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初めて生きろ!と強く言われた日

「どんなにどんなに神様に嫌われようと自分の足で頑張って生きろ」

そう言われたライブがある。もちろん私だけに言われた言葉ではない。だが、その言葉が私にはとても嬉しかった。生まれて初めてあんなに強い言葉で生きろ!と言われたのだから、何がなんでも生きなくてはと思ってしまう。私は生きろと言われたことがない。生まれてすぐ父方の祖父からお前なんか死ねばいいんだと言われ、中学ではノートや机、ラケットケースetcに死ねなどと書かれることが多くそれが日常茶飯事だったし、まあそういうものかと諦めていた。

当時、私は中学卒業して四月から高校生になる頃だった。なのでまだギリギリ中学生。
中学のときはいわゆるイジメを受けていて、人生に挫折していた。高校受験が受かっても、前の学校の人間がいなくても、もしかしたらまたきっとあの時のようなことが起こるのだろうと頭の中を過ぎる日々を過ごしていた。
そんな時に両親から、ライブのチケットが取れたからと言われてそのライブに行った。私はそのバンドについては全くの無知だった。CMで流れていたから聞いたことはあるけど聞き流す程度のバンドだった。両親がなぜ私をそのライブに連れ出したのかは今でも聞いていない。きっと私が絶望的な顔を毎日していたから気を使ってくれたのだと思う。

そして父から、今度いくライブのバンドのCD買ったから貸してやると言われたが一度も聞くことはなかった。聞こうとしなかった。なんとなく、聞こうとは思えなかった。そんな余裕が当時のわたしにはなかった。

CDを一度も聞くことなく両親と会場へ向かった。ジャニーズ(いまはスマイルアップ?)のコンサートに行く事はあったが、バンドのライブは生まれて初めてだったので少しドキドキしていたのを今でも覚えている。
二階席でもそれなりに見える席でこんな感じなのかぁと思っていたらheimという曲が始まった。なんて綺麗な曲なんだろうとうっとりした。
次の曲次の曲といろんなメロディの曲で私は気付けばノリノリになっていた。気付けば手を上げて周りと合わせてとても楽しんだ。

アンコールの前にバイシクルという曲が流れた。
歌詞に「神様僕を試すのですか?神様僕を試してるのですか?」というフレーズがある。それにハッとした。中学のあれは神様が私を試していただけなんだと。神を信じないがそのときだけはそういう事なのだと思い込んだ。そうしたら自然と涙が出てきた。ただ試されていただけなのだと安心した。私が悪いわけではないんだと、ただ試されて酷いことをされていただけなんだと。だから、もうこんな酷いことをされることはないかもしれないという希望を持てた。
歌詞は本当はそんな意味ではない。ただ私にはそう感じた。ただ単に神様の意地悪だったんだと思えた。それにしてはかなり酷いことをされまくったけど、それでも希望を持てた。

そしてアンコールの二曲目、demon(it there?)で締めくくった。
ラストで何度も何度も生きろ!生きろ!生きろ!と叫んでいた。彼らはたくさんの苦労をしてこの幕張メッセに帰ってきたんだと思う。だからこその重みがあったのだと思う。当時の私も今の私も彼の生きろ!という言葉に涙してしまう。生きてても良いのかと安心をする。私の周りには恋人だって友人だっているが毎日毎日不安と見えない何かに怯えながら過ごしているから、何度だって生きることに対して消極的になる。だけど、彼のどんなに神様に嫌われようと自分の足で頑張って生きろという言葉に救われる。

音楽でひとは救われない。だけど、私は言葉で救われた。


何の話だよ、と思うが私が好きなバンドの話。
知ってる人はあまりいないが一応は武道館も行ったことある。
千葉の星だったひとたち。
もう解散している。

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