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ニコレのウェーバーと・・・

本日もクラシック音楽オタク話をだらだらと書きますか。若いころから持っていて、いまでも好きなCDについてです。

最初に、クイズを出します。このCDに入っている2曲目、非常に有名な曲の、コードネーム譜を作りました。なんの曲か、当たりますでしょうか。


正解は、フランクのヴァイオリンソナタでした。冒頭です。こういうコード進行を書ける作曲家は、非凡ですね。

今回のCDは、ニコレのフルート、ベルマンのピアノによる、ウェーバーのソナタ(ピアノソナタ第2番のフルートとピアノ用の編曲)、フランクのソナタ(有名なヴァイオリンソナタのフルート版)の2曲の入ったCDです。

いつごろから持っているのかと言いますと、少なくとも大学2年生の夏までには持っていました。つまり、これもやはり30年近く前から持っているCDだということになります。私はこの2曲をこのCDで知りました。そして、少なくともフランクのソナタは非常に有名な曲であること、とくにいろいろな楽器で演奏されることをだんだん知りました。

東大オケの仲間で、やはりフルートでこの曲を習っている仲間がいました。ヴァイオリンのすごくうまい仲間と、ティボーとコルトーのCDについてなど話していました(当時は1995年くらいで、インターネットなどもほとんどなく、音楽を聴くとしたらCDを買うくらいしかない時代です)。私の先生はニコレに習っており、そのフルートの仲間の先生もニコレに習っていました。その仲間は、私がこの曲のニコレによる演奏のCDを持っていることを知ったとき、衝撃でなにかものを落としたことを覚えています。それくらい、その仲間は、ニコレによるこの演奏を聴きたかったのでしょう。もちろん貸しました。

この曲は、いろいろなフルーティストが取り上げています。ゴールウェイにはアルゲリッチと共演した有名なレコーディングがあります。パユにもCDがあります。(パユのリサイタルで、アンコールに第4楽章を聴きましたね。パユのリサイタルの記事は書いたことがないと思います。いつか書ければ。)私がのちに購入したこの曲のフルート版の校訂者はグラーフでした。ランパルの自伝には、この曲を演奏して、新聞に載った記事が「残念ながらフルートとピアノが同時に演奏できなかった」と書いているのをスターンが見つけておもしろがっていた、というエピソードが載っています(この曲の第4楽章は、ピアノが先行するカノンなのです)。これくらい、有名なフルーティストが軒並みやっていることになると思います。

このフランクのソナタはチェロでやることしばしばで、また、テレビで、コントラバスでやるのを見たことがあります。

近所の繁華街で、このフランクのソナタがひんぱんに流れています。なぜでしょうか。

ウェーバーのほうは、ミュラーという人の編曲で、同時代の作曲家による編曲です。こちらはフランクに比べるとだいぶ知名度が落ちると思います。

この日、ニコレは絶好調であり、ウェーバー、フランクとも、絶妙の演奏を披露しています。ニコレほどの達人でも、日による出来不出来はあります。出来のよくない日の録音はいまいちです。この日は絶好調です。

当時、「重要な曲」ほど先に持ってくる傾向にあったレコード界で、ニコレはしばしば「重要な曲」を後に持って来ていました。モーツァルトのフルート四重奏曲の同じTudorによるCDもそうですが、有名なニ長調が最後になっています。これはもともとLPだったと考えられますが、そのころからの曲順なのかどうかはわかりません。とにかく、フランクのソナタが後半になっています。B面でしょうかねえ。(レコード時代に重要な曲を先に持ってきた理由はわかる気がします。円盤の外側のほうを回転しているときのほうがいい音がするからでしょう。)

このCDは、30年くらい所持していますが、およそ10年くらい前のことだと思います。リビングのプレイヤーでかからなくなってしまったのです。それ以来、リビングではかけていません。いまは、このCDは、ナクソス・ミュージック・ライブラリで聴くばかりとなっています。

あまり熱量のない記事になってしまいましたね・・・。このCD、とても好きなのですけど。NMLで聴けるほか、2023年12月16日現在、YouTubeでも聴けると思います。すばらしい演奏ですよ!

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