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6.顔合わせ

初めての顔合わせは
ビジネス街の喫茶店だった。

昼間かつ軽くお茶をしましょうとメッセージ内でやり取りをしていたため
緊張はしていたが、気持ちは少し楽だった。

お店に到着したら相手から声をかけられた。

「こっちこっち」

相手は小走りで、周りを気にするようなそぶりを見せながら席に着いた。

相手はもう何時間もそこにいるようだった。
飲み物はしっかり汗をかき、残りは少なくなっていた。
テーブルに置いてあるメモ帳には、私の名前とサイトに記載してある情報がしっかり書いてあった。

話の節々で、有名人と知り合いなんだと自慢げに話す。
身長が低く、筋肉質…
プライドの高さが私を攻撃してくる。
必殺、愛想笑いでその場をしのいだ。

お疲れ様、わたし。

帰り道、
駅でさっきの男性からもらった裸の5千円をSuicaにチャージした。

証拠隠滅。

初めての顔合わせは、無味無臭の無意味な暇つぶしになった。



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