何時間も続く肉体労働の後、スマホを覗いて
突発の予定が入っていたときは、大変だった。

体に染みついたポマードの香りを消し、
化粧や髪形を整え、急いで電車を乗り換え
生えてきた体毛を駅中のトイレの個室で剃り
ご飯も食べずに次の現場へ行くこともあった。

何よりも体がつらかった。
1か月ほぼ外食が続いたが、３キロは瘦せていた。
外食に関しても
昼に料亭、夜も同じ料亭で違うパパとのディナーということもあり、
色々な意味でつらかった。

ただ、ルールにのっとり
誘われたら必ず応えていた。

体と心に鞭を打ちながら頑張った結果、
ちょうど３桁を超えることができた。

誰一人として名前を間違えることもなく、
なんとか無事に１か月走り切った。

残ったものは、擦り切れた体と心と１００万。

達成感はもちろんあるが、
人間の悪いところだろうか、
これが単価３万ではなく５万だったら…と
SNSのキラキラ女子投稿と比べてしまうと
少し悲しくはなる。

上見て暮らすな、下見て暮らせ。

令和の時代でも、心の隅では江戸時代の言葉が
いまでも私に語り掛けてくる。

上はきりがない。
いい塩梅
これが大事なのだ。

自分の妥当点、妥協点を見つける。
これが幸せに生きる近道なんだな、とチャレンジを通して感じた。