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私は見た目があやしい

 私は、体が曲がっています。ついでにめがねも曲がっています。いつごろから体が曲がっているのかわかりません。おそらくここ10年くらいだろうと思います。自分でも写真を見ると気になるんですよね。私、体が曲がっていて、見た目があやしいのです。体が曲がってきたのは、薬の副作用だと言われたこともありますが、はっきりしたことはわかりません。とにかく第一印象の悪い人間です。どれくらい私の第一印象が悪いかと言いますと「私は第一印象が悪いですから」と人に言ったときに「そんなことないですよ」と言ってくれる人はひとりもいないくらい第一印象が悪いです。

 話の出だしがもっともらしくないのも私の特色です。古くは25歳の大病の前、修士論文のアイデアを指導教官に言ったときも、最初は「だいじょうぶかこいつ?」という目で見られましたが、私の話を最後まで聞いた指導教官の先生は「それは腹ぺこくんの作った複体がとてもいいものだったのですね。それは修士論文としては充分すぎるほどの内容ですけれども」と言いました。また、数年前、弁護士の伊藤真さんの憲法の話を聞いて質疑応答のときに手を挙げて一番に当たり、しかし、冒頭で私はわけのわからないことをたくさん言いましたが、最終的に「三権分立や地方自治は権力をけん制する意味があるのではないですか」と質問しました。伊藤先生は「たいへんいい質問をいただきました。おっしゃる通りです」と言いました。最後まで聞いてもらえたからです。

 私を第一印象で見る人はダメです。それから、私の話を最後まで聞かない人もダメ。でも、なかなかそういう場に出会えないのも事実でしょう。私の話はさえぎらずに最後まで聞いてもらえたらけっこうおもしろいんだよう!このnoteみたいな記事は文章ですからさえぎられることなく自分のペースで書けるので向いています。実際の会話ではこういうわけにいきませんからね。

 私、中学のころはモテたんですよ。なにしろ勉強ができてフルートはうまかったですからねえ。吹奏楽部の後輩の女子からかなり人気がありました。それが人生でいちばんモテたときですね。高校は男子校だったからそもそもあまり異性と話さなかったし。でも、モテたのはそれきりで、あとはひたすら「見た目があやしい」。私に道を聞いてくる人も少ないし、テレビ局のインタビューなどはまず来ない。たまに来るのは、お金の物乞いのかたですね。

「私(神)は人が見るようには見ないからだ。人は目に映るところを見るが、私は心を見る」(旧約聖書サムエル記上16章7章)。これからの人生は、ひとを見た目で判断しない、ひとの話を最後まで聞いてくれる人を相手にして生きて行きたいです。そうでないと生き残れない!

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