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イエメンを知る~日陰の「内戦」~

休日の朝にYouTubeで国際ニュースを見るのが日課となりつつあり、アルジャジーラ(中東カタールのニュース専門チャンネル)を観ていたらイエメンの話題があった。

中東の国で、約8年間続いて来た紛争の休戦についてだった。休戦と言っても、どこに着地するか分からないし、事態は複雑で、入り組んだ線に引き裂かれ、犠牲が出続けて来た。

背景としては、1990年に南北に別れていた国が統一され、強い権力を握った大統領(サレハ氏)が政権を担っていたが、2011年からの「アラブの春」の影響で失脚する。そしてイラン支援の元、不満を貯めて来ていた反政府派のフーシ派が、新政府と衝突を起こし、サレハ氏と結びついていく。

2014年に「内戦」が発生し、イラン支援のフーシ派と、サウジ、英、仏、米が支援する政府側に別れて争うことになる。権力の空白地帯にアルカイダも跋扈したり、フーシ派とサレハ氏が対立状態になったり、情勢は入り組んで来た。

大国の思惑に翻弄される、ウクライナにも似た状況。しかし日本での報道量は少ない。(数十万人の単位の死者、数百万人単位の難民、1000万を超える最貧困化が起きているにも関わらず)
ヨーロッパでは無いからか。イランの対応も良くないが、米国の武器が最近までサウジ経由で民間人を殺傷し続けて来た「あまり日米にとり都合の良くないニュース」だからか。要因は複数あろう。

ウクライナでは、「平和」を掲げつつ、ウクライナにばかり妥協を迫り、結果としてロシア擁護になる意見を見る事がある。米国が歴史的に中小国の利益を潰して来た事を強調する人も多いが、ロシアによる中小国の潰しを間接的にであれ擁護すれば、それは米国が将来、似たような事をするのを許す事に繋がるだろう。

一方で、中小国の存在を重視し、ウクライナの抗戦を無条件肯定しながら、歴史的背景に目をつむり、第三世界等、主に欧米が翻弄して来た国々にはほとんど意識が向かない人もいる。日本ではこちらの意見の方が目立つ。

ロシアだろうと米国だろうと(もちろん中国、日本だろうと)大国によるあらゆる蹂躙を許さず、中小国同士の連携を模索し、大国に対する牽制としていく。そしてそこに、(一応世界第三位の経済大国である)日本が世界中の地域と同じ目線で積極貢献していく。

こういった「夢想」を持つのは悪い事では無いはずだ。大国に着いて行く議論ばかりする国は、社会に「カネや力に頼る論理」が蔓延し、それが個々人の気持ちにも巣食い、どこか生きにくい雰囲気を生んでいると思う。

寄付でも勉強でも対話でも発信でも、「夢想」の実現に1ミリでも一人として貢献することは、私自身の中の「カネや力に頼る論理」に気付き、見直し、セルフケアする事に繋がっていくことと思う。

(参考)

Is the war in Yemen about to end? | Inside Story - YouTube


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