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〈新規ARMY学習用〉私がハマったのは、Chapter2の沼だったのか?の、もやもや。-BTS新規ARMY活動記

2021年3月、「Dynamite」を踊る「BTS」が私のところにやって来た。

エンターテインメント業界の隅っこで仕事をしているが、“それまで”「BTS」について、まったく意識に入ってくることがなかった。
K-POPどころか、日本のアイドルのにだって過去一度も「ファン」になったことがなく、遠巻きに眺めていた程度だった。
そんな私が、突如いわゆる “沼落ち” した状態に…。

なな、なんと美しいダンスフォーメーション
そしてソロ、ユニゾン、ハーモニーとラップの組み合わせ
歌って踊って、え、楽曲制作もしてるの?
それに、なにこのスタイリング(着こなし)イケてる!
こんなの、これまで見たことないんだけど!!
え、なにこの感情?これってもしや…💜

それは、BTSがそれまで認識していた「K-POP」の枠から飛び出した存在だったからにほかならず、本当に突如突然、彼らの方からやって来た、と表現するしかない状態…まさに“Dynamite”だったっ!

'Dynamite' Dance Practice|BANGTANTV♪チャンネル@YouTube

その日=忘れもしない “沼落ちした日” から、とんでもない超ハイパースピードで彼らについての情報をかき集め、コンテンツを浴び、あわわあわあと過ごした日々…彼らが9周年を目前にしたタイミングで、私のARMY生活は1年を終え2年目の日々を(比較的おちついて、いや決してそうではなく)送り始めていたのだった。

この沼は幻だったのか?というもやもや。

その衝撃的な告白=天下無双のBTSリーダーが嗚咽しながら「つらかった」「方向性に迷った」「休みたいと言えなかった」と吐いた “真の防弾会食(9周年イベント|6/14(月)YouTube配信)”。
そこで(メディアを通じてでなく、直接ファン(ARMY)にメッセージを言いたかった、という思いからか)ここ数年(2020-2022年)の彼らの活動の背景、そして葛藤が語られた。

その内容は…いや、内容よりもリーダーRMが嗚咽するほど涙している姿に驚いてしまい、お祭り=FESTAの一環であるはずの“真の防弾会食”がしんみりとしたもになったのが、どうにも残念で(楽しみにしていたコンテンツだったから)。

-すでに合宿所を出て、7人それぞれで暮らしている。
-ソロ活動を準備している
-長く続けていくために個々の時間を持とうとしている
-個人個人のペースで趣味やレッスンなどで成長機会を持つ

このあたりの話題は、10年目を迎える彼らが秘めていた意欲=やりたいこと(やりたくないこと)、手にしたものを味わう時間を持ちたい、といったものでとても前向きな話でよかった。
すでに、それぞれで暮らしていることはファン(ARMY)なら分かっていたことだったろうし、MIX TAPEの作業経過やフィーチャリングなどの話題も活発化していたので、ひとりひとりの個性を生かした活動も楽しみになっていたのに…。

途中「しばらくこういう機会(全員で集まる姿)をお見せ出来なくなる」と口火を切ったリーダーRMが言ったのには、驚きはあったが…。

しかし、なぜあれほど「辛かった」「申し訳ない気持ち」などと声を絞り出さなければならなかったのか…?

2020-2022年。この彼らが「方向を見失っていた」と言った2年間に、何が起きていたのだろうか…。
2021年3月に彼らに出会った “新規ARMY” が見ていたものは、妥協を重ねた作品と、辛さの中にある彼らだったのか…。

このままでは、“BTSが好き!”な自分の自己否定の闇に落ちてしまう…。
(落ちたのはボラへなバンタン沼だったはずなのに…。)

そんなもやもやを少しでも晴らすべく、その2年間の彼らの迷いや苦悩に触れたいと思う…。

2020-2022年は、BTSにとってどんな時間だったのか?

