ポプ曲レビュー 温故知新でいこっ(ラピストリア)


(曲名)温故知新でいこっ

(収録)ラピストリア

ジャンル名をつけるとしたら、ノスタルジーとかレトロスペクティブとかそんな単語が入りそう。レトロスペクティブ倉野川。

歌詞でも銭湯のことがちょこっと書いているけれど、夏の明るい夕暮れ、夏休み、いつもより少しだけ早い時間のお風呂上がりに暮れなずむ空を見上げながら聴くような曲。ぬるい風に、石けんの香りがふわんと漂ったりしてね。

ひなビタ♪メンバーきってのウィスパーボイスの二大巨頭・まり花ちゃんと咲子さんが歌う、耳に心に胃に(?)やさしい曲です。シャララララ♪の部分が頭のなかでずっっとループしています。リードをとるまり花ちゃんと、あとを追いかける咲子さんの声が交差する瞬間は僥倖でしかない。途中のコント?も聴き所。このコント、ボケしかいねえ!

ササキトモコさんの作詞作曲は間違いないっすね。

音楽的には、ラップ?ボッサ?みたいな、でもとにかくゆる~い感じで……。要所要所にサンバっぽい感じのキメがあって、そこがただゆるいだけではない面白さと賑やかさがあって好きです。

そしてそこがゲームとしても難しさになっているという。後半サビの同時押し(EX)、ち、し、ん、でいこっ♪の後ポロッと入る黄色のドラムキックがくせ者(個人的に)でぐぬぬってなります……。ただの同時押しではないという、そうかこれが温故知新か……ってぜったい違うよね。

実は温故知新ってポップンというゲームにも言えることだと思っていて、ひなビタ♪それ自体は「古いものも魅力あるよ!そういうのこれからも大切にしよっ!」って「古」がテーマなんだけど、曲自体はゲームの流れで言うと実は「新」のベクトルにある。

ひなビタ♪の企画が始まった当初、すごく新しいものに見えたわけだけど、そのなかで、新しいキャラクターたちが新しい曲を引っ提げながら故きを温ねていくことに、一種のカタルシスがあると思う。それは作中倉野川の歴史でもあり、きっとBEMANIの歴史でもあるのだろう。

彼女たちひなビタメンバーズ(まり花ちゃん、イブ、咲子さん、めうめう、りんりん先生、あとはここなつもね)を知ることで、自分のふるさとのことを思い出したり、昔好きだったキャラのことを思い出したり、以前よく遊んでいた曲や、好きだった懐かしい音楽のことをふと思い出したりすることって、あると思う。もしかしたらBEMANIシリーズそのもののことを思い出した人もいるのかもしれない。

ひなビタ♪って人によって色んなとらえかたかがあると思うけど、私は過去と未来を繋ぐコンテンツだと思ってます。

故きを温ねて新しきを知ることができるなら、逆説的に、新しきを温ねて故きを知ることだってきっとあるはず。

それもありでしょう?

#ポップン #音楽 #レビュー #ひなビタ


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