なメッセージボードなどの代替手段を考慮します。

これらの準備と知識は、災害時のコミュニケーションをスムーズにし、安心感を提供するために役立ちます。


4. 救急処置の知識

災害時には、医療機関へのアクセスが困難になることがあります。そのため、基本的な救急処置の知識を持つことが重要です。

  1. 基本的な応急処置:

    • 出血: 清潔な布やガーゼで傷口を圧迫し、出血を止めます。

    • 擦り傷や切り傷: 傷口を清潔な水で洗浄し、消毒薬を塗ってバンドエイドやガーゼで覆います。

    • 打撲傷: 患部を冷やして腫れを抑え、安静にします。

  2. 骨折の対処法:

    • 骨折した部位を動かさないようにし、できる限り固定します。自作の添え木や三角巾を使用することができます。

  3. やけどの処置:

    • 軽度のやけどは流水で冷やし、清潔な布で覆います。水ぶくれをつぶさないように注意します。

  4. 熱中症の予防と対応:

    • 熱中症を防ぐためには、水分と塩分の補給が重要です。体調不良を感じたら、涼しい場所で休むようにします。

  5. 心肺蘇生法(CPR):

    • 心肺停止の疑いがある場合は、心肺蘇生法(CPR)を行います。事前にCPRの訓練を受けておくことが望ましいです。

  6. 救急キットの準備:

    • 救急キットには、ガーゼ、包帯、消毒薬、痛み止め、抗ヒスタミン薬などを含めておきます。

  7. 救急処置のトレーニング:

    • 災害発生前に、基本的な救急処置のトレーニングを受けておくことが理想的です。地域の消防署や赤十字などが提供する救急教室に参加することをお勧めします。

これらの基本的な救急処置の知識と準備は、災害時における自助努力の一環として非常に重要です。


5. 非常持ち出し品の準備

災害時には、迅速に避難するために必要な物品を事前に準備し、すぐに持ち出せるようにしておくことが重要です。

  1. 基本的な非常持ち出し品:

    • 非常食: 保存期間が長く、水や調理を必要としない食品(レトルト食品、缶詰、乾パンなど)。

    • : 人間が数日間生き延びるのに必要な最低限の水(1人あたり1日3リットルを目安)。

    • 懐中電灯: 夜間や停電時に必要。LEDタイプが長持ちします。予備の電池も準備します。

    • 必要な薬: 処方薬や常備薬(痛み止め、抗アレルギー薬など)。

  2. 追加的な持ち出し品:

    • 衣類: 季節に応じた予備の衣類や雨具。

    • 重要書類: 身分証明書、健康保険証、重要な連絡先などのコピー。

    • 現金: ATMやクレジットカードが使えない場合に備えて、少額の現金。

    • 衛生用品: ハンドタオル、ウェットティッシュ、生理用品など。

  3. 特別なニーズに応じた品:

    • 乳幼児用品: おむつ、ミルク、哺乳瓶など。

    • ペット用品: ペットフード、リード、キャリーケースなど。

    • 特殊な医療機器: 心臓ペースメーカー用のバッテリーなど。

  4. 持ち出し品の管理:

    • 定期的に持ち出し品の内容を確認し、消耗品の交換や期限切れの更新を行います。

    • 非常持ち出し品を、家の出入り口に近い場所に保管し、すぐに持ち出せるようにします。

これらの準備は、災害発生時における混乱を最小限に抑え、迅速な行動をサポートします。


6. 公式情報の確認

災害時には正確で信頼できる情報を得ることが、適切な判断と行動には不可欠です。以下の方法で公式情報の確認を行いましょう。

  1. ラジオの活用:

    • 非常用の手回しラジオや車載ラジオを使って、NHKや地方の放送局からの最新情報を入手します。

    • ラジオは電源が不要な場合も多く、信頼性の高い情報源となります。

  2. スマートフォンを通じた情報収集:

    • 政府や地方自治体のウェブサイト、公式SNSアカウントからの情報をチェックします。

    • 災害用アプリや緊急速報メールを活用し、地域に特化した情報を受け取ります。

  3. テレビやインターネットの利用:

    • 停電がある場合は、テレビのニュース放送を通じて情報を得ます。

    • インターネットが利用可能な場合は、公式のニュースサイトや地方自治体のウェブサイトを確認します。

  4. 情報の確認と共有:

    • 得られた情報の確認を行い、デマや誤情報でないことを確かめます。

    • 家族や近隣の人々と情報を共有し、誤った情報が広まらないようにします。

  5. 避難指示や警報に従う:

    • 避難指示や警報が出された場合は、直ちに指示に従い、安全な行動を取ります。

公式情報の確認と正確な理解は、混乱を避け、安全に行動するための基盤となります。


これらの初動対応は、被災後の状況を大きく左右するため、事前に家族や同居人と話し合い、計画を立てておくことが望ましいです。


✅事前の準備と備え

災害に対する備えは、予期せぬ状況への対応力を高めます。
以下の点に注意して準備を進めましょう。

1. 準備物品の詳細

  • 非常食: 缶詰、乾パン、レトルト食品など、長期保存が可能で即食できる食品を準備します。

  • : 人間が最低3日間は生存できる量(1人あたり3リットル以上)を準備します。

  • 懐中電灯と予備の電池: 停電時に必要となるため、複数の懐中電灯と十分な電池を用意します。

  • ファーストエイドキット: 簡易な医療品(絆創膏、消毒薬、痛み止めなど)を含む応急手当セットを準備します。


2. 家族との連絡計画の詳細

  • 連絡方法の決定: 携帯電話やメール、SNSなど、複数の連絡手段を確立します。

  • 集合場所の設定: 自宅が使えない場合のために、事前に地域内外の集合場所を決めておきます。

  • 情報共有のルール: 安否情報や避難所の場所など、共有すべき情報の種類と方法を決めておきます。


3. 定期的な訓練の重要性

  • 避難訓練: 自宅や職場、学校での避難訓練に積極的に参加し、避難経路を確認します。

  • 防災訓練: 地域主催の防災訓練に参加し、地震や津波など特定の災害への対応を学びます。

  • 自主訓練: 家族や友人と共に、緊急時の役割分担や行動計画の確認を行います。

これらの準備と訓練は、災害発生時の混乱を最小限に抑え、迅速かつ効果的な対応を可能にします。


✅備えのメリット

1. 非常食や水の準備

  • 生存の保障: 災害時には食料や水の供給が不安定になります。非常食や水の備蓄は、このような状況下での生存を確保するために不可欠です。保存期間が長く、準備が容易な食品を選ぶことで、長期間の自給自足が可能になります。

  • 健康の維持: 適切な栄養と水分補給は、体力と健康状態を維持し、ストレスや疲労に対する抵抗力を高めます。特に子供や高齢者、妊婦など、特別な栄養ニーズを持つ人々にとって重要です。


2. 家族間の連絡計画

  • 安心感の提供: 互いの安全が確認できると、被災者は心理的な安心感を得ることができます。これは、ストレスや不安を軽減し、より冷静な意思決定に役立ちます。

  • 効果的な情報共有: 連絡計画を立てることで、家族間で重要な情報(避難所の場所、物資の配布地点など)を迅速かつ効果的に共有することができます。


3. 定期的な訓練

  • 避難経路の習得: 定期的な訓練により、非常時の避難経路や安全な行動パターンが自然と身につきます。これにより、実際の災害発生時に迅速かつ安全に行動することが可能になります。

  • 協力体制の確立: 家族や地域社会との訓練を通じて、災害時の役割分担や協力体制を確立することができます。これは、効果的なチームワークと相互支援を促進し、被害の軽減に寄与します。

これらの備えは、災害発生時の生存率を高めるだけでなく、心理的な安心感やコミュニティの結束力を強化する効果もあります。事前の準備が、災害の影響を軽減し、迅速な復旧につながる重要な要素であることを理解し、日頃からの備えを怠らないようにしましょう。


✅災害時の心理的対応

災害時には、身体的な被害だけでなく、心理的なストレスやトラウマも大きな問題となります。適切な心理的対応は、被災者の回復と長期的なウェルビーイングに不可欠です。
以下に、災害時の心理的対応について詳細に説明します。


1. ストレスとトラウマの認識

  • 自己理解: 自分自身や家族が経験している感情を理解し、それが普通の反応であることを認識することが重要です。恐怖、不安、悲しみ、怒りなどの感情は、災害後の一般的な反応です。

  • トラウマの兆候: 継続的な不眠、過度のイライラ、無関心、再体験(フラッシュバック)、回避行動など、トラウマの兆候に注意を払い、必要なら専門家の支援を求めることが大切です。

2. コミュニケーションとサポート

  • 感情の共有: 安全な環境での感情の共有は、ストレス解消に役立ちます。家族や友人、信頼できる人との会話は、経験を処理し、感情を整理するのに役立ちます。

  • サポートネットワークの活用: 地域社会やサポートグループ、カウンセリングサービスなど、利用可能な支援ネットワークを活用します。これにより、孤立感を減らし、心理的な回復を促進できます。

3. 心理的ファーストエイド

  • 安心感の提供: 被災者に対して安心感を与えることは、初期の心理的対応において重要です。落ち着いた声のトーン、安全な環境の提供、基本的なニーズ(食事、水、安全な睡眠場所)の満たし方などが含まれます。

  • 情報提供: 正確で理解しやすい情報を提供することで、被災者は自身の状況をより良く理解し、次のステップを考えることができます。

4. 自己ケアの重要性

  • リラクゼーション技法: 深呼吸、瞑想、軽い運動など、ストレスを軽減するリラクゼーション技法を実践します。

  • 健康的なライフスタイルの維持: 良質な睡眠、栄養バランスの取れた食事、定期的な運動は、心理的な健康を維持するのに役立ちます。

5. 専門家による介入

  • プロフェッショナルなケア: 継続的な心理的苦痛やトラウマの症状が見られる場合、心理学者、カウンセラー、精神科医などの専門家に相談することが推奨されます。


最後に

初めにも書いたように、
2024年1月1日に起きた「能登半島地震」
まもなく1週間が経とうとしています。

次にいつどこで地震が起きるかは、誰にも予想はできません。
しかし、いつどこで地震が起きても、少しでも生存確率を上げるために、
備えることはできます。

被災は突然に起こり得るます。
日頃からの備えと心構えが、大きな差を生むことを覚えておきましょう。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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