◎2020年2月「MAP OF THE SOUL: 7」

1.2020年2月の段階で.すでに「長期休暇(ソロ活などへのシフト)」は準備されていたことだった。

2020年2月|「MAP OF THE SOUL: 7」をリリースしたうえで、ワールドツアーを計画しており、その日程終了後には「グループ活動の休息」を予定していた。

2020年2月のアルバムリリースの直後の3月は彼らにとって「7周年」を迎える特別なタイミングだった。
なにより、アルバムのタイトルには彼らのシンボル「7」を刻んでいた。

7人で7年

リーダーRMを起点として、オーデションで集められた彼らにとってデビュー時点から意識していた目標だったのかもしれない…デビュー時の契約「7年」を「7人」で全うすること。

※結局2022年6月まで「グループ活動の休息」を先延ばしにした状態で「9周年」を迎えることになった。
※BTSの事務所との契約は、当初「2013年から7年間(2020年まで)」のところ、途中の2017年に再契約(契約延長)を行っているらしい。それにより「2024年まで」が事務所との契約期間となっているよう。
※最初の契約は「7年」というおのがK-POP業界では慣例らしい。実際、7年を区切りに一部メンバーの脱退や移籍、解散(契約延長せず)ということはよくあることらしい。

2020年に展開する予定だったワールドツアーには、これまで行ったことない地域も組み込んでおり、まさに地球の隅々のARMYに会いに行くツアーにする予定だったようだ。
この大規模なワールドツアーを終えたタイミングで「長期休暇」に入るということであれば「サバティカル休暇=充電期間」として、受け入れられやすかったのではないだろうか…そういう思える。

彼らの休みについては。2021年12月の「Permission to Dance on Stage」ロサンゼルス公演の後に「しばらく長期の休暇をとる」と発表し公式の予定を公開しない時期があった(休暇は数週間の休みにとどまり、その間もレコーディングなどの仕事はしていたようだが)。
この2021年年末の休暇の際には、友人や家族と海外で過ごすメンバーの様子がInstagramなどにポストされており、彼らの自由な時間を邪魔しないようファン同士で声を掛け合ったり、彼らのオフの姿を見守るムードもあったり、それなりの均衡が生まれていたように見えた。
※年明け2022年1月末(実際には延期になり4月4日)にグラミー賞授賞式に出席するための訪米予定が公表されていたので、それまでの期限付きの休暇と共通理解があったから不安はなかったと言えるが。

さらに遡ると、2019年の夏ごろに1カ月ほどの休暇をとったことがあったとのこと。この時も、休暇とはいえSNS上には姿を見せていたよう。

そして、この1カ月の休暇明けに集まったのが「Bon Voyage Season4(ニュージーランド篇)」の撮影開始のシーン。
アミ先輩に「新規ARMYは、まずどのコンテンツを見ればいいですか?」とお聞きしたときにおすすめされていたのが「Bon Voyage Season4」だった。
「やっぱり7人でいるのがバンタン!」という象徴的なコンテンツのひとつが「Bon Voyage Season4」なのだそうだ。

2.2020年3月ごろから世界中で移動の制限や大型イベントの中止などが起きたことにより、彼らのワールドツアーもキャンセルになった。

パンデミックによってさまざまな計画が狂った。

2020年2月には「MAP OF THE SOUL: 7」のプロモーションで、米国のニュースショウ、トークショウなどに出演する一方で、4月にスタートさせる予定だったワールドツアーの全日程はキャンセルになった。
また「7周年」のイベント=FESTA(お祭り)もオンラインで開催できるものに再考され実施されている。

2020年2月、米国で「ON」カムバックの活動を展開
-2月21日|カムバックVlive配信(ニューヨークから)
-2月21日|「Today Show (NBC)」出演
-2月22日|「MTV Fresh Out」出演
-2月25日|「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon (NBC)」出演
 NYグランド・セントラル駅でカムバック初ステージ
 「ON」を初披露
-2月26日|「The Late Late Show with James Corde(CBS)」出演

2020年4月、「BTS MAP OF THE SOUL TOUR 」がキャンセル
-4/11-12、4/18-19のソウル4公演が、チケット販売が終了していたのにもかかわらずキャンセルに。

ソウル オリンピックスタジアム4Days

-続く、ワールドツアーの全予定がキャンセルに

4/11のソウルから9/2の東京まで発表されていたスタジアムツアー

2020年10月15日、ビルボードミュージックアード受賞式で披露したパフォーマンスは「仁川国際空港」で撮影されており、背景にはワールドツアーで行くはずだった都市が出国便案内のスクリーンに表示されている、という演出が。

2020 Billboard Music Awards

3.2020年4月、イベントやコンサートの開催をオンランに切り換えて実施へ

即座に、オンラインでの開催を模索。
徐々にオンラインを活用したイベント展開が大掛かりに。

2020年4月からスタートさせるはずたったワールドツアーのキャンセルに対し、急遽「オンラインコンサート「(BANG BANG CON)」を配信している。過去のライブ映像をYouTubeとWeverseで無料配信したのだ(ライブ配信のみ、アーカイブなし)。

