見出し画像

老後はその家で大丈夫?

マイホームを持ちたい。

一度は考える、いや、既に行動に移している人もいるかもしれない。そんな人に一度考えて欲しいと思う。
これは家を建てるのはやめようだとか、マンションの方が経済的に良いみたいな話ではない。
じゃあ、子供が生まれたら?定年したら? ってこと?
いや実は考えて欲しいのはもっと先の話。

病気になったら?

おそらく家を建てる場面といえば、結婚した、子供が生まれたなど幸せの絶頂の時が多いだろう。後先のことなんて考えてるようで考えてないと思う。
そんな人に一度読んで欲しい。

家で暮らすことが一番な幸せ

患者様が入院時、口を合わせて言う言葉は

家に戻れますか?

それだけ自分の家で暮らすということは、人生にとって重要なウェイトを占めていることが多い。

今の時代、脳梗塞での入院が非常に多い。大半の人は治療をして、リハビリをして改善次第で退院先を決める。その期間は長くて半年程度。
この時大事なのは、家の環境である。

例えば
・杖で歩ける
・認知症なく安全と危険の区別がつく
・家事ができる
一見、家で暮らすのになにも支障のない感じがするかも知れない。

でもここで
・階段(段差) が高い、多い
これだけで施設という選択肢になることも多い。

親身に手伝ってくれる身内がいれば別だが、現実は難しい。また、改装や引っ越しが出来れば良いが、老後に大金を捻出することは難しい。

そんな時のために、4点の気をつけて欲しいポイントを挙げさせて頂いた。

家を建てる時に注意してほしいポイント
・生活空間はコンパクト、シンプルに

 生活の移動距離が多ければ多いほど、疲労しやすく転倒のリスクが高くなる。高齢者の転倒は寝たきりの要因に非常になりやすい。特に脳梗塞などの運動麻痺の状態では数mであっても方向転換が多かったりするとリスクは格段に上がる。
そのためリビングから少なくともトイレ、浴室は近い配置かつ、出来るだけ直線が多いようなシンプルな構造にすることが望ましい。

・段差を少なく、低く

 段差は自宅退院の際の障害になりやすい。これは屋内も敷地内も言える。家の中の階段や上がり框、ドアの前の段差など探すと沢山あると思う。スロープを置けるような広い敷地があれば別だが基本的には1/12の勾配で置くことが好ましいため、例えば10cmの段差を上がるのに1.2m必要となる。これが難しいことが多い。
もしどうしても段差が必要
いま住んでいる家の周りにも3階建ての家が多く見受けられるが、病気や老化で階段を上がれなくなったときのことを考えて欲しい。せめて1階で生活が完結できるような環境にして欲しい。

・扉は折れ戸か開き戸がベスト

 家の中は扉が何枚もあると思うが、この扉は横開きの折り戸が開き戸にして欲しい。通常使われる開き戸は、脳梗塞などで運動麻痺などになった際は特に、開いた際にバランスを崩しやすく、また進行の障害になりやすい。もちろん工事で扉を変えるということも可能だが、家の構造上扉を変えるだけでなく大掛かりな工事になってしまうことがある。

・トイレとお風呂は広く

 この2つは広くしておいて欲しい。特にトイレは生活に必須であり自宅での生活の最優先の問題なることが多い。
具体的には、トイレ内は1515mm(約1m50cm)あると望ましいと言われている。これは便器の幅に50cmの介助スペース+手すりを合わせた幅で車椅子でのアプローチも可能である。

・廊下や扉は広く

 これは車椅子の際に重要になってくる。日本工業規格では70cm以下に車椅子の幅となっている。もちろんこれよりも小さいものもあるが廊下を通れない、扉の中に入れないなどの場合車椅子で暮らすという選択肢がなくなってしまう。

より良い老後を

住み慣れた家、地元というのは人にとって大切で、幸福なことなのだと働いていると感じる場面が多い。
もちろん今病気にならないよう行うべきことは、まず食事や運動であると思う。でもだからといって100%防げるものではない。
そんな時のため、自分が一番いる家という場所・環境について一度考えてみて欲しい。


最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまが素敵な人生を送れますよう願っています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?