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おとうさんと暮らしてください|摩衣の快適部屋とふらふら【#9】

「何度言っても私の話が理解できないなら、おとうさんと暮らしてください」
と、時々息子に言う。

というと、多分10人中10人くらいの人が、なんてひどい母親だ!と思うだろう。

コンディションがよくない時の私であれば、自分でも「私ってひどい母親なのかもしれない」と思っている。

が、ノーマルモードの私は、これでいいのだと思えるので、今回は自分のために一筆書いておく。

親の役目とは

ひとり親家庭です

ひとりで子育ては大変ですね、
と、よく声を掛けて頂く。私の労をねぎらい、思い遣って頂けるのは素直に嬉しい。

2年と少し前、諸々あってひとり親家庭になった。
この状況は自分の望んだことだし、後悔したことは1度もない。
そして実際、ひとり親で大変だと思ったこともない。

ただ我が子も5歳を迎え、(前から薄々わかっていたけれど、最近特に)内弁慶甚だしい息子。この扱いに手を焼くのは、ただひとり私だけ。

外向きの顔の息子は、ただただ天真爛漫で可愛い男の子なので、なんだかなぁこいつと思うこともしばしば。

親の役目

親とは、ただ子どもがこの世の中で正しく生きるために、大切なことを伝える人だと思っている。
というと漠然としているが、大きく分けると、

  • 健康の維持

  • 他とのコミュニケーション

  • 能力の開花

このあたりかと思う。

そのため、

「歯が悪くなると、下にある臓器が悪くなるから、食べたあとは歯を磨くんだよ」
「寝不足になると明日楽しく遊べないから、夜は早く寝るんだよ」
「自分の話を聞いてくれない人は相手を不快にするから、人の話はひとまず聞くんだよ」
「色んな人がいるから、合う人合わない人いるのは当然。だから好きな人とだけ一緒に居たら良いよ」

というような(親の価値観がふんだんに織り込まれた)この世のルールを教えてあげたりするのだ。

それが時々、どうしても通じない。何度伝えてもNG行動を繰り返すことがある。

そんなときは冒頭のパワーワード発動だ。

「何度言っても私の話が理解できないなら、おとうさんと暮らしてください」

ふたつ以上の手

家庭の事情というのが各々あるので、必ずしもそうでないケースもあるが、基本的には子どもを育てるのは父と母の役割分担だと思う。

少なくとも我が家は元夫と連携がある程度取れているので、責任は父と母と両方だと考えている(しかも離別前より分担は明確で良い)。

普段は私がほぼ伝えるべきことは伝えるが、どうしても私の話が通らない事があり、そんなときは「分かるまでは、おとうさんと暮らしてください」で良いと思っている。息子が今後この世で生きていく上で守るべきルールが、私の伝え方で理解できないのであれば、別の手が必要だと思う。

最初は息子もショックを受けたようだったが、理由を説明すると、なんとか理解してくれたようで、一応守ろうとはしてくれる(できていないことは多々だが、それでいい)

こんな母親は、冷たいのだろうか。だとしても、私にはこれしかできないと最近は自分を認めることにした。優しいだけではない母親を持って、彼は幸せか否か。

その他の手

そしてその「手」は、家庭外にもあると良いなぁと最近思う。我が家は現在、半分車上、半分ゲストハウス暮らしなのだ。

ゲストハウスというのは、愉快な大人たちが数日単位で出たり入ったりする、みんなの家のような場所。家を持たずアドレスホッパーとして暮らしている方が多く、文字通り”愉快な”人が多い。私はADDressというサービスと、月15日滞在できる契約をしている。

ゲストハウスを利用するようになって、息子の大人に懐く力が劇的に向上しており、最近では、ほぼ秒速で仲良くなる術を身に着けた(みなさんが優しいから成り立っていることでもある)。

バックグラウンド豊かな"愉快な”大人たちからの息子に対する影響も、貴重なものだったりする。私から伝えたのでは入らないことも、他のある人から伝えてもらうとすんなり理解されることもある。

縄文時代は村全体で子育てをしたというが、それの現代版のような感じだろう。母親はひとりで頑張らなくてもいい。

ゲストハウス滞在のデメリット

ゲストハウスにいる時は、息子と遊んでもらう”楽しい役割”は同居のみなさんに委ねさせていただき、私はその分ラクさせてもらっている。

その反面、他の人達が言いづらいような”厳しい役割”は常に私だけなので、息子からしたら「ママ=たのしくない人」になるケースが本当に多い。

第三者が同居している状況のほうがメリットが確実に多いので、これはほぼトレードオフだなぁと割り切っている(時々気持ち的には割り切れないが…こう書いているということは、割り切れていないということか)

ここまでご覧頂き、ありがとうございます。 各地で得た経験を読者の方に還元できるよう、精進します😊