4月18-19日、BTS 週末オンラインコンサート「BANG BANG CON」

オンラインコンサート「BANG BANG CON」
BANG BANG CON Day1
BANG BANG CON Day2

BANG BANG CONとは、全世界のARMYがいるところすみずみで開かれるバンタンのコンサート=つまりオンラインコンサートのこと。

世界各地で開催されるはずのコンサートが中止になり、そもそもチケット購入競争もあり、予定通り開催されるのか日程変更かキャンセルかと振り回され、さらにチケットの払い戻しなどでも疲弊しているファンに向けて、ソウル公演の予定だった4/18、19の2日間に渡りライブコンテンツの配信を行うという…(DVD&Blu-rayで発売しているものではあるが)。

このリカバリー案が起案され、実行される推進力。
想像するだに震えますね。

なお、このあと6/13、6/14の2日間にわたってはデビュー7周年のイベント=FESTAもオンランで開催されています。

6月14日、オンラインライブコンサート「BANG BANG CON The Live」
こちらら有料ストリーミング配信での実施。
彼らのデビュー記念日の6/13の翌日、6/14(日)18:00に開かれた。

このコンサートの冒頭でキムテヒョンは「昨日は僕たちの契約が終わる日だった」と言ったらしい。
韓国では慣例的に、芸能事務所とアイドルのデビュー契約は「7年」。
2013年6月13日にデビューを果たしたBTSは、この2020年6月13日でちょうど7年を終えたことになる。
やはり2020年は、K-POPの枠にいる彼らにとっては最初に迎える大きな区切れ目として強く意識されていたよう。

BTSの8年目のスタートである2020年6月14日に開催された「BANG BANG CON The Live」の最高同時アクセス数は約75万6,600人(約5万人以上を収容できるスタジアムコンサート15回分になる計算らしい…)。
HYBEは、2020年6月9日に米国Kiswe Mobile社と業務提携しマルチビュー(6画面切り替え)の技術を取り入れている。
マルチビューは、この6/14に開催するオンラインコンサートを成功させるために探した技術だったのだろう。世界中でネット環境さえあれば、ライブさながらのコンサートが提供できる…。
視聴料は、グローバルファンクラブ会員29,000ウォン(日本円で約3,000円)/一般39,000ウォン(日本円で約4,000円)。
この成功は、BTSの活動のベンチマークになったのだろう。この後、繰り返し有料オンラインイベントは開催するようになり、都度どれだけの集客があったか、どれほどの利益があったかというニュースが出回ることになった。

パンデミック下でも強いK-POP産業の先鋒としてのBTS。

この「有料無観客ライブ」というスタイル(システム)は、矛盾(葛藤)となって彼らを苦しめていたことのひとつかもしれない。

2020年6月|BANG BANG CON The Live

◎2020年4月、モラトリアム期間に

4.区切りと考えていた2020年4月からのワールドツアーが出来ないことで、活動を延長することにした。

ここで“モラトリアム期間”が生まれることになった。

モラトリアムとは“猶予”。
大人になるまでの猶予期間、社会へ出るまでの猶予期間などの意味に使われる。未達成、不完全、一時停止などの意味も持つ。

■RMのモラトリアム|2020年4月17日
あたかも、まさにモラトリアム期間に入ったかのような様子がYouTubeに記録されていた。
「200417 RM」というタイトルで、RMがYouTubeライブ配信を行っている。

この時点(2020年4月17日)でRMは「新しいことをしようということになった」と言っている。
「こんな時でもお互いにつながりを持って、何か一緒に探しましょう」と。

ここで「アルバムの準備に入った」と言っていたのは、2020年11月20日にリリースされた「BE」のことのよう。
「出来る限り、プロセスを公開していきたいと思っている」と疲れた様子でRMは語っている。

この配信の概要欄にはハッシュタグ「#StayConnected #CarryOn」とある。
これはRM本人が記述したんだろうか…。

StayConnected:つながっていましょう。
CarryOn:前に進みましょう。

これが、次のアルバム「BE」のコンセプトに昇華されたのかもしれない。

■SUGAのモラトリアム|2020年4月26日
予定通りなら、米国カリフォルニアの「サンタクララ」でコンサートを行っていたはずの4/26。SUGAがYouTubで動画を公開している。

このキャスケット帽子を後ろ前にかぶった(ベレー風の)おなじみのSUGAのスタイルで絵を描く姿は、時々拡散される画像で目にしていましたが、ワールドツアーがキャンセルになった時期に「こんな時でもお互いにつながりを持って、何か一緒に探しましょう」とRMがはじめたライブ配信での流れの上にあったよう。
それを知ったうえで改めて見ると、感じることが違ってくる。

