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車上で園芸|摩衣の快適部屋とふらふら【#7】

ただいま我が部屋(=車上)には、ミニトマト、ナス、万願寺とうがらしを種から発芽させたばかりの苗がある。

タイトルの写真がそれで、ダッシュボード上、運転席のハンドル前が彼らの定位置。こんなことをしている人は、この世で私の他にもう一人しか知らない。

車上での生活というもの

車上で暮らすにあたっては、手放さざるを得ないモノ・コトがたくさんある。

例えば設備でいうと、シャワールームやトイレは車外に求めることになる。辛うじてキッチンは装備する予定だが、清水量も排水量も制限がある。

持ち物も、例えば多く所蔵していた書籍類は5冊を残してすべて処分した。衣類もふたりぶんで箱1つ分まで圧縮した。

ところで、車上園芸。植物を育てることも、ほぼ諦めなければならない物事のひとつだと思っていたが、思いがけず挑戦する機会に恵まれた。

1年間、しっかり自然農業を学ぶことにしたのである。抗えない出会いとはこのこと。(前回、下記で少し言及したところ)

自然農業というからには、苗も自分で作らねばならぬ、という基本方針がある。そのため受講生たちは、

  • 土作りの神の経験によって配合された最強の土

  • 先生のお宅で獲れた自家製種

  • 3寸ポット9個

を手渡され、各自苗に育て上げ、また農場に集合するという流れ。

しかし予想外に現れた「家がない受講生たち」を前に、先生方も「無理にとは言わない」という姿勢でいらっしゃったようだが、私たちは車上で育てることを選んだ。

とはいえ、今は1~2cmなのでダッシュボードでいいが、今後苗らしく背丈が伸びた彼らを、私は車上のどこで育てればいいのだろう。

まとめると

とにかく、思い込みは捨てて出来ることからすればいいと思う。

案外、無理なことはなにもないのかもしれない。と、3種類の中でも真っ先に発芽したミニトマトを眺めながら思う。

赤信号で止まるたびに、新芽を愛でるのもわるくない。

ちなみに、ここに苗を置くことにより、下記のような効果もある。

  • 苗が動かないことを目標とするため、常に安全運転

  • 急発進、急停車はしない

  • 燃費向上

もし街のどこかで私のクルマの後ろに来られたら、どうぞ追い抜かして頂きたい。上記の理由から、私は法定速度を厳守しているのだ。


1年通わせていただくことにしたのは、三重県多気町にある「自給自足カレッジ」。「VISON」というと、Instagramのユーザー層でピンとくる人が多い。そのインスタ映えVISONの中にある農園で鍬をふるうことに。

農学部を出てすぐ大型園芸店へ就職、数年のち造園会社を経験、一時はガーデニングショップ主催、そして今は庭のデザインを生業の一つとしている。

振り返ればわりと「植物」と縁のある人生を送っているものの、それにしてもこのカレッジはおもしろくて即受講。


ここまでご覧頂き、ありがとうございます。 各地で得た経験を読者の方に還元できるよう、精進します😊