この後、象徴的になる「ユンギの青い絵」はこの時に生まれたものだったのですね。

アルバム「BE」コンセプトフォトのユンギ

■J-HOMEのモラトリアム|4月28日
おなじみのダンススタジオ(練習室)にあらわれていたのはJ-HOPE。
ゆったりとはじめたストレッチから、画面(の向こうにいるARMY)に語り掛けるように視線を合わせ、徐々にペースを上げていく。
ダンスと話をしているようだね、ホビホビ。

個人的には、この動画(静かな対話)に一番こころを動かされる。
なぜかな(涙が…)。

■JIMINのモラトリアム|2020年5月1日
すでに「アルバムの準備に入った」とRMから語られていた。そして、メンバーと話をして「新しいことをしようということになった」と。

その「新しいこと」なのだろうか、JIMINがアルバムのプロジェクトマネジメントの役割を担うことになった、と。
楽曲制作やパフォーマンスだけでなく、アルバムづくりのプロセスの要所要所にメンバーがかかわること、メンバーの適性や能力開発につながるような機会を与えあうこと。
この辺りも、まさにモラトリアム期間ならではだったのですよね。
がんばれ!ジミナ―。

◎Go to Grammy

5.計画の狂いにより、あえてのチャレンジ=別の夢を追うことにした。

あきらかなモラトリアム期間に彼らが行ったのは、7年の活動で到達できたかった頂点に向けての “妥協”だったのだろうか…。

・2020年8月21日|全編英語「Dynamite」リリース
それまで手を出さなかった「全編英語」による楽曲発表
楽曲を、世界中のタレントに求め、自分たちに合う「英語曲」を探した(結果全編英語になった)。

予定していたワールドツアーの日程調整(その後キャンセル)が告知されたのが4月中旬。それから、空いたスケジュールでどんな活動をするかの準備を始めたと想定すると、4/中旬~8/中旬=約4カ月で「Dynamite」の楽曲とパフォーマンスを用意したことになる。
このタイトル曲「Dynamite」を含むアルバム「BE」が11月20日に出されているので、さらに並行してアルバムの作業も行っていたことになる。

・2020年9月|米ビルボード・ソング・チャート初登場1位(記録尽くし)
 -2020年度の週間セールス最高記録を更新
 -初登場週に30万ダウンロードを突破
 -韓国人のグループがHot 100で1位を獲得するのは歴代初

・2020年11月24日|グラミー賞ノミネート
「Dynamite」で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされる。
この第63回「グラミー賞」の受賞対象は、2019年9月1日から2020年8月31日までに発表された作品なので、8月21日リリースの「Dynamite」はかなりギリギリの滑り込みエントリーとなっていたことになる。

「Go To Grammy」は、彼らの音楽活動の一つの夢(目標)として、2018年頃からメンバーのSUGAによって公言されていた。
その時点では、どれだけ現実性を伴う発言として周囲に取り扱われていたのかは微妙なところだ。トークショウの話題として、アジア出身アーティスト~K-POPの野望として。どちらかというと韓国から来たボーイズバンドの“生意気さ” の演出や “気概(欧米マーケットへの参入)”のメタファーとして扱われていた部分が大きいように思う。

BTSをとりまく状況

6.2020年10月|HYBE 韓国取引所へ上場

BTSが所属する事務所「HYBE」が、韓国取引所にIPO(新規株式公開)を果たす。
その後、本社を龍山トレードセンターへ移転、社名をBig Hit Entertainmentから「HYBE」へと変更。また、米国のイサカ・ホールディングスを買収(現HYBE AMERICA)。
「HYBE AMERICA」を率いるのはスクーター・ブラウン。
スクーター・ブラウンは、これまでにジャスティン・ビーバー、 アリアナ・グランデ、カニエ・ウェストなどのマネージャーを務めたことがある。

7.2020年12月|「兵役法」改正

それまで28歳までとしていた兵役の期限を30歳になる年の年末まで延長できるようにする「兵役法」改正案が可決。
これで、2021年から2022年12年までの2年間が、完全な “モラトリアム”期間になった。
なぜなら、2020年12月に「28歳」になるメンバーがいたからだ。

この「兵役法」改正により、最年長メンバーの入隊が2年延ばされた。

2年。

この猶予(=モラトリアム)が、そのまま彼らの計画と遂行のギャップとなり、均衡を崩すことになり、する必要のない活動やくだす必要のない決断や飲み込む必要のない妥協になったのか…。

8.2021年10月|ユニバーサルに契約先を変更

コロムビア(ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下)から、ユニバーサルミュージックグループ(UMG)に契約先を変更。
米国でのマーケティング、流通/配信はユニバーサルが担うことになった。BTSは、2018年から3年間コロムビアと契約していた。
コロムビアの会長兼CEOロン・ペリーは「Butter」で共同作曲者となっていた。

「Dynamite」「Butter」「Permission To Dance」のスマッシュヒットにはコロンビアのロン・ペリーと彼のチームが深くかかわっていたので(グラミー賞ノミネートも強くドライブをかけていたと思われるが)、なぜ契約先を変えることになったのか…。
とても興味深い点である(Chapter1→2にも影響は少なくないと思われる)。

日本では、すでにユニバーサル ミュージックジャパン所属となっていた。2014年に日本デビュー以来、2017年3月まではポニーキャニオン所属だった。
この、2017年以降日本でのK-POPの潮流が変わり、メディアへの登場が増えていったと思われる。

◎グラミーでのソロパフォーマンス

9.2021年3月14日|グラミー賞授賞式でのソロパフォーマンス

「Dynamite」で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にノミネートされた彼らは、韓国から授賞式に参加することに。
受賞発表を待つシーンでは、彼ら全員が「LOUIS VUITTON」をまとい、初のソロパフォーマンスは、韓国で録画したものを流したものの、そのパフォーマンスはグラミー賞授賞式にあたかもリアル参加しているかのような演出で届けた。
 -米国の時間に合わせ夜景を効果的に活用したものだった。
 -いわゆる“ワンカメショー”(編集なしで、ライブのように見せる)演出。

のちに、RMが “真の防弾会食” で、グラミー賞授賞式でのパフォーマンスについて(主に、会場でリアルに参加した2022年64回授賞式のことを指しているものと思われるが)こう言った。

驚かすことはできたが、
メッセージは届けられたとは感じられなかった。

“驚かす”。
それは“K-POP”の存在を象徴するようなキーワードだ。

高いシンクロ性(それを完成させる練習量や体形管理)、貪欲に世界中のトレンドや最先端のものを取り込んだMix(慣例やセオリーを無視することも)、煽情的な衣装と濃いメイクアップ、そして激しく踊って歌うこと…。

グラミー賞は楽曲およびアルバムの制作者に与えられる賞が主であり、グループ、ましてや提供を受けた楽曲を歌い踊るパフォーマンスに対し与える適当な賞は存在しない。
それだから、グラミー賞にノミネートされることで授賞式に招待されるものの「受賞」に届くことはまず難しい(と個人的には解釈している)。
それでも、「ノミネート」されることで彼らは出演パスを手にでき、世界中が注目するグラミー授賞式でパフォーマンスを披露することが出来たわけだ(それがそのままセールスにつながり、K-POPのアジアのエンターテインメントへ接触するきっかけを産むことができたわけだが)。

一方、K-POPアイドルでスタートした韓国のボーイズグループが、欧米音楽マーケットで一つの成功を成し遂げたとするなら “K-POP 初”“アジア人として最高位”“グラミー賞初ノミネート”でも過分とみることもできる…。
そして、グラミー賞ノミネートにリーチするためには、どれほどのオトナ(事務所、レーベル、プロモーター、エージェント)がリソースを投下した結果であることか…。

10.2021年5月21日|「Butter」をリリース

「Dynamite」に続く2曲目の英語曲。

5月24日に「ビルボード・ミュージック・アワード2021」で初パフォーマンス披露し、続き米国のニュースショウ、トークショウへ立て続けに出演。
それら含め、事前のプロモートも最大限投下され「ビルボード・ホット100」では初登場から7週連続で首位。

11.2021年7月3日|「Permission To Dance」をリリース

アルバム「Dynamite」でカップリング曲である「Permission To Dance」(3曲目の英語曲)も、「ビルボード・ホット100」で1位となる。

結果、全編英語曲は3曲。
「Dynamite」
「Butter」
「Permission To Dance」
この3曲について、長く彼らを見ているファン(ARMY)にとっては「バンタンらしくない」「韓国語で歌い続けるのが彼ら」「HipHopからも遠くなった」と感じられるものだったようだ。

また、それはそのままRMが言う「自分の手のひらの上にはなかった(=自分たちの楽曲と自信をもって言えるものではないもの)」だったようだ。

私がBTS沼に落ちたのは、彼らの “なかったはずのモメンタム(瞬間)”だったのか

いわゆる“新規ARMY”、“Dynamite勢”は、このうしろめたさ、もやもやに苦しまされ続けるのだろうか。

彼らの本意ではないものを見ていた。
苦しんでいた渦中のアウトプットでファンになった。
彼らからしたら想定外の存在。

確かに、そうなのだと思う。これは逃れられない。
(彼らの発言をどうポジティブにすくっても、そうなのだろう。)

ただ言えることは、この期間のアウトプットは、まぎれもなく彼らからしか発せられ得ないものだったし、どれもこれも今この時代(期間)で最上級に美しく、刺激的で、スタイリッシュ。
なにより、手に入れたいと欲した瞬間だった(そう、これ!)。

ビジネス環境的にも、グラミー賞へのエントリーや、各アワードでのパフォーマンス、リリースする楽曲に合わせた発表の場を用意すること、さらにその場に相応しいスタイリングやヘアメイクを仕上げること、そのひとつひとつに多くの才能やセンスが投入されている。
そのクリエーティブとオペレーションはまがいもなく史上最高だと思う。

Teamwork Makes the Dream Work
チームワークが夢を叶える

彼らを見出し育てたパン・シヒョク氏(パンPD)が掲げていたスローガンだそうだ。

BTSの7人と、彼らのパフォーマンスを作り上げたチームの存在を思うと心底尊敬の念が沸き上がる。
ただ続けていただけでは到達できない頂があり、目指さないと決してそこにはたどり着けない。彼ら7人となら目指せると思ったはずなのだ。
みな優秀で情熱をもち、献身的でなによりエンターテインメントを愛する人たちだろう(韓国のアートワークは本当に素晴らしい!)。

ただ7年という時限装置があった(兵役入隊の時期が必ずくることも)。

いわゆる “新規ARMY”、“Dynamite勢”であるものにとっては、いやそもそもK-POPにそれまで触れたことがなかったものにとっては、アイドル(あえて)がその活動の真っただ中にいるその時が「辛い」「楽しくない」(かもしれない)ということに慣れていない、少なくともそんなに深刻なものではないと軽んじていた。
どちらかというと「見せてもらっているものが全て」と割り切るところがある。あくまでも、彼らが提供しているものは作品であり、パフォーマンス/ステージであり、エンターテインメントである、と。

一方、アイドルを推すことは、作り込む「アイドル性(カタチ)」と「生身」のとのギャップによって生まれる刹那(矛盾)の存在を知りつつ「今を追う」活動のようだ。
彼らは、常識から外れた練習量や仕事量をこなし、常に評価(ランキング)にさらされ~サバイバルショウやオーデションを経てデビューし、音楽ランキング番組で競い合い-韓国には多い~、強くコンセプトを打ち出すプロデュース手法下でグループの差別化で競い合う(そんな印象が強い)。

◎あらゆるギャップをはらむ時代の先鋒

その世界から突然私のところへやって来た彼らは、すにでに既存の「K-POP」飛び出した彼らだった。
飛びだし、迷い、苦しむ彼ら。

それでも、全編英語曲にチャレンジをし、都度スタイリングを替え、北米の老舗放送局のニュースショウやトークショウで韓国語を話し、海外アーティストとコラボレーションをし、毎回輝く演出で魅せてくれた。
毎日毎日あふれんばかりのコンテンツ(楽曲、動画、記事)を提供してくれた。
そのギャップこそ、彼らが唯一無二な存在であった部分だろう。


ここまで書いて、正直この投稿は未完。

まだまだ知らなかったことが多い。
彼らに関わる書籍類も、結局積読状態だし、供給されているコンテンツもとてもじゃないが目を通しきれない。
新規ARMYの弱みだ。

いや、新規ARMYの強みか。
9年間をさかのぼれる楽しみがある。
彼らの活動が少しスローペースになる(?)この期間こそ、復習する時間が取れるだろう。
そしてなにより、
Chapter2は最初から推せる(Chapter1は途中参加だったけどね)。

“新規ARMY”のみなさん、“Dynamite勢”の方々。
ご一緒に、この彼らの9年間をさかのぼる楽しみを一緒にしませんか?

もしよろしければ、Twitterコミュニティ開いています。

オトナARMY💜BTS7人の魅力と彼らと共にいる日々の共有
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いつでも、どなたでも歓迎!です。

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